エビリファイを服用し始めて変化したこと
※筆者は精神医学、臨床心理学いずれにおいても素人のため、当記事はあくまで一体験談として参考程度にとどめていただけると幸いです。
エビリファイとは
エビリファイ(一般名:アリピプラゾール)とは、DSS(ドパミンシステムスタビライザー)に分類される非定型抗精神薬の一種です。
その名の通り神経伝達物質であるドパミンの働きを調節する機能を持っています。
エビリファイの特徴として、用量によってドパミンの働きを強めることも抑えることもできるという点があります。
うつ病のように意欲の低下が見られる場合は低用量(〜3mg)で服用することで気分安定薬として作用します。
その他、ASDや双極症、統合失調症などにも使うことができます。
経緯
私はかねてからS-RIMに分類される抗うつ薬であるトリンテリックスを服用していました。
トリンテリックスにはSSRIのような効果に加え、ドパミンに作用し意欲を高める効果があります。
しかし意欲の向上があまり見られなかったために増強療法としてエビリファイを服用し始めました。
1mgと低用量の服用で大きな変化が見られたので紹介しようと思います。
(ちなみに現在は以下のどちらの作用も落ち着いてきています。)
メリット
メリットとして、活動量が全体的に増加しました。
生活記録
以前から先延ばしにしていた生活記録を始めました。
記録項目は以下のとおりです。
薬の服用チェック💊
外出🚶
トレーニング💪
読書量📖
気候🌦
睡眠時間💤
主観的意欲💥
この記録は診察時の参考として用いています。
毎日の筋トレ・外出
メンタル不調にはとにかく日光と運動が重要であるというのは周知のことと思いますが、私は冬に入ってから全く運動しない日が続いていました。
わかってるんですけど全くやる気が起きないんですよね。
しかしエビリファイを服用し始めてからはほぼ毎日外出とトレーニングをしています。
服やアクセサリーの購入
私はもともとそれほどファッションにお金をかける性質ではなかったのですが、エビリファイの服用以降は購入することが多くなりました。
特にアクセサリーなんて全くつけたことはありませんでしたが、最近では頻繁に着用しています。
かつての自分では考えられませんね、変な目で見られるのが怖いので。
おそらく以前から興味はあったと思うんですが、自分らしくないと感じて避けていたんでしょう。
初めての経験(スタバなど)
今まで行ったことのないお店に挑戦し始めました。
スタバについての詳細は以下の記事をご覧ください。
デメリット
メリットの裏返しでもあるのですが、やや軽躁状態っぽくなっていました。
これが(双極性障害や気分循環症のような)疾患の現れなのか、それとも単なる薬の効果なのかはよくわかりませんが……。
出費の増加
外出の機会が増えたので当然出費はかさみますよね。
経済的に余裕があるわけではないので正直困りました。
不眠症
睡眠時間がおよそ4〜5時間程度まで減少しました。
また睡眠中に何度か目が覚めることもあり、睡眠の質も悪化していました。
そのため集中力が低下し、本を読むのが難しくなりました。
現在では睡眠薬であるデエビゴを処方してもらっています。
感想
正直、薬一つでこんなにも大きな変化が見られるとは思っていませんでした。
腰が軽いとか重いとか、どれだけ行動するのかということは例えば能動性、主体性、やる気とかいう言葉で性格の問題として説明されがちですよね。
以前からこの個人の性質に帰属させる風潮には疑問があったのですが、今回の経験でその疑いが強まりました。
神経伝達物質のはたらきを少し変えるだけでこれだけ行動的になるわけですから、心の問題よりも脳の問題、生理学的な問題と呼んだほうがいいのだと思います。
いわゆる個人攻撃の罠と関連することだと思いますが、それはまた別の記事に書きたいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?