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北千住の名店"大はし"を初訪問 そこには人情味と確かな味があった

北千住西口から徒歩5分、開店前から行列ができる大衆居酒屋「大はし」は創業140年近くの老舗。森下の「山利喜」、月島の「岸田屋」と並び、東京三大煮込みと言われており、北千住では知らない人はいないほどの有名店です。今回は、そんな名店に初めて行った様子をレポートします。

安い、早い、旨いの三拍子

お客さんは仕事帰りのサラリーマンが多く、妙齢でも女2人で行くと結構目立つくらい男性の比率が高いです。

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訪れる人のほとんどが食べるのは大はし名物の「肉とうふ」(320円)。
店員さんがキビキビとしていて、1分と待たずに出てくる速さ。長時間煮込まれたホロホロの牛肉と、ふわふわの絹ごし豆腐は、どちらも味がしっかりしみ込んでいて美味。
もちろん、肉とうふ以外にも安くて美味しいメニューが沢山あり、トンカツやハマグリ醤油バターもぜひ食べて欲しい一品です。

入店ルールを覚えよ!

実は満席の時、ルールを知らないと入店することすら出来ません。ガラガラと扉を開け、満席だと「いっぱいだから入れないよ!」と跳ね返されるのですが、店内の待合席が空いていれば入れたも同然。静かにそこで待っていれば席が空くと案内してくれます。

その席も埋まっている場合は諦めるしかないのですが、不思議なもので入店を断られて怪訝な顔どころか、みんなニコニコしながら帰っていくんですよね。恐らくお店の暗黙のルールを理解している人がほとんどで、店員さんが邪険にしている訳でないことが分かっているからかもしれません。

個性的な店員さん

大はしは料理だけでなく、大将をはじめとする店員さんのキャラクターにも魅力があります。
接客は全体的にぶっきらぼうではあるけれど、注文を察知するアンテナの高さと、料理提供、お会計の電卓を叩く手の速さはズバ抜けています。大将は一番ご高齢なのですが、足腰がしっかりしていて誰よりも動き、声を出しているムードメーカー。女子にはより優しかった(気がする)。

余談ですが、北千住の駅近くで見かけた知り合いに声を掛けようとしたところ、記憶を辿ると大はしの店員さんでした。まだ一度しか行っていないのにも関わらず、親近感も抱く不思議なお店。

満たされるのはお腹だけでない

店内を見渡してみると、ひとり飲みの人も多く、帰る時はお客さんの誰かしらに「またね!」なんて声を掛けて出て行きます。

「通い詰めないと仲良く慣れないのかな?」と思っていたのですが、隣に座った人がおすすめのメニューや飲み方を教えてくれ、更には一度帰ったと思ったらデザートを差し入れてくれました。入店方法が独特&妙な緊張感があると一体感が生まれるのでしょうかね。お店を拠点としたコミュニティが出来上がっているように感じました。

初めて訪れた帰り道、満たされたお腹をさすりながら、「また明日も行きたい!」と心地良い余韻が続いていたことを覚えています。味、人、共に唯一無二でクセになる「大はし」。北千住に行く機会があれば訪れてみてはいかがでしょうか。


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