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ドイツで片頭痛と付き合う

昔から片頭痛の持病がある。

片頭痛は辛い。これは片頭痛を経験した人しか分からない痛さだろう。

自分の頭痛は大抵週末に起こることが多い。これは仕事でストレスを抱えている人に多いパターンらしい。週末に仕事の緊張から解かれて、カラダの何らかの作用で脳の血管が拡張してしまう、という事らしい。

オードリーの若林も仕事が終わると片頭痛になりやすいと言っていた。

一度頭痛になると、大抵1日中苦しむことになる。

ともかく痛い。ひたすら痛い。

痛くて何も出来なくなってしまう。横になるしかないけれど、横になっても痛い。だから痛くない姿勢を探すのだけど、どうやってもやっぱり痛い。

痛みも苦しいが、週末の大切な時間を痛みに耐える時間として浪費しなければいけないというのが本当に悲しい。すべてが嫌になる。自分のカラダを呪うしかない。

しかし・・・

しかし・・・

片頭痛には特効薬があるのだ!

それを知ったのは8年くらい前だ。アメリカに住んでいたころ、かかりつけ医に頭痛の事を伝えると、

「それは片頭痛だ。薬があるから処方してあげよう」

と言われ「スマトリプタン」と言う薬を処方された。

スマトリプタンは鎮痛剤ではない。

片頭痛は脳の血管がなんらかの原因で拡張する事により神経を圧迫して痛みが起こる。スマトリプタンは脳の血管を縮小させる作用があるので、結果として片頭痛をおさめる事が出来る、という仕組みだ。

初めてスマトリプタンをのんだ時、片頭痛の初期症状の目の奥の痛みがす―っと消えていった。感動的な体験だった。

スマトリプタンを飲み始めてから、人生は大きく変わった。

片頭痛の予兆を感じたら素早くスマトリプタンを飲む。そうすると、ほぼ7割くらいの確立で頭痛は消えていく。また、起こったとしても痛みは小さくなる。

それ以来、週末を頭痛で苦しみながら過ごすことはほとんどなくなった。

スマトリプタンを作り出した製薬会社の人、マジで感謝してます。

ありがとうございます。

おそらく世界中で何千万人という人が同じように感謝していると思います。

そういう訳で、アメリカでは定期的にスマトリプタンを購入していた。アメリカではスマトリプタンは処方薬となり、保険が効くので一錠が1ドルくらいで買える。

日本でも同じように処方薬だ。一錠は約100円くらいだ。

さて、ドイツ。

ドイツに来てからまだお医者さんに行けていない。そろそろ日本から持ってきたスマトリプタンが無くなりそうだったので、ドイツのスマトリプタン事情を検索してみた。

すると、ドイツではなんとスマトリプタンは処方薬必要なく、薬局ですぐに買える事が判明した。

ドイツすごい! いままでは薬が無くなりそうになるといちいち病院に行かなければならなかったので、数か月に一度病院に行っていた。薬局に行ってすぐに買えるなんて最高に便利だ。ドイツ最高。

早速薬局にいき、スマホでスマトリプタンの文字を見せたらすぐに買えた。こんなに簡単に買えるなんてすごすぎる。

スマトリプタン

しかし、大きな問題があった。

価格が高いのだ。

1箱に2錠しか入っていない。そして1箱が9.5ユーロ。

つまり、一錠 4.25ユーロ。つまり一錠が約600円。

・・・・一錠が・・・・600円?

日本やアメリカの約6倍だ。

いや、いくら何でも高すぎるだろう?! 片頭痛という一般的な病気の薬としては高すぎる。そんな理不尽なことがあるのか? ドイツ人はすぐにこの理不尽な薬価に対してデモを行うべきではないのか?!

それ以前に、この箱の大きさでなぜ2錠しか入ってないの?

いろいろ納得できない。

ドイツ人は合理的な民族であったはずだろう。

私は大体ひと月に平均で3、4回くらい片頭痛が起こるので、毎月2000円以上のお金を片頭痛に費やすということになる。これはいくら何でも高い。

砂漠で喉の渇きに苦しんでいる放浪者にペットボトルの水を1000円で売りつけるようなものだ。

選択肢が無い人間に高額のものを売りつける。これはひどい。

これだけ税金が高くて、そして社会保障がしっかりしているドイツでこんな事がおこるなんて信じられない。

やはり処方してもらうと安い(もしくは無料?!)のかもしれない。

そのためには、まずはかかりつけ医に行く必要があるのか?

うーむ。

ドイツで片頭痛とどう付き合ってゆくか?

もう少し調査の必要がありそうだ。


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