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サッカーとドミナント戦略


経営分析のフレームワークでサッカーの試合を考えてみます。


現代サッカーではゲームモデルが肝心だと言われる。
企業経営で考えると、ビジネスモデルになるんだろう。

ゲームモデル:どんな方法で試合に勝つか
ビジネスモデル:どんな方法で利益を稼ぐか


具体的なビジネスモデルをサッカーのゲームモデルに置き換えてみたい。
今回は「ドミナント戦略」。
ドミナント戦略は、コンビニやファストフード、コーヒーショップなどで採用されている「集中出店する」ビジネスモデルである。
特定地域に集中して多店舗出店することで、
①    店舗を目につきやすくすることによる公告効果
②    近接店舗間でのヘルプ人員の確保
③    商品輸送の効率化
という利点がある。


サッカーで考えると、狭いエリアに選手を集めるゲームモデルになる。
例えば、4-3-3の布陣で攻めるときに、右サイドにボールを展開し、右WG・右IH・右SBに加えて、CFやボランチが加わって数的有利を作って戦う方法となる。
また、3バック採用において、攻撃時にサイドCBも攻撃参加させるオーバーロードで数的有利を作る方法もある。


利点としては、

  1. ゾーンディフェンスを採用している相手であれば、数的有利となりやすく、パスコースを確保しディフェンスラインを突破できること

  2. ボールロスト時にボール周辺に多数の選手がいることから、即時奪還のプレスをかけやすいこと

がある。
つまり、ボール周辺に選手が集まって、
攻撃時にはショートパスをつないで相手ディフェンスを突破し、
ボールロストしたらゲーゲンプレスで即時奪還し再びマイボールにする
という循環を目指したサッカーになる。


そして、このゲームモデルのもう1つ狙いが、相手DFの視野内で多くの人間が動くことで、認知能力に過負荷を強いることとなり、認知漏れや処理ミスを誘うことにある。
相手選手のOODAループの回転スピードを上回る環境変化を起こすことで相手を劣勢に追い込むという発想である。
「認知」→「判断」→「行動」という人間の認知行動をクラッキングする方法となる。



もちろん、欠点もある。
「ドミナント戦略」ビジネスモデルにおいても店舗の商圏が重複することから、自店舗同士で顧客の奪い合いが起きてしまう。つまり、非効率を内在している。
サッカーの試合においても同様であり、味方選手が集まりすぎた結果、ボール循環のノッキングを起こしやすい。
そして、もう1つ。ボールロスト時にプレスをかわされて密集エリアからボールを出されると、他のエリアでは数的不利となる。


「ドミナント」サッカー

  • 狭いスペースでのパス回しが得意な選手が揃っているチーム向き

  • ボールサイドに選手を密集させて数的有利を作り、細かいパスワークで相手ディフェンスを突破する攻撃

  • ボールロスト時にはゲーゲンプレスで即時奪還する防御

  • 密集エリアから相手が脱出した際のリスク管理が必要

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