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2018年2月のスタートアップ・ベンチャーの資金調達状況まとめ

2018年2月のStartup・ベンチャーの資金調達状況をまとめています。
起業家の皆さんの調達や資本政策を考える際の一助になれば幸いです。

公表されているものを集計しており、資本業務提携案件も含めています。

Summary

2018年1月の概況は以下のとおりです。

案件数:70件
1月に比べると12件減少しています。2月の営業日が1月に比べて3日(10%)少ないことを考えても若干の減少となっています。

最大調達規模:Japan Taxi株式会社(app「全国タクシー」の運営)が85.5億円を調達
日本交通傘下のJapan Taxiが大型調達を発表しました。トヨタが75億円の出資となっており、日本ではかなりの規模の調達なっています。
トヨタ以外ですと、スパークスが運用する未来創生ファンドが5億円出資しています。

全国タクシーアプリは、日本版のuberになる可能性があり、将来的な自動運転のためのデータ取得や決済面での連携を見込んでトヨタが出資したと考えられます。

その他の概況としては、

10億円超の調達は3件:
ジェネシスヘルスケア(遺伝子検査)、キュア・アップ(医療系app開発)、ウェルスナビ(AI運用)

1億円超〜10億円未満は27件:
Link-us(超音波技術)、AppBrew(コスメ口コミ)、Placeholder(デジタルテーマパーク)、ロボット投信(AI運用)等々、、、、

個人的印象:

2018年2月は1月に比べると若干件数は減っているものの引き続き活況だったと言えるかと思います。
Japan Taxiのトヨタから75億円調達したという案件が突出していて、トヨタの規模の違いを改めて認識しました。

業種的には、Finteck系のAI運用を行う2社がこのタイミングで調達を行いました。
ウェルスナビの方が知名度的に一歩リードしている感がありますが、まだまだこの分野での勝者は誰になるのかわからないと思います。

ただ、このAI運用については、金融出身の私は市場的に結構疑念を持っています。海外のヘッジファンド等では2000年台初頭にはAI運用に近い運用を行っており、データも豊富に持っています。

また、現状の日本のプレイヤーがやっているAI運用は、単なるポートフォリオのリバランスを自動でやります、というような内容になっており、このような運用は30年以上前から行われている伝統的な運用を自動化しているだけであり、特別すごい感がありません。

将来的にはもっと高度な運用を目指しているとは思いますが、本当に価値のある運用ができるのか、ヘッジファンド等が行う運用に勝てるのか、微妙かと思っています。

あとは、1月もそうですが、AppBrewのような大学スタートアップ系の会社の数が増えてきている印象がありました。

その他

最近はホントに大学Startup、大学VCの動きが活発です。
自分が学生の頃に、このムーブメントがあればorz

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