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【利用者18万人!!/旦那デスノート】成功しちゃったら、さすがに罪に問われるの?それとも完全犯罪か!?

みなさん「旦那デスノート」って知ってますか?(いえ、実は僕も先日まで知らなかったんですけどね・・・)

元祖「デスノート」については、ご存知ですかね。「殺したい相手の名前と死因」を書くと実際に死んでしまうっていう、少年ジャンプ連載だったマンガ&映画化もされたアレです。

1:旦那デスノートとは?

それで「だんなデスノート」というのは、モラハラ夫に苦しめられている女性が旦那への恨みつらみを書いて、相手の死を願うというヤツでして、専用のウェブサイトがあって、結構な利用人数になっていたりするものなんですよね。

サイトの書き込み内容を見てみると、一つはそういうつらい状況に置かれた女性のつらみが書き込まれていて、読んでいてなんともキツい気持ちになるのですが、一方で「こうやって復讐してやる」みたいな具体的な計画とか「実行しました」レポートみたいなのが書かれていて・・・

いやはや、こっちは男としては怖くなるところですね。


2:「旦那への復讐」コーナー

先日知人に聞かれたのは「これ『デスノート効果ありました報告』みたいのあるんだけど、実際に旦那さんが死んじゃったら、さすがに罪に問われるのかな?」って話でした。

えーとですね・・・

ホームページの方を見ると「旦那への復讐」のコーナーに書かれていることが本当ならば、ですけど、向精神薬とか漂白剤とか、実際に身体に影響を与える物質を投与している人もいるんですよね。こうなると、もう「デスノート」とか関係なく、それが原因で、相手が体調を崩したり死んじゃったりすると傷害罪とか殺人罪とかになっちゃうんですよね。

ホームページにも「旦那をジリジリとさりげなくブッ殺す方法と殺害食材」とかあるんですど、合わせて「警察にバレない! 」とも書いてあるので、これはみなさんバレた場合は、捕まると分かっているということなのなぁと思います。

サイトも基本匿名のSNSで「2ちゃんねる」みたいなものですから、建前としては「あくまでストレスを解消する範囲で」使っていただくと言うことですよね(笑)


3:とはいえ、効いちゃったら!?

でその上で、そういう危険性のある手段を使わずに、なんか「デスノートの効果」っぽい感じ相手が調子を崩したり、はたまた死んじゃった時にどうなるかって話ですよね。

本家「デスノート」の場合でも「それって今の法律で裁けるの?」と話題になっていましたが、こっちはまず無理なんですよね。

犯人が主観的に「相手は死ぬ」と知っていたとしても、デスノートに名前を書くことの「客観的な危険性の証明」ができないと、「その行為で相手が死んだ」とは評価できないというのが刑法の考え方です。

「客観的な証明」って、言ってもですね。。。。

死刑囚とか、合法的に命を奪える相手を使って、法務大臣の指示のもとに検察官が立証のために命を奪ってみせるっていうのは考えられますが、どういう条件で何人試せば、証明できたことになるのか。。。。こういうのって、そもそもの殺害のロジックがわからないと、ただサンプルを重ねてもダメだと思うんですよね。

なので「現代科学で因果関係が証明できない方法」での殺人は罪を問われません。逆に言うと「他人が知らないような新たな原理で行われた殺人行為」というのは、その原理を捜査機関が科学的に解明しない限り、裁くことができないってことなんですよね。

4:「旦那デスノート成功!」は?

ということは、ですよ。

「だんなデスノート」に相手を呪い殺す効果があったら、それは原理が解明できない限り、罪を問われることはないんです。

実際、ホームページ見ると「相手を悶絶させてくれるらしい呪術」の広告とかがサイドに出てますが、こういうのを使って、万一効果が出ちゃったら、客観的な危険性が証明できないので無罪なんです。

また、投稿の雰囲気を見ている限り、どっちかと言うと、書き込んでいる方はモラハラの被害者側の方が多くて(ほんと大変そうですが・・・)だんなさんに何か具体的な加害行為をしているわけではなさそうですしね。

とはいえ、精神攻撃みたいなのを日常生活の中でじわじわ続けて、相手が「うつ状態」に陥った時に、自殺に向かう気持ちをポンっと押す、みたいなことをしたら、その場合は唯一、殺人罪が成立する可能性があるかもしれません。

実際、直接手を下すことなく、相手を洗脳したり恐怖に陥れて、自殺を決行させたと言う事件で殺人罪が成立したケースは(もちろんレアですけども)限界事例としてはありますからね。

とはいえ、これもそのプロセスって目撃者がいたりしないと立件は無理かなぁとは思います。家庭内の事件って、基本的に密室ですから、なかなか証拠が揃わないんですよね。

5:どうしてこういうサイトが?

ということで、近頃話題の「だんなデスノート」についての法律的な解説でした。

ちなみにこのサイトを作った方は、両親が子供に向けた愛情の形にかなり問題のある家庭で育った男性だそうで「自分のような子供」を減らしたいと思ってサイトを作ったとのことです。書き込むことで少しでもお母さんの「ガス抜き」ができるなら、子供に向かうストレスも減るんじゃないかという発想のようで。

そう言う意味では、社会の人の心の闇の受け皿を作ろうとした「ひろゆきさん」に近い思想の方なのかもしれませんね。

実際、家庭というのは孤立無援の密室になりがちで、このサイトに書き込むだろう女性や、その家庭にいるかもしれない子供のことを、体験者だからこそリアルに想像して作られたサイトなのかもしれません。書き込む方々からの電話での相談も受け付けているようで、そんなところにもその方の考え方が表れているような気がしました。

なかなか刺激的なサイトですが、現代の社会の水面下に潜む痛みを象徴するようなサイトですし、皆さんも一度、訪れてみると良いかもしれません。過激な言葉に反応するだけでなく、その背景にある重苦しい痛みや、そのご家庭には子供がいるかもしれないことにも想像を寄せて。

動画バージョンはこちらになります!


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