もっと

何度も何度も嘆くように。

壁の奥に見えてくるひとの顔

今日、ぼやけた視界の向こうで見た顔だ

冷たい廊下の質感が直に頭皮にじわじわと

頬がその時の温度を思い出してきた

くすぐったく撫でる首筋

湿ってゆくシャツの首元

人の顔を殴り続ける

徐々に凹んできたスクリーン

ぼやける顔

泣かない顔

そのまま不様に凹むだけ

心までもが凹んできて

振り下ろした拳は

自分の胸元に入った

揺れる

湿った

暗い

布団をかけ直す。

そりつり.

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