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宝モノ

宝物はどこかにあります。

それを見つけるために、毎日、仕事をします。自分の仕事は木を彫って匙やはし、お皿や器を作る仕事です。

その宝物は
目に見えません。
色や形がありません。
匂いも重さもありません。
それは、物ではないモノです。

素材は地図です。工程は道です。宝物の場所へと続いています。木目を読みます。ノコギリで切って、ノミで彫り、うるしを塗ります。木目の変化、色の変化を読みます。宝物の場所が少しずつハッキリとしてきます。

ひとつの作品ができあがったとき、
地図全体が完成し、宝物が見つかりました。

デザインし、材料と道具を用意し、制作し、納品し、お代をいただく。

その始まりから、終わりまで。それが宝モノでした。

その間に、
素材の変化を楽しめたこと。
使える物ができたこと。
時間がかかったこと。
手がしびれたこと。
トンボが膝にとまったこと。
強い雨が降ったこと。
喜んでいただけたこと。

宝物を見つけるために作った作品、
それは地図全体のようで、副産物のようで、記録簿のようで、それも宝物の一部であったとわかる、そのことも含めての宝モノです。

明日も次の宝モノを見つけようと思っている、ここからもうすでに宝モノが始まってしまってる!ってことですね。










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