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れいわ新撰組について本気出して考えて見た

 れいわの支持者が #山本太郎を総理大臣に  みたいなタグをばら撒いています。

 ただ少し考えてほしいんですけど、総理になるには、選挙に勝つか、勝たなくても一定数の支持を得て相当の影響力を持たなくてはいけません
 太郎さんは人格も能力も素晴らしいんだから総理になれるよ(キラキラオメメ とか思ってるなら、ちょっと中三で公民をやり直してほしい。

 相当の影響力とは、twitterでバズるという意味では勿論ありません。
 複垢やり放題のtwitterやSNSで声がどれだけデカくても大して価値はないからです。

 実際の選挙で有権者から票を得て議席をとらなくてはいけません。

 向き合うべきはtwitterではなく有権者です。


 ボリスジョンソンも言ってましたね。



 総理になるためにれいわが最大勢力になる必要は必ずしもないと思いますが泡沫のままではダメです。
 現実的にはキャスティングボードを握れるくらいの一定の議席を確保し、民主党系の連立政権で首相に推されるのがギリギリあり得るルートですかね。

 選挙にある程度勝つためには広く支持を集めなくてはいけません。
 自分の身内だけの狭い岩盤支持層ではダメです。

 残念ながら普通選挙制度の下では、人格高きリベラルセンセイも、真実に目覚めたれいわ新撰組支持者も、下劣なネトウヨも持っているのは一票づつで、その価値は同じです。

 この一票は「いい人」補正で10倍カウント!とかにはならない。


 なので、選挙に勝つためには……つまり票を集めるには、対立する勢力から票を引きはがしこっちにもってくる。
 もしくは無党派の目をこっちに向けさせる。それが必要です。

 なので、れいわ支持者の看板を掲げてこんなこと言うのはどうしようもない悪手なんですよ。


 

 少数政党として生きるならこれでいいです。
 この主張に喝采を叫ぶ人だけが支持者であり、嫌悪を示す人はお呼びじゃない、でも構わない。

 でも前述の通り、選挙に勝つには支持層を広げていかなくてはいけない。
 その時、れいわ支持者がこういう発言をしているのが、世の中にどう映りますかね。
 先鋭化が行き過ぎて、その辺のメタ視点を何も考えてないのか。

 強い言葉は確かに強い支持者を生みますが同時に反発も産みます、
 そして大事なことですけど、一度反発した人が支持者になることはまずありません。

 5人の熱心な味方と5人の敵を生み出すよりは、3人の味方と7人の中立を生み出し、時間を掛けて7人のうちの3人や4人をこちらに引き込む方が最終的には勝ちます。

 いずれにせよ、SNS上で観測されるれいわ支持者は本当に山本太郎を総理にを目指そうとするなら逆効果になってます。
 本人たちの自認は知りませんけど、現状のれいわ支持者の言動は、排他的で攻撃的、個人崇拝の宗教を思わせます。
 

https://twitter.com/netsensor1/status/1761170395682709739より引用)


 もう少し周囲の目を気にした方がいいとは思うのですが……あの熱さがあるからこそ支持者も熱狂できるので、その辺はどうしようもないのかもしれませんね。

 彼等的には「俺たちの熱いアピールで国民の多数が太郎さんのカリスマに心打たれ、是非この人を総理に!」となるイメージなのかもしれませんけど、流石に夢見すぎです。
 それに、その光景を考えて見ればヤベーでしょ。個人崇拝って独裁国家か宗教ですよ

 ていうか、国民の多くが山本太郎のカリスマに心酔して首相に推すような、そういう状況なら普通に選挙で勝つでしょうけどね。

 いずれにせよ、支持者の行動がこれではまっとうなルートでの党勢拡大など夢のまた夢です。
 このノリで太郎さんを総理大臣にするならば、ガチ勢で武力蜂起したほうがまだ可能性あるでしょうね。某宗教団体のように。

 ということで、れいわ新撰組の支持者はガチで

 山本太郎を総理に!!!!!!そして日本は変わるんだ!!!!!!


 と考えていそうなんですが……手法がズレてるのさておき、多分考えているのはマジっぽい。

 では議員側はどうなのか。

 これは私見ですけど、威勢のいいこと言ってますけど、彼らに政権を担う……というより責任を担う気はないと思います。
 多分自分達にその能力が無いのも分かってると思います。
 なので、うっかり勢力を増やしすぎて本当に責任を担うポジションになると困るくらいに考えていそう。

 なので山本太郎も含めて支持者にウケがいい姿を演じているだけだと僕は思っています。
 まあ、政治役者とでもいいましょうか。

 まあそれは分かるんですよ。
 だって責任を負って国家運営するより、文句言いながら議員報酬貰って、自分達にやらせろというポーズをして支持者から褒められてる方がいいですもんね。

 そう思う理由は3つあります。

 

 

 一つ目はこれ。
 この被災地にキャンピングカーとフェリーのもですけど、本当に

「最高のアイディアだ!なぜ政府は実行しないんだ!」


 と思うなら、政府に自分達に権限を与えるように言うべきなんですよ。
 自分たちが実行するから権限をよこせ!とね。

 だってもしその画期的なアイディアが成功したら政権の手柄になっちゃうじゃないですか。
 本気で政権を目指すなら、ナイスアイディアを敵に提供するのは意味不明ですし、手柄を立てる機会を逃すなんて愚の骨頂でしょ。

 ……まあ政府与党に協力するなんてマネをしたら、熱心な支持者の皆さんが激高するのは火を見るより明らかなので、できないというのはあるでしょうけど。

 彼らが中々上手いなと思うのは、上記のキャンピングカーのように、どう考えても実現不能なことを言うことです。
 荒唐無稽な分インパクトは強いので支持者向けにアピールになる。
 
 それに他党との違いが出るから目立ちます。
 民主党や共産党もさすがにこんなぶっ飛んだアイディアは打ち出せない。

 仮にそのアイディアが本当に実行されたとしても損はありません。
 まず実現のために実務とかの面倒な部分は押付けられます。

 もし成功したら自分達のアイディアと誇張し、それでも自分達ならもっとうまくやれた、アピール。
 失敗したら不手際を攻撃して、自分達ならできたと言える。

 そんなん実現不能だと拒絶されたら、出来るはずなのになぜやらないんだ、と言える。
 全方位に隙がない。

 彼ら的に困るのは、れいわビジョンを君達の手で実行してほしい!そのための権限を与えます!と言われることでしょうね。

 れいわの議員側が責任を担う気が無いであろうという二つ目の理由が立候補者の数。

 

 僕は共産党を支持することは絶対ないですけど、あれだけ全国に候補者を立てる姿勢については敬意を払います。
 理論上、共産党が立てた候補者の大半が当選すれば相当の大勢力になります。
 そう言う意味では彼らは口だけではなく本気で政権を取りに来ている。

 一方でれいわの2021年の候補者は21人。仮に全員当選しても5%の勢力。
 これでは精々で連立政権に加わって大臣の椅子を一つ貰うのが精々でしょう。

 ただ、上記の通り、うっかり勢力を増やした結果「連立政権に参加してほしい!」とか言われても彼等的には困るだろうとは思います。
 そんなの面倒ですもんね。

 まあでも「我々は既存政党に飲み込まれる気は無い!俺達と組みたければ山本太郎を総理にすることが条件だ!」と言ってのければ、支持者さんも拍手喝采だからいいのかな。
 責任も回避できて一石二鳥。
  
 なので、立てる候補者を増やさないことが、彼らが政権を担う気は無いという証左と言えます。
 そう言う意味では次の衆院選でどう出るかは興味深いところですね。

 三つ目は正にあの上の動画。

「現金よこせ!」
「現ナマ現ナマ!現ナマ現ナマ!」


 とリズムに合わせてみんなで連呼する姿が支持者以外にどう映るのか、多少まともな感覚があれば分かるはずです。
 あれは少数政党として強固な支持者を確保する手法であって、広く支持者を獲得するやり方ではないです。

 あれで支持者が増えると真剣に思ってるならかなりヤバいとは思います……まあそう思ってるなら選挙で勝つのは無理でしょうが。
 でも其処まで愚かではないと思うんですよ、多分。

 つまりあのパフォーマンスは支持者以外にどう映るか分かったうえでやっている、支持者向けのパフォーマンスです。
 本気でれいわ新撰組が勢力拡大を目指すなら、たとえ支持者が求めても議員側はやらない方が長期的に見れば利がある。

 でもあれをやっちゃうということは、それよりも支持者向けパフォーマンス優先ってことなんですよね。



 このガチで太郎さんを総理に!と考えてSNSで発信に勤しむ支持者と、割と現実が見えていてビジネスで政治役者を演じている議員側の乖離は、役者が大根演技で本音がバレない限りは表面化しないだろうとは思います。

 この辺の構造は新興宗教に近い感じですよね。
 末端の信者はガチで信仰してるけど、上層部はビジネスと割り切って宗教してるっぽい感じで。

 ただ、俺達で!!!!!太郎さんを!!!!!!総理に!!!!!!!とかマジで考えていそうな支持者の皆さんは少し可哀そう。
 つーかビジネス政治役者を否定はしません、というか合理的なやり方だとは思いますが、不誠実極まりないですよね。

 しかし……ここまで色々書きましたけど。
 実はガチで

 無能な自民は退場せよ!俺たちに任せれば問題解決!

 
 とか思ってる可能性も捨てきれないんですよね。
 あな恐ろし。

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