見出し画像

GBH

がんばれ!僕の標準レンズ。略してGBH」シリーズと題して、手元にある標準レンズを順番に使っていこうと思います。

標準レンズとは?

35㎜フィルムのライカ判であれば、一般的には、焦点距離が50㎜のレンズということになります。
私の理解では、標準レンズの焦点距離は、フィルムの対角線長とほぼ同じ長さと思っています。そうすると、ライカ判の標準レンズの焦点距離は約43㎜前後のレンズとなります。ちょうどこの焦点距離のレンズはペンタックスでラインナップされています。
また、写した写真は、近くのものがより近く遠くのものがより遠く(小さく)なる広角レンズでも遠くのものと近くのモノの距離感が小さい、また、被写界深度が浅くなり圧縮効果が出る望遠レンズでもない。遠近感(パースペクティブ)が肉眼で見ている感じに近く、被写体との距離や絞りをコントロールすることで広角レンズ的な写真も望遠レンズ的なものになります。

様々な標準レンズ

標準レンズと呼ばれるレンズたち

このほか、55㎜だったりすることもある。代表的なものとしては、マイクロニッコール55㎜F2.8およびF3.5 。オートフォーカスになって60㎜になったが、標準マクロレンズと呼ばれるレンズです。
ペンタックスのスクリューマウント55㎜F1.8も有名です。NOTEの記事でもよく見かけます。
キヤノンやミノルタでは、特に明るいF1.2のレンズで55㎜や58㎜のレンズがあったように思います。
ロシア製のレンズに目を向ければ、インダスター61という52㎜のF2.8もあります。
50mmよりも短い焦点距離のレンズに目を向けるとヤシカコンタックスのテッサーといわれるレンズで45㎜のF2.8 があります。各社から似たレンズが出ていてパンケーキレンズと呼ばれています。(レンズ構成はそれぞれ異なるが)
なお、50㎜レンズの多くは(ダブル)ガウスという4~5群6枚構成のレンズが主流となっています。(古いレンズではゾナーと呼ばれる3群6~7枚構成のレンズもあります)
中判フィルムや大判フィルムに目を向けると、6×6㎝判であれば80㎜、6×7㎝判であれば90㎜(マミヤなら、110~120㎜ぐらい)、4×5inch判であれば150㎜というのが一般的だと思います。(ライカ判のように多少ずれるものもあります。)

PENTAX Z-1と標準レンズ、これが基本セット

なぜ、幅があるの?

分かりません。一般的なフィルムサイズ、デジタルカメラではフルサイズとよばれるフォーマット(24㎜×36㎜)はライカ判と呼ばれます。その名の通りライツ社が最初に製品化したといわれているのですが、そのライカのレンズの焦点距離が5㎝でした。これが標準レンズ=50㎜の始まりです。
前述のとおり、昔の国産標準レンズに55㎜や58㎜といった長い焦点距離のレンズが存在します。これらの多くは初期の一眼レフカメラ用のレンズという共通点があります。
レンズの高性能化は経験、電子計算機、硝子、コーティングなどの様々な技術的発展によるのですが、初期の一眼レフレンズでは、レンズ後端からフィルム面までの間にミラーボックスのスペースを確保しつつ、一定の性能を確保するために必要な技術がなく、ランタン系ガラスの登場などにより50㎜という焦点距離に収斂していったと本で読んだ。

ペンタックスの古い標準レンズは55㎜

標準レンズの範囲は?

広角レンズや望遠レンズに対する標準レンズなのですが、どこまでの焦点距離が標準レンズと呼べるのでしょうか?
私の考える理論的標準レンズの焦点距離である43㎜を中心に実際に標準レンズとして認知されている長焦点側は58㎜とすると1.349倍の違いがあります。同じ比率が単焦点側に許されるのならば約32㎜となりますが、32㎜のレンズになると明らかに広角レンズ的な遠近感になると思うので、35㎜までか?昔のレンズのカタログでは35㎜レンズは広角のカテゴリーに分類されていましたので、昔のコンパクトカメラに使われていた38㎜ぐらいになるのでしょうか。
38㎜のレンズはあまり見かけないので、40㎜となるのでしょうか?
ライカ判のカメラ用であれば、焦点距離40㎜~60㎜のレンズを標準レンズと呼んで差し支えないかと思います。

AF NIKKOR 50mm F1.4Sで撮った写真。開放ではふわっとした写りになる。

標準レンズのメリット

フィルムカメラ時代、標準レンズはF1.4、F1.8やF2.0ととても明るいレンズでありながら、各社から比較的安価であったり、ボディーとセットで販売されていて、まさに標準的なレンズという位置づけでしたが、ズームレンズの高性能化やフィルムの高感度化が要因と思われますが、次第に暗めの標準ズームにその役割を交代しました。特に、最近のミラーレスデジタルカメラ用の標準レンズでは高価なものも出てきて、標準というイメージから離れてきているように思います。

CANON EF 50mm F1.4で撮った写真

今回は、標準レンズに関して、あれこれと思うことをメモ書きしました。

参考文献:小倉敏布著、写真レンズの基礎と発展