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【詩】雨や雨


ビニール傘に打ち付けられる雨音が心地よくて、いつもより歩く時間を増やす。今日は一駅分の散歩。
バランバラン、ポロンポロン。好き勝手に跳ねるかれらにすべて委ねて、頭の片隅にこびりついた残像を再生。忘れた頃に巻き戻されては銃口をきちんと脳天に定め、闇落ちを狙う恐ろしい奴ら。
いっそ私の息の根を止めてくれ、仄暗い感情を霧散させてよ、都合のいい願いは叶えられずに、冷えていく指先と濡れたスニーカーに意識を向ければ明日の天気をスマホで確認。残念ながら喜ばしい快晴が続く一週間、またいまを生き延びてしまうらしい。

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