1997-98年、自分は高3〜大学1年だった。音楽シーンでは、97年にGLAY「REVIEW」ZARD「ZARD BLEND～SUN & STONE～」98年にはB'z「B'z The Best "Pleasure"」をはじめとしたベスト盤が売れた。またL'Arc〜en〜CielやLUNA SEA、THE YELLOW MONKEYなどのビジュアル系の人気が目立っていた。
そんな当時の自分はドン底Part2に突入した。せめて当時の音楽にも触れてライトに振り返ってみたい。

ゲイである自分の初恋と告白
PAMELAH「いとしいキミ」

自分がゲイであるというセクシュアリティ（性）に気づき始めたのは小5の時だったが、自分が初めて相手のことを「好き」になったのは高校の時だった。やっぱり男の人を好きになってしまう自分にがっかりしたが、それでも好きな気持ちは抑えることができない。一緒に勉強しようと持ちかけたり、ノートを貸したり、好きなアーティストが誰か聞いたらそのCDを買って「間違えて2枚買ったから貸すよ」ってウソをついてあげたり、軽く飯に行ったり、部活が終わって帰るタイミングを合わせるために玄関のところで待ってないフリをして待っていたり。

卒業した後、3月31日に駅前に呼び出して手紙を渡した。そこには、自分がホモ（当時はゲイという言葉よりも主流だった）であること、好きであること、申し訳ない気持ち、もしよかったらこれからも遊んだりしたいこと、をしたためていた。手紙を読み終わる頃に同じ場所に落ち合った。返事は「ごめんなさい」だった。自分には受け止めきれない、と。

失恋をしたわけだが、当時の自分は、ホモである自分のことを否定されたと思ってしまった。大学に入っても、その気持ちのまま引きずることになる。そして、自分は結婚ができない、親に孫の顔を見せることができない、自分が気持ち悪い、という思いはこの頃には頭に硬くこびりついていた。

その時に貸したCDがPAMELAH。Being系の無口っぽい女性ボーカルにもっと無口っぽい男性ギターのユニット。アニメ「地獄先生ぬ〜べ〜」のED曲である「SPIRIT」が一番のヒット。デジタルロック？のようなサウンドはMANISHやfavorite blue、ELTやDｰLOOPあたりが近いだろうか。PAMELAHは「涙」や「confidence」など失恋系の歌詞が多いのに、「いとしいキミ」はラブラブな歌詞だったので、当時の片想いの甘酸っぱさと良くマッチしていた。

大学生活は孤独そして不登校へ
B'z「HOME」
L'Arc〜en〜Ciel「花葬」

案外受験勉強は苦でなく大学に入った。さあ晴れやかな大学生活をエンジョイ…することは全くなかった。というのは、自分には嘔吐恐怖症があるため、新入生歓迎コンパやクラスの飲み会、サークルの飲み会が苦痛で仕方なかったからだ。当時は一気飲みが蔓延していた。新歓や学園祭の季節になると夜中の駅には泥酔して横になる大学生がゴロゴロいる、それが当たり前だった。なので飲み会では予期不安からパニック発作が毎回起こる始末。サークルの合宿では1年生は全ての上級生の部屋にお酒を持って行っては飲まされるという謎の慣習があり、ぶっ倒れた泥酔者はブルーシートが引いてある部屋に放り込まれる。

大学でもオーケストラのサークルに所属しビオラを弾いていた。しかし、合宿で1年にアルコールを強要して、自分は二日酔いと言って合宿の練習を休むような人たちと、呼吸を合わせて音を奏でるなんてしたくないと悟った。とにかくそのような輩がサークルの中心にいるのが信じられない。その結果、2年の途中で全てを投げ出すようにオケを辞める。

また、クラスでも飲み会に参加できないことから周りに話せる人ができずに、自分だけ孤独な状態で授業に出ることになる。それが苦痛になっていき、やがて大学は不登校状態になる。

ということでこの頃は小6の不登校と同じぐらいのドン底に入った。ただその中でも好きな音楽は聴いていた。1998年7月8日にリリースされたB'zの「HOME」。このシングルはB'zで個人的に最も思い入れのある曲だ。というのも、7月8日というのは自分の誕生日と同じだからだ。

歌詞にはこうある。HOMEが全く見つからない自分を支えてくれる曲となった。

ちなみに、この日はラルクのシングル3作同時が発売された日でもある。それと被ってB'zは1位を取れないんじゃないかと言われていた。その結果は…

事務所の操作があったのか勘繰ってしまうが、とにもかくにも辛くもB'zが1位！ちなみに翌週にはラルク「HONEY」が1位になる。B'zとラルクは相当仲が良くないんじゃないかと心配したが、hydeがTAKの家に行ってバーベキューをするぐらい、今は親交があるらしい。これ個人的には次のUNITEはB'z×ラルクがあるんじゃないかと密かに思っています。

ちなみに、ラルク3枚同時のこのシングルの中で一番好きなのは「花葬」綺麗なメロディラインに幻想的な詩、ただそれ以上にとにかくベースラインがエロくてしょうがない。蛇のようにうごめくベース（しかも速弾き）はtetsuが一番なんだろうなと思う。

再び陥ることになった不登校、そしてひきこもり。また、中学の頃から頭にこびりついていた「20歳までに人生を終わらせなければ」その期限があと1年に迫っていた。その辺の話はまた今度に。