山口功作

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平等と公平の間に苛まれる自治体運営

 自治体で新たなサービスが開始されると、後々議会で「このサービスは、平等ではないのではないか?」、「公平ではないのではないか?」といった質問を浴びせられている場面を目にすることがあります。例えばマイナンバーカードを活用した新たな給付サービスを開始する段階になっても、「カードを持たない市民の皆さんと平等・公平にしなければなりませんので、給付開始は同日になるよう調整させてください」みたいなことを、自治体職員の方々から言われることがあります。  本来、平等と公平は同じ場面で同時には

    • 香川県の感染状況を可視化してみた

       2019年3月17日の感染1例目から、2021年8月21日までの間に確認された3,584例目(うち1件取り下げ)までのデータを、公開情報を考察してみました。私は公衆衛生の専門家でもありませんし、データサイエンティストでもありませんので、考察を皆様に共有したいというのではなく、行政から公表されているデータを用いることにより、市民の方々がご自身で理解しやすい形にできることを知っていただければと思います。そのため、個人的な考察は加えていません。  まずは累積の感染数をグラフにし

      • 地方自治体にCIOは必要か?

         CIO(Chief Information Officer)やその補佐官は、デジタル化に重要な役割を担うと言われて久しいですが、果たしてそうでしょうか?IT化やオンライン化を進めるだけであれば、そうかもしれません。ところが、デジタル社会を語る上でオンライン化というのは一部でしかない上、どの自治体においてもデジタル化は黎明期であり、情報システムの設計・維持・管理に長けている人材では、行政のデジタル化を賄うことはできません。  「IT化やオンライン化」と「デジタル化」の混同は、

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