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#COP27 関連の日本についての日英で書かれた記事を分析して気づいたこと2点

エジプトで開催中の第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)に関しての日本の動向について日本語・英語で書かれた記事を調べて気づいたことが2点ありました。備忘録的に記しておきたいと思います。

今年の春から日本語と英語での気候変動/気候テックに関するニュースレターを配信していることもあり、定期的に毎週ニュースの見出しを調べている中で気づいた事象になります。

*今回の記事を書くきっかけになった英語でのニュースレター「Japan Climate Curation」👇

分析に用いたツールはBuzzSumoというSNS上の言及数を調べるものなので厳密な報道量を言い表せているものではないと思いますが、目安として参考になるデータのひとつとして見ていただければ幸いです。

  1. 過去1ヶ月の間に英語で書かれた記事を分析した際(検索キーワード「COP27 and Japan」で)、40件しか見つけられず、極めて少ないこと

  2. 同じく過去1ヶ月の間に日本語で書かれた記事を分析した際、上位8本のうち5本が世界の環境団体でつくる「気候行動ネットワーク」(CAN)により日本が地球温暖化対策に消極的な国として「本日の化石賞」を受賞したことについての報道であること。

COP27関連の英語での記事の量と日本関連の記事数

BuzzSumo調べ

過去1ヶ月の間に、英語でのCOP27関連の記事は22,745件(「COP27」で検索)、一方、日本に関する記事は40件(「Japan AND COP27」で検索)しかありませんでした。COP27初日(11/6)の英語記事は3,200件、日本に関する英語記事はわずか5件でした。
念のため、他の国との組み合わせも調べてみました。エジプト[2,699] / アメリカ[636] / イギリス[585] / インド[504] / 中国[147] / ドイツ[76] / フランス[58] / 日本[40]です。日本だけ突出して低い、とまで言えないレベルですが英語圏の国に比べると少ないことが伺えます。

COP27関連の日本語の記事でSNS上で最も突出して拡散しているのは「化石賞」に関しての記事

同じく過去1ヶ月の間に日本語でのCOP27関連の記事を検索すると、819本の記事が掲載されています[COP27で検索]。

日本語でのCOP27関連の記事ボリューム(2022/10/14-11/14)

興味深いのは、その間に最もシェアされたCOP27に関する記事8本のうち、5本が化石賞に関するものだったことです。世界の環境NGO団体でつくる「気候行動ネットワーク」(CAN)が11月9日に地球温暖化対策に消極的な国に贈る「本日の化石賞」を日本が受賞したことについてです。
*注:「本日化石賞」はCANのメンバーが、交渉の進展やパリ協定の実施を妨げるために「最善」を尽くしたと判断された国に投票し選出する賞で、COP期間中に様々なテーマごとに複数の国が選出されるものです。過去のアーカイブはこちら

以下は分析ツールBuzzSumoにおいて検索キーワード「COP27」を日本語でフィルターした検索結果になります。ツイッター上で主に拡散され、上位10以内に5本も関連記事が掲載され、上位4位を独占していることが伺えます。

BuzzSumo 調べ検索キーワード「COP27」を日本語でフィルターした検索結果

もちろんCOP27開催にあわせて、国内主要メディアでも気候変動問題やその対策についての優れた調査報道、解説記事が数多く掲載されてます。ただ、今回調べてみて感じるのは英語圏においてはその数が極めて少ないこと、また日本語においては特定のトピックが突出して話題を集めていることを知ることができました。

今回ご紹介したデータはあくまで参考として、気候変動に関しての情報を届けることに興味を持っている方にとっての一助になれば幸いです。グローバルな言語である英語での発信を意識的に取り組み、日本語でのニュースについてはCOP関連記事がどのように読まれているかを把握しながら情報発信していくことの重要性は、今後ますます高まっていくことと思われます。

気候変動、気候テック / climate tech関連の情報は国内ではあまり認知度がないと言われがちです。ただ、少しだけ意識して、共感する記事やコンテンツを目にした際には「いいね」、「リツイート」、「シェア」等で応援することで、気候変動対策の小さな行動の一歩となることを願ってます。自分自身も自戒の念を持ってこの点、意識してみたいと思います。


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