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”自己分析”のいろは ~後編~

前編に引き続き、自己分析のいろは ~後編~ にいきたいと思います。
後半の大きなテーマは深堀りです。

👇前編はこちら

深堀りの目的とは?

そもそも目的(ゴール)を決めないと、どこに進むべきかが定まらないのでそこの定義から始めます。人事や社会人が指摘することの多くは、「内容が浅い」とか「なんでそう思ったの?」という事ですので、これを解決するための深掘りのゴールは下記に設定します。

自分の価値観を、誰もが同じ解釈で誰もが納得できる理由をつけて語ること

少し違和感ある日本語なのでお気づきかと思いますが、「誰もが同じ解釈」という点と「誰もが納得できる理由」この2点を実現することが重要だと考えています。

今回の深掘りの考察では、”解釈”と”納得”の2パートに分け、解釈のための「言語化/定義」と納得のための「裏返し」「逆算動機」「自己逃亡」という構図で説明していきます。

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「誰もが同じ解釈」とは?

「信用してもらいたい」とか「チャレンジしたい」、「幸せを生み出したい」、「新規事業」等々、自己分析から多くのワードが出てきたのではないでしょうか。
さて、これらの言葉の解釈は、誰に話してもみんな同じでしょうか?

信用、チャレンジ、幸せ、新規事業....

残念ながら、これらの言葉の解釈は人によって違います。
例えば「信用」。どのような関係性ができたら信用されるのでしょうか?
悩みを相談されたら?プライベートで遊びに行ったら?

「新規事業」も、会社の中で新規ですか?マーケットとして新規?何と比較して新しいのことですか?「幸せ」とはどういう状態ですか?

などの解釈が違うので、これらの質問をしたくなります。ですので、
解釈が人によって異なる可能性がある言葉は、言語化して解釈を揃えましょう。例えば私ですと下記のような定義となります。

▶︎信用される
本当にきついこと、言いにくいこと自分から相手にストレートに言える関係(信用されていると思っているから言える)

▶︎チャレンジ
実施前に不確実(先が見えない)リスクが確実にあり、やりたくないという感情も抱えながら、自分の夢/目標のために行うこと

▶︎幸せ
瞬間の楽しみと、達成の楽しみのバランスを自分で取れている状態(これは別のnote記事で話します)

▶︎新規事業
社内で真新しいビジネスモデル、かつ新しい事業領域であること

上記にとって定義が正しい、正しくないの議論はありません。
強いていうのであれば、自分が思っていることが第三者に解釈のブレなく伝わるかどうかが、正誤の境目です。

その観点で見てみると、私が定義した上記はブレが最初より減っていると想定されます。(解釈を100%揃えるために、「きついこと」「真新しい」とはなどの定義も必要ですが、今回は長くなってしまうので割愛します。)

自分のことを伝える1つ1つの言葉は、解釈がブレないレベルまで言語化/定義が進んでいるでしょうか?
深掘りのために、一度注意して読み直してみてください。

「誰もが納得できる理由」に必要な3つの要素

言葉の解釈がブレずに定義できたら、それを納得(理解)してもらうための深堀りをしましょう。

納得してもらうためには、一貫性が必要です。そのために前編で話しましたが「異常だった事象」を複数リストアップし、そこから価値観を抽出しようとお伝えました。
ガクチカだけやればいい、一つのことだけ深掘って価値観を出すことは注意しましょう。

そして納得できる理由を伝えていくために、大きく3つの点に注意して深堀りしなければいけません。

ポイントは「裏返し」「逆算動機」「自己逃亡」です。

注意点1:裏返し

深掘りするときに、事象を裏返した状態になっている人がいます。
例えば前編の「何故ラクロスをしたかったか」ということを深掘るのに、「文化系にはなりたくなかったから」とか「スポーツがしたかったから」という回答。
これはただ言い換えただけで、何にも自身の深掘りにはなっていません。

事象を1回深掘る度に、1回自分の意思を理由として出すことをルールにしましょう。
私のラクロスの場合だと、

1回目:本気に触れたい
2回目:逃げた過去を精算したい
3回目:このままだと自信が持てない

と続いていきます。自分の意思が毎度毎度出てきます。

これらの意思は、何かしらの体験に紐づいていており、その体験が意思の理由になります。意思と体験(理由)をセットで深掘っていくこともポイントです。

1回目:本気に触れたい
↑本気じゃないヘラヘラした奴がいるチームビルディングに苦しんだ

2回目:逃げた過去を精算したい
↑高校時代のサッカーで、最後までやり切ったと言えないコンプレックス

3回目:このままだと自信が持てない
↑素敵だなと思う人がいて、その人と話すときにビビって本音で話せない

この流れができているか、自分の深掘り/自己分析をもう一度見直してみましょう。意思が出ずに事柄だけ深掘られていませんでしょうか?。それは「裏返し」が起きている可能性があります。

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注意点2:逆算動機

価値観を見出すための深掘りですが、起きた事象から価値観を作ってしまう問題に陥る人もいます。

私の例ですが、部活時代チーム全員(70~80人)と1on1の面談をしたことがあります。2回以上やった人もいるので、その数100回以上1on1の面談です。ですので就職活動では最初このように話していました。

チームづくりのために、自分の時間を惜しまず80人のメンバーと面談し続けました。どうしたらメンバーが楽しく、イキイキと部活に取り組み最高のチームが作れるのかが私の一番取り組んだ課題です。
ですので、私は組織作りやチームビルディング、そしてヒト関心が高く、そのような仕事(人材や人事)で活躍できると思っています。

よくある内容ですね。学生と向き合う仕事をしていると、年間に50件ぐらいは同じ話を聞きます・・・

しかし、私はチームビルディングをやりたかったのでしょうか?

違います。本気で何かにぶつかって、過去を精算し、100%やり切ったと言える自分になりたかっただけです。

つまり、チーム全員と1on1は自分の目標のために結果的にやっただけであり、それ自体をやりたかったわけではありません(そもそも元来シャイなので、そんなことやりたくもない)。

もう一つ例をあげると、先日無人島で社会人大学生混ぜた数百人規模のイベントを開催した学生とお会いしました。彼女は「私は挑戦が好きな人間です」と私に自己紹介してくれました。ですので私は、

「あなたは、挑戦が好きだったのですか?」

と質問し、そこから1つ1つ経験と感情を読み解いていきました。
結果的にそのイベントを企画した一番の根っこにあった感情は、コミュニティ作りから仲間が生まれ活動を通してその繋がり深くなり、その輪の中に自分が埋もれていると感じることに高揚する方でした。

そのためにはとても頑張っており、結果的にたくさんの挑戦をしているように周りからも自分からも見える状態でした。

このように、「結果逆算」になっていないか、自分の答えとちゃんと向き合うようにしてください。

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注意点3:自己逃亡

「裏返し」も「逆算動機」も理解することさえできれば、問題を回避することは容易だと思います。しかし三つ目のこの「自己逃亡」という要素が、その回避やそもそもの自己分析自体を阻害します。
この三つ目が深掘りができていない大きな原因であり、それゆえ逃亡という少し強い言葉を使い説明します。

「自己逃亡」とは見栄や羞恥心により、自己分析を正しい方向からねじ曲げることです。

多くの人の自己分析をやり出すきっかけは、就職/転職です。そのため、自分をよく見せたいという思いが出ることからは、避けられません。
すると上述にある、「やりきらなかった経験」や「ビビって本音で話せない」などの思いは隠す傾向にあります。

また、そもそもこのような感情を自分で認めることが、とても苦しい。

何かから逃げたり、ビビったり、自分の本心に嘘をついた時は必ず、何かしらの理由をつけて自分を正当化しているからです。

私の場合ですと「受験が忙しい」とか「あの人と話す必要はない」とか考えていました。ただ逃げて、ビビっただけだけなのにその正当化をすることで、長い間本心をひた隠しにしてきていました。

自己分析の深掘りでは、この一度綺麗に取り繕った嘘偽りの殻を、自身の意思で壊し隠したい”本心”を曝け出すことが必要です。結果的に自分の見たくない部分と向き合うことになりますが、見たくない部分も含めてあなたであると腹を括りましょう。

正直こんな苦しいことはありませんし、ましてやそれを人に開示するなんて、全くやりたくないことだと思います。私もそうでした。

また、日本では我欲を出すことは避けられている風潮があります。
そんな環境のなか、自分の本心を外に出していくこと自体、憚られますよね。

このように「自分をよく見せたい」「弱い部分に向き合いたくない」「我を出すのは恥ずかしい」といった複数の理由から自己逃亡が発生します。

”裏返し”や”逆算動機”と言った現象が出てしまうのも、これらのようなことに向き合いたくないことが原因であることが多いです。

しかし、目的を忘れないでください。自己分析の目的は「自分はどんな価値観を持っていて、将来どのような姿になっていくことを求めているのか?」ということを考え言語化することです。

そのために、自分に素直になり、これまでの全てを受け止める必要があります。瞬間的に、一時的にはとても苦しいですが、

これまでの自分を全て受け入れて前だけを見れる状態になることで、明るい未来が開けてきます。これは断言できます。

深掘りする上では常に「自己逃亡」していないだろうかと、考えて1つ1つの思考プロセスを丁寧に追っていくようにしてください。

将来どのようになっていきたいか

ここまでくれば価値観の言語化はできているはずです。
あとは将来の目標を決めましょう。自己逃亡を自身で解決できるようになっていれば、容易だと思います。

①自分の価値観を維持していきたい
②価値観を理解した上で変わっていきたい

価値観に関してはこの2パターンのどちらかを決めましょう。
「現状維持は衰退だ」という言葉もありますが、価値観は進化が必須なものではないので気にしなくて良いです(私は学生の時から①でした)。
自分の価値観を好きになれない人は、変えるための行動を起こしましょう。

どちらかのパターンを決めたうえで、自分の欲望を言語化しましょう。

年収がたくさん欲しいとか、土日たくさん漫画読みたいとか、最高の仲間を作りたいとかどんなことでも良いです。価値観とは別の欲望です。

これらはWant要件となります。企業など自分の環境を選ぶ時にあればあるほど好ましい条件です。
一方で価値観はMust要件で、なければいけない条件です。この価値観の条件と欲望の条件を棲み分け、自分の将来を言語化していきましょう。

もちろん「誰もが同じ解釈になること」と「納得のための深掘り」の二つが将来に対してもできているかチェックすることを忘れずに!!

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最後に

自己分析を言語化してくことは、とても難しかったです。そしてこれで100点の内容かというと、まだ自信は持てていません。
もちろん今私が言葉にできる100点の内容は、渾身の力で書きました。

しかし社会にはいろいろな視点があるので、私だけでは見えない視点を入れて、やっとこの内容は完成すると思っております。ですので、

これをきっかけに議論が生まれることが私の希望です。

学生や若手の方は「ここがわからない、ここは腹落ちした」や、人事の方はじめ社会人の皆様にも「こう言った観点あるのでは?」「ここの言葉こう変えた方が伝わるのでは?」などとコメントいただき、内容をより良いものにしていきたいと考えております。

私がinteeという事業を通じて実現したいこと(欲)は「20代がワクワクする毎日を作ること」です。

そのために全員に高いレベルでの自己分析(自己理解)が必要だと確信しており、実現に向けて少しでも皆様のお力をいただけたらと幸いです。

https://www.facebook.com/jijicalcio

上記SNSアカウントですので、コメントお待ちしております。

長文読んでいただき、誠にありがとうございました!






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