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カーンルイアの騎士団[原神]

カーンルイアの騎士である、白鵠騎士と黒蛇騎士についてのまとめ。白鵠騎士と黒蛇騎士の関係性がこんがらがっている人向けです。

白鵠騎士

元帥のアルフォンタスをトップとするカーンルイアの騎士たちです。スメール付近にて遺跡守衛(遺跡巨像)の運用を行っていましたが、アビスの魔物に襲撃されて戦いを余儀なくされました

<ズルヴァーンのセリフ>
あの勇士たち(白鵠騎士)は汚名を着せられると知りつつも、内なる願いに従って行動する(=漆黒の獣と戦う)人たちだったそうヨ

※よく誤解されがちなのですが、カーンルイア人とアビスは必ずしも同一ではなく、別々の目的を持って動いています。
もしくはカーンルイアから派生したのがアビス教団であって、全てのカーンルイア人の総意とは限りません。

メンバー構成は
・元帥(カーンルイアの臨時摂政) アルフォンタス
・金殿の衛兵(守備隊長とも言われる) ハデュラ
・ひげ親父 ヒルデリック
・幽谷の少女 イングヒルダ

アビスとの戦いによるそれぞれの騎士の結末

①ヒルデリックは原因不明の多臓器不全で死亡します。

②騎士イングヒルダはアビスとの戦いで行方不明
後に黒蛇騎士となっています。

③騎士ハデュラは裏切ったためアルフォンタスに処刑されました。
→後に子孫クリングソルがアビス使徒として出てきます。

④騎士元帥アンフォルタスは、カーンルイアの王・エルミンの容態悪化に伴い、臨時の摂政をしていたくらいの大物です。ハデュラ処刑の際、左目を失いました。最後までアビスと戦いました。

モチーフトリビア

原神の白鵠騎士 Schwanenritter
Schwanenritterはドイツ語です。

この騎士団の名前はケルト神話として有名なローエングリン(白鳥騎士)であり、
原神は特にケルトの伝承を元にして作られた、
ドイツ人ワーグナーのオペラ
『パルジファル』と『ローエングリン』
を元にこの騎士団を設定しました。

1 アルフォンタス→ワーグナーのオペラ『パルジファル』に登場する聖杯王です。傷を負って苦しんでいたため、聖槍を騎士たちに探し当ててもらって、癒してもらいました。

2 イングヒルダ→北欧神話の神フレイの別名イングYngvi+古北欧語の「戦い」ヒルダhildr
→別のモチーフ元もあるので、後述します。

3 ハデュラ→haduraはドイツ人でたまにいるHadullaという家名からとったみたい?

4 ヒルデリック
→ モチーフの候補が何人かいますが、
他の騎士たちの傾向を見ると、
恐らくCを足して、キルデリクChildericという西ローマ帝国の軍人の可能性が高いと思います。

このキルデリクは歴史において、
フランク王国を統一してメロヴィング朝を築いたクローヴィス 1 世の父親でもあります。 そしてクローヴィス1世の子はクロタール1世です。

原神ではコロタール・アルベリヒとして登場しており、 コロタールは歴史においても、原神においても、カリベルトの父親です。

5 クリングソル
白鵠騎士ではありませんが…アルフォンタスと同じく、ワーグナーの『パルジファル』に登場する魔法使いです。パルジファル内でもアルフォンタスとは敵対する側の存在でした。

<前提知識>
聖盃→キリストが最後の晩餐で使い、十字架にかけられた時に流れた血を受けた
聖槍→ローマ兵がキリストの死を確かめるために、脇腹に刺した槍。傷を癒せる。

ティトゥレルという王が、キリスト教の敵と戦うために作った騎士団に、天使がこの二つの聖遺物を与えた=聖盃(聖杯)騎士団

<『パルジファル』のストーリーを要約>
ティトゥレルの息子で騎士団の王(聖盃城の王)であるアンフォルタスは、ある日、クリングソルに聖槍で脇腹を刺されてしまい、更に槍を奪われた。

傷が癒えない呪いにかかるが、色々あってクリングソルの邪魔を回避して、パルジファルが槍を取り戻した。聖なる槍をアルフォンタスの脇腹に当てると、傷が癒えた。

→これは勝手な予測ですが、モチーフ上は聖杯騎士によってアルフォンタス王が癒される側となっていますが、恐らくアルフォンタスたちカーンルイア騎士は、本来エルミン王を癒す立場だったのではないでしょうか。
→ちょうどエルミンも500年前調子が悪かったようですし…。(聖杯か聖槍にあたるものを奪われた?)

伏線①

カーンルイアの臨時摂政であるアルフォンタスは、アルベリヒ一族ではないかという疑惑があります。

イベント限定の記載ですが、エルミンの力が衰えた時、摂政として介入したのはアルベリヒ一族だった。

アルベリヒ一族もエルミンの政治を代行した(恐らく臨時の)摂政だったからです。

しかし、アルベリヒ一族は更に面白い伏線を持っています。
ガイアの祖先であるコロタール・アルベリヒが、アビス教団の創設者だという点です。

アルフォンタスがもしアルベリヒ一族だったという事になると、
・アビス関係の魔物と戦ったアルフォンタス(先祖
・そしてその魔物と同じ力を利用するアビス教団の創立者コロタール(子孫
という関係性になると思われます。

コロタールはカーンルイアが天理に滅ぼされてから生まれたアルベリヒ一族なので、カーンルイアの臨時摂政だったアルフォンタスよりも後の人物だと分かります。

伏線②

アルフォンタスたちが戦っている「アビス」も、レインドットが生み出したものではないかという疑惑があります。

恐らくレインドットは、原初の人間(黄金)を作る過程で、獣域ハウンド・獣域ウェルプやを生み出してしまいました。
🔗レインドットの錬金術の過程考察

それがテイワット中に広がり、大災厄となります。

恐らくこの後、災厄が原因で白鵠騎士が呪いにかかり、黒蛇騎士へと変貌します。

黒蛇騎士

近衛騎士という、騎士の中でもかなり花形で王に近い地位。

黒蛇騎士は恐らく、白鵠騎士が深淵の呪いで変貌した姿です。層岩巨淵によくネームドがいますが、スメールのカーンルイア関係の遺跡にもいます。

先程でてきた白鵠騎士のイングヒルダが途中で行方不明になり、黒蛇騎士に変貌しています

レインドットの錬金術によって漆黒の魔獣が生み出され、魔獣と戦うことでその穢れを白鵠騎士も受けているように思います。つまり、白鵠騎士も間接的に錬金術の黒化現象に巻き込まれたようです。

そこで更に神から永遠に死ねない呪いにまでかけられています。
厳密に言うと、レインドットだけが黒化現象の諸悪の根源だったかは分かりません。
神の呪いの要素がどこまであったかが不明だからです。

(現時点での予想で、今後変わる可能性がありますが、ヒルチャールのような獣化はどちらかというと神の要素が強くて、黒化はどちらかというとレインドット要素が強いように感じます。ゲーム内で不死の呪い自体は神のせいだと言われています。)

<黒蛇騎士の説明文>
漆黒の兵士。かつては地下古国の誇り高き軍人だったが、今はただ戦闘の記憶を残した抜け殻に過ぎない。万物の最後には退廃があり、この空っぽの殻こそが、罪と呪いと時間の洗礼を受けた「黒蛇騎士」の姿なのである。

罪はレインドットや人間側、呪いは神がかけたものとして原神内でよく使われる表現です。

層岩巨淵にいる騎士の名前は、アメリカの映画『The 13th Warrior(13ウォーリアーズ)』という映画のキャラから名付けられています。
以下、原神の名前→映画の名前 の順に記述します。

1スケルド Skeld→ Skeld
2 ヒグラック Hyglacg→ Hyglak
3 ルテル Rethel→ Rethel
4 セルカーク Serkir→???
5 ブルウィフ Buliwyf→Buliwyf
6 ロネス Roneth→ Roneth
7 ハルタフ Haltaf→ Haltaf
8 ヘルガー Herger→ Herger
9 エジェソ Edgetho→ Edgtho
10 ハールヴダン Halfdan→ Helfdane

黒蛇騎士ハールヴダンは魔神任務に出てきましたね。アビスの企みを阻止しました。

4のセルカークだけは映画の登場人物の誰とも名前が一致しません。

しかし、セルカークのSerkirは、古北欧語でセルクル(つまりサラセン人)を意味します。

セルクルはイスラム教徒のことなので、主人公アハメッド・イブン・ファドラーンがモチーフだと思われます。

しかも役割も映画の設定から持ち出していますね。

例えばルテルは呼び名が弓Bow(持ってるの剣だけど)、ハルタフは少年、というのは原神でもモチーフの映画でも共通してます。

本来13人いるはずですが、原神はあと3人足りません。

11 Ragnar
12 Halga
13 Weath

この映画には元ネタがあり、さらにその元ネタにも元ネタがあります。

ベーオウルフ(英雄叙事詩)  ※大元

北人伝説(アメリカの小説)

13ウォーリアーズ(アメリカの映画)

という感じで変化しました。

かなり花形の騎士

白鵠騎士(黒蛇騎士)は、騎士団元帥かつ臨時摂政のアルフォンタスが所属していることから、騎士団の中でも上位メンバーで構成されていることがわかります。
また、黒蛇騎士の説明文にこんな記載があります。

宮廷において高い地位を得た近衛兵士。「至真の術」と呼ばれる剣術で王家の敵を薙ぎ払う。
「末光の剣」もかつて、彼らの一員であった。
王国の栄光が失われ、すべてが取り返しのつかないものになる前までは…。

近衛はそもそも王のそばにいる人を意味します。
ダインスレイヴは宮廷親衛隊の親衛隊隊長で末光の剣のメンバーだったので、ダインスレイヴもここに所属しています。

そりゃ王のそばにいる騎士団最上位メンバーが壊滅状態に追い込まれてたら、国だって滅亡しますよね…。

ちなみに、若干話が繋がりそうなのがモンドで純白の騎士とされていたローランド。
師匠のルースタンは500年前の災厄でドゥリンと戦い死亡しました。その後、ローランドは敵討ちのつもりなのか、アビス退治を行いました。

彼は殺戮を繰り返す間に血染めの騎士となり、黒く染まりました。最終的に古国(カーンルイア)の深淵に行き、カーンルイアが不義の裁きを受けていると判断します。そして、師匠の仇であるはずの深淵に忠誠を違う漆黒の騎士となった点は、類似していると思います。
🔗血染めの騎士に関する悲劇


※今回の話はXにて先行公開していたものを、再編(加筆修正)しました。普段モチーフ考察はXにて投稿していますが、これからnoteにもまとめていこうと思います。(Hanaの🔗Xアカウント)

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