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2018年3月のスタートアップ・ベンチャーの資金調達状況まとめ

2018年3月に公表されたスタートアップ・ベンチャーの資金調達状況をまとめています。
起業家の皆さんの調達や資本政策を考える際の一助になれば幸いです。

公表されているものを集計しており、資本業務提携案件も含めています。

Summary

2018年1月の概況は以下のとおりです。
案件数:96件
最大調達規模:エブリー(DELISH KITCHEN)がKDDIと資本業務提携契約を締結し30億円を調達

10億円超の調達は11件:
3月末決算ということもあるのか、前月比で+8件となりました。
中でも投資家として目立ったのがKDDIで、金額規模1位と2位の案件は共にKDDIが出資しています。

エブリー、ティアフォー(自動運転)、SOU(リユース小売)、ヒラノテクシード(リチウムイオンバッテリー等)、Aeroege(航空機機械)等々、、、

普段どうしてもIT系の会社のほうが、web上のニュースになりやすいですし、IT系企業のイベントも多いので、IT系企業の資金調達が目につきますが、こうやってデータで見ると、製造業・小売と幅広い分野でベンチャー企業が勃興し、VCもそこに資金提供しているということがわかるかと思います。

1億円超〜10億円未満は36件:
エクサウィザーズ(HR Tech)、AQUEEZE(民泊事業)、コンパス(システム開発)、カーボンファイバーリサイクル(炭素繊維事業)等々、、、

総括:
2018年3月は非常にスタートアップ・ベンチャーの資金調達、そして資本業務提携が活発でした。
2桁億円の案件が11件もあり、大型案件が多く発表されました。

VCからの調達ではなく、事業会社との資本業務提携という案件も非常に多い月となりました。

その中でも特に目立っていたのが、KDDIが資本業務提携した2件(エブリーとティアフォー)です。

私も以前KDDIベンチャーに出資してもらいたくて、提案を行っているときがありました。
その時の私の記憶では、KDDIは携帯電話事業を核としながら、生活に関連するあらゆる分野を投資対象としていました。

ヘルスケア領域にも非常に力を入れており、一見KDDIとは関係ないように思われますが、例えば検診予約とその検診の結果をスマホ上で行えるような(経年変化の閲覧含めて)取り組みをしていたりします。

KDDIは本体出資と、KDDIが運用しているファンド(GB社に運用を委託)があり、本体の方はなかなか投資の実行までハードルが高い印象でしたが、ファンドの方は比較的投資意欲が旺盛な印象でした。

資金調達を考えていらっしゃる起業家の方は、KDDIとは事業場関係ないと諦めるのではなく、一旦提案に行ってみることをおすすめします。

業種的には、IT系が半分以上を占めていますが、ヘルスケア系の会社は昨年に引き続き調達が旺盛(VCからフォーカスされている)で、最近ですと自動運転に関する分野も非常に旺盛になってきている印象です。

資金の出し手としては、3月は事業会社の出資が目立ちました。
事業会社としては、新規事業の創出のための投資目的かと思われます。

個人的にオモシロイと思ったベンチャー

個人的には500 startup等が出資したHokanという会社が面白いと思いました。
この会社は、保険の契約書等を電子化して保険会社の営業や契約書管理をサポートするという事業を行っています。

日本は個人の保険加入率が高いですし、デジタル化されていない領域ですので、ここは将来市場が大きくなり、その時にいいポジションを取れるのではないかと思いました。

以上が2018年3月のまとめです。


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