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私の知らないどこかでは不思議で素敵なことが起きているのかもしれないけど


私が大人になるまでの間にトトロは現れなくて


放課後、真っ赤すぎる太陽をみてこれから何かすごいことが起こるんじゃないか!と期待して何も起こらないまま、私は部活に行く時間になって帰りのチャイムが鳴った。


そんなものだ、分かっている。


雨女の私が天気の子になれる日なんてこないのも知ってる。猫を追いかけて、日本中を駆け巡る高校時代だって無かった。

期待すれば、するほど寂しい気持ちになることももう知っている、から何かに期待することは少なくなったし、ワクワクが高まり過ぎているときは心の中で自分に「落ち着いて」って声をかける。


私たちが生きる現実は


自分をご機嫌にするには、自分で予定を立てて、労力やお金の対価を払って、そうしてはじめてある程度楽しい時間が提供される。

「夢」を謳う国でも、お金を払わなければ捕まる。


ちょっとでも楽しくなる為に、仕事終わりは友だちとごはんに行く予定をいれるし、夕食あとのコーヒーにのせるクリームを一生懸命泡立てたりする。


私の人生捨てたもんじゃない。
まあまあに楽しい。

そう自分に言い聞かせるけど、何か足りない。





本当はいまだってジブリにでてくる可笑しな生き物たちに出会えないかなって思ってるし、

タイムマシンとかタイムトラベルとか、ドラマでは聞き飽きたくらい聞いたフレーズを現実に期待していたりする

突然宇宙人が地球に現れるのでもいい。

けど、

多分明日も、時間になれば普通に目覚ましが鳴って私は電車に乗って職場に向かう。

特別なんて起こらなくていい、ほどほどが良い。
そう言い聞かせて

あー、明日起きたら布団の上にトトロがいないかな…


私は全然、不思議で面白いことが起きること諦めていないけど、「なんともありませんよ。今日も労働大変です(._.)」って顔して社会に紛れる。



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