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完全解説!巨匠モノマネをあなたもやってみよう!!(後半は有料です)

まずはこちらのYouTubeをご覧下さいませ。

私にとってヴァイオリンの巨匠は【魔法使い】であり【天から下界に降りてきた愛の使者】であり【ヒーロー】です。
私が人生のほとんどをついやして習得した巨匠ものまねのやり方と、よもやま話をこちらに公開致します。
必ずあなたもヴァイオリンの巨匠がもっと好きになると思いますよ!



1人目の巨匠 キングオブヴァイオリン 
ダヴィド・オイストラフ

キングオブ・ヴァイオリン ダヴィド オイストラフ

巨匠ものまねは、枕詞も、熟考してつけています。キングオブ・ヴァイオリン。
オイストラフは正にキングです。低い重心と完全なる上半身の脱力。完璧な左手。ロシア奏法よりもフランコベルギーの流派に近いとても効率的な無駄のないボーイング。
どの録音を聴いても素晴らしいです。
私が注目したのは重心移動です。おそらく定期的に脱力し直したい、のだと思います。
他のヴァイオリンニストにくらべると重心移動がとても多いです。
そこをデフォルメすれば、あなたもオイストラフです。あ!!顔をプーと膨らませればさらに似ると思います。
(オイストラフの美しいドビュッシー 途中重心移動あり)


2人目の巨匠  伝説の鬼神 
レオニード・コーガン

伝説の鬼神 レオニード・コーガン

コーガンは厳しい表情とは裏腹に、とても美意識が高く解釈もモダンな印象です。
そしてテクニックが凄いです。難曲をもろともしません。
前述のオイストラフは晩成と言われており、時間を経てじわじわと大人気となった巨匠ですが、コーガンは神童でした。若い頃からパガニーニのカプリス全曲演奏会や、パガニーニの協奏曲をコンクールで完璧に演奏したという逸話が残っています。
モダンな天才的テクニシャンですね。
ものまねのやり方は、ゆっくりな甘い曲でも、とにかく気を緩めない厳しい表情をし続ける事です。カンタービレという甘く切ない曲でもまるで怒ってるような顔で、ものすごく美しく弾いています。そのギャップがポイントです。
(そのカンタービレの動画はこちら)



3人目の巨匠 神童からカリスマへ 
ユーディ・メニューイン

神童からカリスマへ ユーディ・メニューイン

ヴァイオリン界のみならず、人類史においても神童の代名詞とされたメニューイン。
ベルリンフィルと12歳で共演。(ソリストをつとめたということ)曲目はバッハ、ベートーヴェン、ブラームスの協奏曲。かわいい坊やの発表会かなと思っていた観客が余りに崇高で完全な演奏に熱狂。騒ぎになり警察がその場をなんとかおさめたそうです。
客席にいた物理学者のアインシュタインが『神様というものがいることを確信した』とのべています。
青年期にスランプと多忙による故障に陥り、完全無欠の少年時代とは異なるスタイルを確立。ヨガや、民族楽器を研究したり、ジャズとの共演をしたり、ジャンルを超えて人間的魅力に溢れる音色が特徴の巨匠と変貌を遂げたのでした。
また、教育にも力を注ぎ自身の名前の付いた学校をつくりました。神童は愛のカリスマへと変化したのです。
ものまねのコツはポルタメントの多用とスケールの大きい弓幅の多いボーイングです。
(メニューインの民族を超えた交流)



4人目の巨匠 高潔なる美意識
ヘンリク・シェリング

高潔なる美意識 ヘンリク・シェリング

シェリングは真面目さと洒脱さを合わせ持っていると思います。先生が、カールフレッシュとティボーという所も正にその感じがします。
とてもバランスが良いと言うか、今聴いても模範的、なのにとてもユニーク!そのどちらも合わせ持っているところが凄いと思います。私が特に好きなのはモーツァルトの演奏です。上品にかつ、すごく歌います。そのバランスが他の人にはできない唯一無二です。
私が小さい頃の話です。バッハの無伴奏のCD、誰の録音を聴いているか、と先生に聞かれました。シゲティさんとシェリングさんです!と答えたら、シゲティさんは真似しちゃだめよ、シェリングさんは真似して良いわよ。と言われたことを今でも覚えています。今ではシゲティさんが、いかに素晴らしいか分かりますが、幼な心には、シェリングさんの方が上手いって事かなあ?などと考えたものでした。
シェリングさんは模範的で、シゲティさんは語るように弾いているんです。語るように弾くのはまだ早いわよと言う、先生の考えだったのでしょうね。
モノマネのポイントはたまに肘が高い所です。そこをデフォルメすると、あなたもシェリングさんです。美しいビブラートは忘れないで下さい。
(シェリングの歌うモーツァルト)と
(シゲティの語るバッハのシャコンヌ。ハンカチいります。)



5人目の巨匠 香りたつ気品
ナタン・ミルシティン

香りたつ気品 ナタン・ミルシティン

ミルシティンは超バイオリンマニア! 常にレパートリーの曲でもより効率的なフィンガリングや奏法の研究をされていたそうです。伝説となっている引退リサイタルでは指の調子が悪かったそうですが全くそうは感じさせない圧巻の演奏。じつは指に負担のかからないフィンガリングに急遽変更していたそうです。凄すぎる、、、。。
私は、ミルシティンの甘くも硬質な、いかにもストラディバリウスだと分かる音色が大好きです。ジャリーン!!という都会的な爆音です。当時のお客様はかなり前衛的な美音だと感じたと思います。
それと編曲家としても素晴らしく、ショパンのノクターンやパガニーニメドレーとも言えるパガニーニアーナは名曲として後世の私達にも愛奏されています。
ものまねの仕方は独特な構え方とつまむような個性的なデザイン弓の持ち方です。マニア的に研究し尽くしてきっと独自のフォームに行き着いたのでしょうね。
(独特な美音の自作自演パガニーニアーナ)と
(凄すぎる82歳引退リサイタルのサラサーテ)



6人目の巨匠 ミスターパーフェクト
ヤッシャ・ハイフェッツ

ミスターパーフェクト ヤッシャ・ハイフェッツ

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