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【136話】【ネタバレ】俺だけレベルアップな件【翻訳】


「進撃開始!!」

旬の一声の号令で、影の巨人たちも影の兵士たちも影のアリ兵たちも、一斉にゲートの前を守る最後の一体に向かって全速力で突撃した。

白く光るゲートの前で、髭をたくわえた巨人が剣を地面に突き立てて気合を入れ直すように立ち塞がる。

大群となって押し寄せる影の兵士たち。

巨人の目が鋭く細められた。

旬の目が驚きで見開かれる。

巨人が兵士たちに突進しながら、剣を横一線に薙いだ。
一瞬にして何百という兵士が消え去った。

(恐ろしい威力だ。 たった一度振り回しただけなのに100以上の影が消された)

あまりにも巨大な生命体。 やつから流れ出る凶悪な魔力に、この場から早く逃げ出したいとすら感じる。

不快だった。 どうしてあんなものが存在できるのか。

不快感を消すためには二つの方法がある。

不快の原因から逃げて忘れて生きるか

その原因を根こそぎ取り払うか。


巨大化したキバが顔面に向けて火炎魔法を放つ。
同時に背後から影の巨人が斧で斬りかかる。
巨人が素手で火炎魔法を受け、もう一方の手に握られた剣が、影の巨人の胴体を切り飛ばした。
巨人の足の爪にすら及ばない大きさのアリ兵たちが大群となって片足に襲いかかる。
そのアリたちを吹き飛ばす巨人。

自身の身内を一度に大量に殺され、ベルが怒りの咆哮をあげた。

巨人に向かって飛ぼうとしたベルを、旬が片手で制した。
右後ろにはベルが、反対にはイグリットが控えている。



「まだ待て」

(この程度は予想の範囲だ。マナも十分耐えられる。あいつの弱点を探るためには、もう少しぶつけてみないと)

最大値109,433のMPが急速に減り出した。

髭の巨人は、影の巨人やナーガの攻撃を受けながら、なお他の兵士へも攻撃を繰り出す。

MPが十万を切った。

(魔力がまるで鉄甲のように巡らされている。 だからか、あいつは防御をしない。 それほどまでに自信があるってことか)

(だが······やつが攻撃を防いだことが一度だけある)

「カイセル」

黒く大きな翼が、呼ばれるのを待ち望んでいたかのように現れた。

「行くぞ!」

ベルは自身の羽で飛び、カイセルは旬と共にイグリットを背に乗せて飛んだ。

凄まじい速度で巨人に突進したベルの攻撃を巨人がかわした。
一瞬の隙を見計らったかのように、カイセルに乗ったイグリットの剣が振り下ろされ、雷が空を引き裂いた。

顔面を狙った雷の攻撃を、その巨体からは想像できない俊敏さで体を逸らせて避ける。

(やるな!)

巨人が、絶対に避けられないだろう一撃をカイセルに乗っている旬とイグリットへ放った。
勝利を確信して細められた目が、次の瞬間には驚きに見開かれた。

深紅の鬣をなびかせながら、イグリットが発光する長剣を手に、巨人の腕を駆け上がっていた。
顔面に向けて放たれた雷を、片手で受け止める。
その指の間を縫うように抜けた旬が、左目に狙いを定めて短剣で攻撃を見舞った。
だがその一撃は狙いが逸れて巨人の皮膚から紫色の血飛沫が上がった

(さすが!)

別方向からは、ベルが巨人の肌に爪を突き立てて引き裂いた。

[支配者の権能]

旬がスキルを発動し、サイコキネシスのごとく短剣が宙に浮いた。

「これはもはやハンター対魔獣の戦いではありませんね…これは···怪物対怪物の戦いのようです」

ウィングが呆然として賢太にそう言った。

「兄貴!」

賢太はどこか恐れながら、そして誇らしげに最も尊敬する旬を呼んだ。

支配者の権能で全ての短剣を操る旬の刃が、ついに巨人の左目を貫いた。

「ベル!!」

「仰せのままに!」

名前を呼ばれただけで旬の意図を全て理解したベルが、くり抜かれた左目の穴から巨人の体内へと飛び込んだ。

[スキル:乱刀を使用します]

[スキル:乱刀を使用します]

外から顔面への攻撃を旬とイグリットが、そして内側からはベルが絶え間ない連続攻撃を繰り出し続ける。

ついに巨人は血を吐いて絶命した。

システムが勝利を告げる

[敵を倒しました]


※はい、今週は戦闘シーン最高にかっこよかったですよねー。
イグリットぉおおお!!!!
イケメンすぎ好きすぎかっこよすぎ。

ベルちゃん…飛び込むときのセリフ絶対に時代劇に感化されてますよねw

そしてそして、システムが告げたのはあくまで

敵を倒しました

であって、ボスを倒したとは言わないんですねぇ…

くわばらくわばら←言いたいだけ

次回は28日0時更新予定ですね!
(翻訳できるのはいつも24時間後ですがw)

ではまた!!

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