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子どもがかんしゃくを起こし子育てがつらいです|ラビングプレゼンスの使い手になろう☺

【質問】小2の娘のことでご相談させていただきます。自己主張が強く自分の思い通りにならないときの癇癪がひどくて悩んでいます。学校や習い事ではおとなしく引っ込み思案ですが、家族の前ではものすごい我儘です。
もともと喜怒哀楽が激しくイヤイヤ期も大変でした。もう少し成長したら治まっ てくるかなと期待していたのでが、むしろ年々パワーアップしているように感じます。同い年の子と比べて情緒が落ち着いていないように感じます。
私自身、親との関係が よくなかったので(愛着障害かなと思います) 、子供も愛着の問題でこうなってしまっているのでしょうか。癇癪をおこされると怒りと悲し みでいっぱいになり、その瞬間は娘を嫌いになってしまいます。

※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼

【お返事】かんしゃくを起こすお子さんは、親御さんも大変ですよね。特に子どもが小さな頃は、かんしゃくに悩まされることがありますね。これに秘策はありませんが、子どもへの見え方が変わるとあなたも落ち着けるかもしれません。そのキーワードは ラビング・プレゼンス (Loving Presence) です。

※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。

■愛着と子育て

愛着に問題のある人が親になった場合、子育てにおいてちょっと厳しめになってしまうことがあります。子育てを一生懸命にやろうとして、アクセルを吹かし過ぎるような状態ですね。

いきおい、「しつけをきびしくしないといけない」という思いにさいなまれて、安易にルールに頼りがちになるかもしれません。これは子どもに対して、機械的な対応になってしまい、子どもの主体性を奪ってしまうかもしれません。

良かれと思ってしつけるのですが、ちょっとだけ、ギリギリまで待ってみるのもいいかもしれません。ただ、待つのはガマン大会になってつらいですよね。

そこで登場するのがラビング・プレゼンスです。例えば、顔を真っ赤にしてかんしゃくをおこしている娘をよく観察して、どこかに可愛いなと思えるところを探してみましょう☺

■ラビング・プレゼンス(Loving Presence)

Loving Presence とは、ハコミセラピーで用いられる主要な3ツールの1つです。

  • マインドフルネス

  • ラビング・プレゼンス

  • プローブ

マインドフルネスはみなさんご存じですよね。これをサイコセラピーに最初に取り入れたのが、ハコミセラピーです。1970年代の頃です。

ラビング・プレゼンスとは、積極的な共感・受容です。日本語だと「愛の風に吹かれて」とでも申しましょうか。ロジャースの共感に比べると積極的です。

さきほどの例のように、相手をよく観察して、自分にとって【心地よい】と思われるところを発見して、その気分に浸るというものです。例えば、真っ赤にしているほっぺたがスベスベだなとか、耳が真っ赤で、あぁ、赤ちゃんのときと一緒だな、懐かしいな、あれからずいぶんと大きくなったな、良かったなとか。

そうやってかんしゃくをおこす娘の見え方が変わると、案外と平気で待っていられるものです。その結果、娘の主体性が育ち、成長していくでしょう。

プローブとは、相手の欲する言葉をセラピストが発して、相手の気持ちやフェルトセンス(体の感じ)がどう変化するかを観察する技法です。フォーカシングのプローブに似ていますが、それよりも積極的です。

ハコミセラピーは、ロジャースの技法を積極的にしたものとの位置付けです。これはコフート心理学と同じ路線とも言えるでしょう。ロジャース、コフート、ハコミ、この3つは私の中では1つの線としてつながっています。

■積極的な受容をすること

ラビング・プレゼンスとは、積極的な受容の1つです。積極的な受容の1つとして、オーバーアクションでびっくりしたり、同意したり(ジョイニング)というのがありますが、あれは非常にわざとらしくて私は使いません。使っていると、こっちが恥ずかしくなります💦。おそらくされている本人も居心地が悪くなるでしょう。

それよりもセラピストにとって「快」とされる部分を拾ってあげるほうが、セラピストもウソをついていないので、こころから受容できますよね。ニセの受容でないところが大切です。

この「こころから」という部分が、ロジャースいうところの自己一致であり、自己一致しながら共感ができるので、セラピスト側も負担が少ないですね。

次の私のツイートをご覧ください。ラビング・プレゼンスを上手に使っている例です。

子どもにラビング・プレゼンスを感じましょうという話をしました。これは心地よいと思うことを積極的に感じることですが、これを「褒め日記」として書いていたお母さんがいました。とてもいいことですね☺ついでに、そこに自分の心地よさも付け加えておくと愛の循環が始まります。

子どもに感じた「心地よさ」を、褒め日記として書きます。ここに、自分がどのように心地よかったかも書きます。
例えば、左ページに「学校から帰ってきたとき玄関で見た子どもの笑顔がストレートで素直だった」と、子どものことを書きます。そして右ページに「幼稚園のときもこんな笑顔していて懐かしかった」と書きます。これを続けるだけです。ときどき子どもに見せるのもいいでしょう☺
すると、子どもと母親の間で、心地よさ(愛)の循環が始まります。

◇ラビング・プレゼンスより重要なものは

しかし、です。セラピスト(子育て)は、最終的にはラビング・プレゼンスのような技法を使わなくても、受容や共感できるようになることが一番です。それが最も自然な形です。演技でなく自然なことは、最強なのです。そこに至る過程としてラビング・プレゼンスがあると考えましょう。

■愛着に問題のある人がラビング・プレゼンスを使ってもいいのか?

質問者さんはご自身のことを愛着障害か?と思っているようですが、愛着に問題のある人はこのラビング・プレゼンスを使えるかどうか?

答えは「使えます」

ラビング・プレゼンスを積極的に使うことで、子どもとの関わりが親密になり、親密が怖い愛着障害の特性が緩和されていく可能性が大きいです。ぜひ多用してみてください。安全です☺

■まとめ

  • 子育てに行き詰まったら、ラビング・プレゼンスを!

⇒解決しない悩みのある方は、ソレア心理カウンセリングセンター へご相談ください。

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