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システムコーチングとチーム作りはどう関わるのか

これは、「システムコーチング Advent Calendar 2023」の4日目の記事です。

去る7月。システムコーチングの応用コースを修了した。

「システムコーチングは関係性に対するコーチングである」と聞いただけではとらえどころがなかったのだが、いざトレーニングを受けてみると、「これは良いものだ」と納得することができた。

そこから、(正確には応用コースを受けている時から)チーム作りにもかなり有効なのではと思い、機会を見つけては少しずつ実践を積み重ねている。

システムコーチングとチーム作りがどう関わるのか。僕の、現時点の考えをまとめておこうと思う。

まず以下の図を見てもらいたい(システム思考を知っている方は氷山モデルを、システムコーチングを知っている方は3つの現実レベルととらえてください)。

目に見える情報と、見えない情報

ふだん仕事をしている時には、氷山の上の方の情報(チームの進捗、売り上げ、年度の目標、市場の動向、出来事などなど)を扱うことが多いと思う。しかし、氷山の見えない部分の情報(感情、感覚、思い、願い、文化、仕組みなどなど)もチームの中にはある。これは、意識していても見えづらい。

この見えない部分の情報が、よりチームの力を高めていく基になる。

システムコーチングが参考資料としている書籍『リーダシップとニューサイエンス』には、組織のシステムを改善する上で重視すべきなのは、「アイデンティティの共有」、「新しい情報の共有」、「システム内のどこの人とも関係を築けること」の3つであると書かれている。

チームが成長するためには、情報を巡らせる必要があるのである。表面化していないものも、その情報の一部だ。

また、チーム作りの手法は、主に氷山の上のほうを扱い、システムコーチングは下の方を扱う傾向が強い。

こんなイメージだろうか。

システムコーチングとチームビルディング手法があつかう領域

システムコーチングは、チームの水面下にあるまだ言葉になっていないものを言葉にし、チームに巡らせるものだと、僕個人としてはとらえている。

さらに、システムコーチングがもたらすメリットを良いものだと信じつつも、一方で、「いま、このチームに有効な手法なのか?」も常に考えねばならないとも感じている。

例えば、映画館に映画を見にきた人の中からランダムに複数人を抽出しシステムコーチングをしたとしても(学びという意味ではあるかもしれないが)、あまり効果は得られないだろう。

情報を巡らせるには、ある程度の器が必要なのだ。システムコーチングが対象にしているのは、「共通の目的やアイデンティティーを持っている、相互に依存している存在」というのもうなずける。

例えばできたばかりのチーム、何も方向性が定まっていないチームは、共通の、目に見える目的の認識が薄いことがある。そういう場面では、もしかしたらチームビルディング手法を取り入れるほうがいいのかもしれない。

システムコーチングとチームビルディングをうまく組み合わせ、チーム作りをより効果的にしていく方法を模索していきたい。ここが僕の現在地だ。


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