齋藤彩のノンフィクション「母という呪縛 娘という牢獄」読了。
かなりキツイ内容だったし、眩暈のせいもあって読むのにめちゃくちゃ時間がかかってしまった。
あらすじは以下に。
本屋で見かけた時は「ちょっと面白そうだな」という軽い気持ちで手に取ったのだけれど、読み始めたら、あまりにキツイというか、つらい内容で、自分の体調のこともあり、読み終えるまでにかなり精神力が必要だった。
母と娘との実際のLINEのやり取りや、娘が母に提出した反省文など、生々しい内容に思わず深いため息が出た。
親としては、「自分の子どもにはこういう風に生きて欲しい」と思うことって大なり小なり誰にでもあるはずだけれど、ここまで娘の人生をコントロールしてしまうのはどう考えても異常だし、母親には全く同情できなかった。もちろん、母親も苦しんでいたということは理解できるのだけれど。ただ、母親が自分の虚栄心を満たすために娘を利用していた、という単純な話ではなく、肉親に対する期待が依存となり、自分の人生を投影し、狂っていってしまったであろう事実がひたすら凶々しい。
「俺はこういう親ではないよな」と思う反面、果たして本当にそうだろうか、と考えてしまう。俺は息子の人生を支配しようとしていないだろうか。そのせいで息子がつらい気持ちになることはないだろうか。
俺自身、親の期待していたような育ち方をしていない自信が多いにあるので(笑)、いつか息子もそんな風に感じる日が来ないことを願う。「元気で健康に育ってくれればいい」とはよく言うけれど、今、俺は元気でも健康でもないからね。
何にせよ、家族とは何か、考える良いきっかけになる傑作だと思う。
なかなか興味深いノンフィクションだった。キツイ内容だけれど、興味ある方は是非。