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サッカーとマイケル・ポーター



サッカーを経営分析のフレームワークや考え方・視点で考察してみたい。


現代サッカーではゲームモデルが肝心だと言われる。
企業経営で考えると、ビジネスモデルになるんだろう。

ゲームモデル:どんな方法で試合に勝つか
ビジネスモデル:どんな方法で利益を稼ぐか

マイケル・ポーターの基本戦略がビジネスモデルの基礎だろう。
<基本戦略>
①    コストリーダーシップ戦略
②    差別化戦略
③    集中戦略


まずはコストリーダーシップ戦略。
他社よりもコストをかけないことで利益を稼ぐのが、コストリーダーシップ戦略だ。
サッカーの試合におけるコストとしては、
攻撃の局面では、マイボールにしてから攻勢に出てシュートするまでの時間、関与する人、タッチ数などが挙げられる。
よって、
・パスを回してボール保持を確立してからじっくり攻める⇒×
・速攻カウンター⇒○
となる。
また、ゴールキーパーから前線にロングボールを蹴り込むのもコスト削減の選択肢になる。
以上から、バーチカル志向のサッカーになりそうだ。

一方で、守備の局面では、ボールを奪い返すまでの時間などがコストとして挙げられる。
時間をかけない守備とは、相手ボールになった瞬間に、
・撤退して守備ブロックを組む⇒×
・ボールの即時奪還⇒○
となる。
そのためには、相手ボールになった瞬間に、ボールホルダーにプレスをかける選手、パスコースを塞ぐ選手が連動して囲い込むための配置が必要になりそうだ。

これを1つにつなぐと、
キーパーから前線にロングフィードを蹴り、キープできれば少ないパスでシュートへ向かう。キープできず相手ボールとなれば、そのままハイプレスをかけて奪い返してシュートへ向かう。こんな戦い方が考えられる。
クロップが指揮していたドルトムントのサッカーに近いイメージになるだろうか。
この戦い方の課題は、かなりの走力・スプリントが求められること。また、ボールを持たされる場合には発揮しにくいことになる。


つづいて、差別化戦略。
他社が真似できない特徴を活かして利益を稼ぐのが、差別化戦略だ。
サッカーに当てはめると、身も蓋もない言い方になるが、選手のテクニックや身体能力を活かした戦い方になる。

・ヘディングが非常に強い選手がいる
 →その選手を前線のターゲットとしてセンタリングを数多く送り込む
・ドリブルで相手を抜きされる選手がいる
 →その選手がドリブルでボールを運ぶ
・ミドルシュートが得意な選手がいる
 →その選手がミドルシュートをうてるスペースと時間をつくる
・足の速い選手がいる
 →相手陣内にスペースができるように自陣へ引き込みカウンター
など、優位性となる能力が発揮できる環境を全員で意図的につくる戦い方になる。


最後の集中戦略は、コストリーダーシップや差別化の使い方の側面が強いため省略。
なお、今後、基本戦略に続くビジネスモデルによる検討を予定。集中戦略はビジネスモデルのドミナントに近いことから、その際に改めて取り上げたい。

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