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ギリシャの香り(私版)

今年は世界のあらゆる地域で、これまでにない酷暑を迎えています。
日本でも連日の容赦ない暑さにひーひー言っていますが、
暑いけれどからっとしたギリシアやイタリアなどで気温が高すぎるために起きた山火事、野火被害が続いているとのころ。過去最も暑い7月だったようです。最小限に収まってくれることを願うばかりです。

好きなものを一度に堪能できるミラクルな場所

もう26年も前のことです(かなり昔w)が、ギリシャに一人旅をしました。
ギリシア神殿などの遺跡の数々や紺碧の海に白壁の家々が印象的な島々、
歩けば歴史的・世界遺産ばかりで、豊かで悠久の自然は食べ物にも恵まれている、旅をするにはなんとも刺激的。

留学先イギリスから本帰国になる前に、アテネ、テッサロニキ、アルゴス、カランバカ(メテオラ修道院)、クレタ島を回ってきました。本当はなんとしてもサントリーニ島に行きたかったのですが、船の日程が合わずに泣く泣くあきらめたのでした。

あまりにもこのカットが有名なサントリーニ島
ここの朝日、夕焼けをいつかはこの目で見たい😊


デジカメも相当古いタイプのもので、現像後の紙焼き。昔の写真はデータにはもちろん残っておりません(;'∀') 写真も引っ越しを何度もしているので、すべて残っているわけではなく、記憶画像として頭に残っているだけです。
脳が若かったせいなのか?、残像は今なお鮮やかです。(むしろ最近のほうの記憶のほうがあやしい)

当時の7月も当然暑かったのですが、からっとして快適、そもそも一人旅の緊張感はあるので、あまり感じなかったというところ。
風景の色目も、歴史的な建造物も、海も、人も、素敵でした。
神話の時代に思いをはせるということもありましたが、
それよりも町に行きかう人々のエネルギーや、素材を大事にするシンプルにおいしい食事とか、のんびりどんと構えているような気質(?)、
日常を忘れさせてくれる空と海の広がり、
思い出づくりの旅にはぴったりの場所でした。
今考えると、けっこうタイトなスケジュール、よく回ったなと思います。
若いからできたことです。

乳香との出会い、薫る孤高の空間

その時点よりさかのぼること10年くらい?、サン●リーのCMで登場した断崖の上にそびえたつ修道院メテオラに衝撃を受けて以来、いつか訪ねてみたいと願っていた地。


メテオラ修道院
断崖絶壁の隔絶された世界、
神への祈りに人生をささげる人々にとっての無二の超空間なのです。


神聖な孤高の祈りの場ではノースリーブは禁止されていたので、長袖を羽織って崖を上がっていきました。暑さをまったく覚えていないのは、少し山に登るので、涼しくなっていたから?なのか、興奮して暑さを覚えていないのかわかりません。

院内に入る前から、階段やら通路を上っていくと漂ってくる香。
知らずに深い呼吸をし、はじめての香りを味わったのでした。
はじめてなのに、懐かしさを覚えた不思議な感覚。
知らずにフランキンセンスの香り広がる空間。

フランキンセンスの樹脂
これを固めて、水蒸気蒸留したものが精油になります。

その当時は好きなゼラニウムなどいくつかの精油を買っていただけで、フランキンセンスを知らなかった私です。
メテオラの寺院で薫ったときの、鼻から脳に穏やかに突き抜けていくような、そうかといって刺激のあるシャープさではなく、スパイシーで温かさを与える香り。何とも言えない落ち着き、浮遊するような感覚、思い切り薫香を吸い込んでいる自分がいました。

人生のなかではっきりと精油の香りとの出会いの瞬間を覚えているのは、生まれて初めて香ったラベンダーと、この修道院の乳香の香りです。

そしてもう一つの、私にとってのギリシャの香り。
それがユーカリシトリオドラ(ユーカリレモン)。

ユーカリ・シトリオドラ(レモンユーカリ)
レモン様の香りがたつ、夏にもぴったりの香り


なぜ、クレタ島なのにユーカリレモン??なのですが、
それは私の場合、シンプルに島で買ったギリシャ製の「虫よけ」の香りに直結しているからです。
海の湿った香りが、ユーカリレモンの柑橘系の香りあるハーバルのさわやかさが妙にしっくりおさまっていたのです。レモンっぽいというより、少しレモングラスのように、トップで消えずに香りが残ります。
憧れの地の香りとして虫よけって色気ないですが、環境・気候が良いので虫も多い、蚊もたくさん笑。でもこの天然虫よけスプレーを買ったおかげで、蚊に刺されることもなく、クレタ島女一人旅は無事に終えることができました(´艸`)
ユーカリレモンは世界的にも虫よけとしても商品が多いですが、なにもクレタ島の記憶がでなくてもよかったのにとは思いますw。世界有数の観光地クレタでの思い出が海でも島の観光地よりもユーカリレモン。でも、逆にこの香りをかぐと、今でもやはりあの夏のクレタの旅の景色を思い出すのです。

クレタ島の中心、ヘラクリオン:夏の空も海も鮮やかなブルー
この背景に「太陽」がこんなにも映えるのかと思ったものです。

私はけっこうな割合で音楽と記憶が結びついているのですが、
香りはもう少し体感に密着しているような感じがしています。
気持ちを変えるもの、
記憶に深く残してフラッシュバックさせるもの、
楽しい気持ちにさせて、
(虫までよける笑)

香りがもたらすものは、実は今この瞬間の変化だけでなく、
あとあとにも記憶として鮮やかに蘇らせてくれる自分の人生。
もし今、素敵な香りだと感じたときには、
きっとその瞬間を楽しんでいるはず。その楽しさが、これから歩いていく先をそっと包んでくれる。
私にとっての楽しいギリシア旅行は、フランキンセンスとユーカリシトリオドラによって、ずっと続いているのかもしれません。

今度こそ、サントリーニを訪ねたいと希望をいだきつつ!

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