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[Climate Curation #106]気候変動の影響は身近に - アフリカ、中南米、日本の現状 / 気候テックの最前線 - TED 2024と学習プログラムTerra.do

以下の内容は2024年4月20日に配信したニュースレターClimate Curation #106と同じ内容です。今後継続的にメールとして受信を希望をされる方はtheLetter 、或いは Linkedin経由で購読頂けたら幸いです🙂。毎週土曜日にメールボックスにお届けしています。

こんにちは。新しく登録してくださったみなさん、ありがとうございます。直近1週間の気候変動・脱炭素・Climate Tech関連の国内外のニュース・トピックをご紹介するニュースレターを配信している市川裕康と申します。継続して読んでくださっているみなさん、いつもありがとうございます。おかげさまで「Climate Curation」は現在theLetterにおいて610名を超える方に購読頂いてます。2023年秋にスタートしたLinkedinのニュースレターでは990名を超える方に登録いただき心より感謝いたします。*日本関連の英語記事をキュレーションしている英語版のJapan Climate Curation [購読者数約2,500人]もよろしければぜひ覗いてみてください。


【⭐📰👀今週気になったニュース・トピックス】

【1】アフリカの異常気象による「最悪のシナリオ」が現実に… 気候変動→資源減少→紛争増加 日本も他人事ではいられない [4/18 47News / 共同通信]

日本では危機感を感じる機会の少ない気候変動に関し、アフリカでの3年以上の駐在を経て帰国されたばかりの記者さんによるレポート。とても読み応えがありました。ポッドキャストでは、より詳しく現地での様子が臨場感を持って伝えられています。気候変動について語る際にはこうした「気候変動の影響を既に甚大なレベルで経験している途上国での状況に思いを馳せることができるか」、また「こうした情報が報道・メディアの空間で分かりやすく、広く伝えられているか」という点もとても重要、と改めて考えさせられました。

【2】中南米でデング熱猛威 ブラジルで1300人超死亡 [4/18 日本経済新聞 ]
中南米を中心にデング熱が猛威をふるい、南北アメリカ大陸では2024年に入っての感染者数が既に350万人に達したとのことです。前年比3倍のペースで、ブラジルでは1000人超が亡くなったと報じられています。デング熱の急拡大を招いている要因の一つとして、地球温暖化などの気候変動が挙げられています。WHOは気温の上昇や降水量の増加、海面水温が高くなる「エルニーニョ現象」などが世界的な感染拡大の背景にあるとも指摘しています。

Image credit: 日本経済新聞

【3】岩手にイセエビ、腐る羅臼昆布 進む温暖化、禁漁しても魚が増えない [4/17 朝日新聞]
"地球温暖化の影響とみられる海の生き物たちの異変が次々と確認されている。生息域の変化や、漁獲量の増減だ。今年も酷暑が予想され、さらなる影響拡大が懸念されている。"
4/19夜に放映された「タモリステーション」では「日本の魚が変だ~いま、海に何が起きているのか〜」と題し、全国各地の漁師さんはじめ関係者のみなさんの厳しい状況が詳しくレポートされていました。

Image credit:朝日新聞

【4】再エネ・原発 拡大どこまで〜30年度目標、達成なお遠く 電源構成で道筋示す [4/16 日本経済新聞]
*40年度の電源構成を策定 次期エネ計画 - 経産省、企業投資促す [4/16 日本経済新聞]
中長期のエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」において、2040年度の電源構成を策定する方針が示されました。脱炭素目標を示す2035年度よりも先の見通しを立てることで、企業が将来の投資計画を立てやすくすることを目的としているとのことです。

Image credit: 日本経済新聞

【5】三菱商事、空気中のCO2を直接回収 英シェルと連携 [4/16 日本経済新聞]
"三菱商事は16日、空気中にある二酸化炭素(CO2)を直接回収する事業に参入すると発表した。英シェルなどと連携し、2020年代の後半に年100万トン規模のCO2の回収をめざす。技術を提供する外部企業への資金支援などで数十億円の投資を想定する。"
【6】三菱商事は初…住友商事・双日も、大手商社「DAC」プロジェクト参画広がる[4/18 ニュースイッチ/日刊工業新聞]
大気中の二酸化炭素(CO2)の直接回収技術「DAC(ダイレクト・エア・キャプチャー)」への注目が集まっていると報じられています。

Image credit:ニュースイッチ/日刊工業新聞

【7】EU議会、炭素除去認証制度確立のための法律を採択 [4/18 ESG Journal]
"欧州議会議員による441対139の賛成多数で可決されたこの採択は、EU法制における包括的な炭素除去および土壌排出削減の枠組みの立ち上げに向けた最終ステップのひとつであり、炭素除去の利用を拡大する一方で、グリーンウォッシングの懸念に対処し、信頼を構築し、炭素除去技術の開発を奨励し、炭素除去ソリューションを導入し、革新的な炭素農法に取り組む産業および土地管理者に収入機会を創出することを目的としている。"
【8】低空飛行の東証カーボンクレジット市場。「うまくいかない」は必然、専門家が指摘する3つの理由 [4/15 Business Insider]
2023年10月に始まった東京証券取引所の「カーボン・クレジット市場」が、“低空飛行”を続けていること、その要因、今後の展望等が詳しく紹介されています。2024年秋には上場企業など約750社が参加するGXリーグの排出量取引が始まるとのこと。こうした「カーボンクレジット」に対する注目が高まる可能性も指摘されています。
【9】TED 2024で注目の気候テック関連スピーカー

TED 2024

今年で40周年を迎えたTEDがバンクーバーで4/15〜19の5日間開催されました。現地に参加した訳ではないのですが、オンラインでのプレゼンテーションを少し視聴する機会があり、とても刺激的でした。登壇時の写真と一言コメントがこちらのTED2024レポートブログで紹介されていて、気候変動関連のスピーカーを4人ピックアップしてみました。いずれ公開されることを楽しみにしています:)

  • 古賀大貴氏 / Oishii Farm CEO

  • MILLIE CHU BAIRD / Environmental Defense Fund チーフ・サイエンティスト・オフィス / MethaneSAT

  • Tammy Ma / ローレンス・リバモア国立研究所のInertial Fusion Energy Initiative(核融合技術)リーダー

  • David Finnigan / 劇作家・ゲームデザイナー 舞台『Kill Climate Deniers』の劇作家

【10】気候変動を学ぶオンライン学習プログラム「 Terra.do (テラドット・ドゥ)」、様々なテーマで短期(2~6週間)プログラムも提供中
気候変動分野の入門編オンライン講座を提供している Terra.do、私も2年前に受講してとても学びが多かったのですが、最近では2〜6週間程度の細分化されたテーマごとの短期プログラムも提供されています。「デジタル製品の脱炭素化」、「炭素除去技術とリスク」、「サステナビリティにおけるデータとAIの活用」のような講座も用意されていて、私も久しぶりに受講してみようと検討中です。卒業生専用のディスカウントコードも用意されているとのことで、もしご興味ある方はこちらのリンクから申込みされると20%の割引が適用されるそうです。*紹介者である私には実際の支払額の15%分が将来の受講費に活用できるクレジットとして付与されるとのことです。コストを抑えながらお互いに継続して学び続けるコミュニティになったらいいですね🤞🙂

Image credit: Terra.do

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*気候変動、脱炭素、気候テック関連のリサーチ等にも力を入れています。海外の業界動向調査やコンサルティング等、お仕事のご相談・ご依頼がありましたら、どうぞお気軽にご連絡下さい。▶お仕事お問合せフォーム

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市川裕康 株式会社ソーシャルカンパニー | www.socialcompany.org

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