『空』『領主』『パイプ』
煙管から立ち上る煙は、薄く広がって鳥の領地へと拡散していく。技術辺境エリジウムを治める領主の視線は、煙ではなく広場へと熱く注がれていた。そこでは機械の鳥が獰猛な唸り声を上げながら駆けていて、今、地を蹴って鳥の領地へと飛び上がった。けたたましい鳴き声と共に鳥の領地へと飛び出した機械の鳥は、操縦者の意思を明確な形にしていく。上下回転による180°の宙返りし、そのまま太陽へ向かって飛び上がったかと思えばゆっくりと失速していき、空中で静止し、機首が槌のように降り落ちて地面向けて真っ