石を並べて撫でる
ただの丸い石が良い。
おじゃる丸に登場するカズマが言っていた。
本当にその通りなのだ。光輝くダイヤモンドなどの宝石や、カラフルな誕生石とは違う、
ただのなんの変哲もない丸い石こそが良い
何も特別なことは求めていない。ただ静かにそこにあって、派手さや煌びやかさはいらない。手に載せると感じる重みと、ひやっと冷たい感触。そういう石だけを日々求めている。
私は丸いものを無意識に目で追ってしまう癖がなおらない。はじめて丸石を家へ持ち帰ったときも、出先で見つけた丸石から目が離せなくなってしまったからだった。持って帰らなきゃっていう使命感にすら駆られていた。
石はロマンがある。砂や泥が堆積し、ぎゅーっと圧がかけられて、ばらばらだった砂や泥はやがて一つの岩になる。それまでにかかる時間、約1~2千万年。
そしてまたその岩が、丸の石になるまでには途方もない時間がかかる。
石が辿ってきた年月を想像し、これから一緒に過ごす年月に想いを馳せる。石に記憶があるなら、記憶に残るかも分からない些細な時間。それでも私は石を眺めながら眠るのがこの上なく幸せだ。
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