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【オープン社内報#38】「Now and Then」を聴いた。

こんにちは。株式会社ひらくの染谷拓郎です。

 前回書いた「ドーナツ・モード」の話は、たくさんの方に反応していただけたようです。直接メッセージをくれた方もいて、みんなほんとにドーナツが好きなんですね。僕も大好きです。ここ数年ドーナツは流行していろんなクラフト・ドーナツのお店が増えていますが、ドーナツ・モードは「心に穴が空いている状態」を指す新たな言葉とそれを表現するブランドとして、差別化できていけるといいなと思います。

 早く企画書をつくりたいんだけどなかなか手が空かず、思いついちゃった企画には手足をつけてあげないとかわいそう。しかも今、立体駐車場を活用したアイデアも思いついてしまって、そちらも早く形にしたいところ。やりたいこととやらなければいけないことのバランスが難しいですね。

 さて今回は、世界中で話題が持ちきりのビートルズの新曲「Now and Then」を聴いて考えたことを書いてみたいと思います。まさか2023年にビートルズの新曲を聴けるなんて思ってもみませんでした。一生に一度しかない、特別な機会ですよね。

 まず一聴して、「ああ、たしかにジョンらしいメロディーだな。」と思ったものの、デモ音源の域を出ないかな、とか、ちょっと長ったらしいかな、と感じていましたが、この3連休で繰り返し聴き続けてその認識が甘かったことを実感しました。リアム・ギャラガーも「heartbreaking and heartwarming all at the same time」と書いている通り、切なさと温かさが同時に胸に響いてきて、かつ4人の個性がちゃんと表現された素晴らしい楽曲でした。

 今回のビートルズの新曲を聴いて、2点参考にできることを考えました。一つ目は「最新技術はちゃんと使おう」。二つ目は「持ち場で全力を出し切ること」です。

「最新技術はちゃんと使おう」

 もともとビートルズは60年代に逆回転した音源を使用したりと、積極的に新しい録音技術を採用してきたバンドでした。今回の音源も、ピアノと声が分離不可だったデモ音源をAIを使用することで分離することができ完成に至ったとのこと。これは、2023年の今じゃなかったら実現し得なかったということです。「昔は良かった」と懐古して今を否定するのは簡単ですが、最新技術を使って良いものを作ることのほうがかっこいいと思います。

 こと出版業界に身を置いていると、どうしても「昔は良かった」的な意見を散見し、そこで思考が止まってしまっている状況を目にすることもあります。反面、いま現在の技術を理解・使用しながら本を作ったり・売ったりする人も多数いるので、僕もそちら側にいたいなと思っています。なかば独善的に、あるいは近視眼的に「本を読むことは良いことなんです」と言うのではなく、いろんなものと比較してなお「こっちも楽しいですよ」と提案できることの方が軽やかだと感じています。

「持ち場で全力を出し切ること」

 ポール・マッカートニーはもう81歳。ミック・ジャガーも80歳。この人たちはずっと、最前線にいます。自分の「現場」がどこかを理解し、全てを出し切っているからこそ、今も現役でいられるのでしょう。ことサラリーマンは、年齢や階級が上がるにつれ、マネジメントを求められる機会が増えてきます。もちろん、それは組織を運営していく上で正しいのかもしれませんが、「マネジメントがいま自分の最前線」と捉えるか、「現場を離れて仕方なくマネジメントラインについている」と捉えるかで、全然成果が変わってきます。

 僕は「一緒に働くメンバーが力を発揮できる環境をつくること」と「自分自身が一番のアイデアマンである」という両面を達成することを目標に(あるいは呪いに)しています。どちらも達成できることが僕にとっての持ち場なので、それができない環境が続くのであれば、それを改善するか、もしくは離れなければいけません。

 誰しもが、自分の持ち場、最前線はいまどこにあるのかを理解し、自分の能力を十全に発揮できる環境をつくることが一番の仕事。年齢や階級にとらわれず、自分の持ち場をちゃんと理解し、若年寄りみたいな気分は捨てて全力でことに当たる。じゃないとポールに向ける顔がないですね。

 以上2つが、「Now and Then」を聴いて思ったことでした。

 ちなみに最後にどうでもいい話。僕はずっとビートルズが好きで、どれくらい好きかというと、日販の入社試験のグループ面接で「日本が鎖国したとして、唯一輸入できるとしたら何を輸入する?」という質問があったとき、周りは実用的で論理的な回答をするなか、「『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のレコードさえ輸入できれば、世界の文化レベルを知り、日本の文化は高められると思います」という回答をするくらい好きでした。まあ、そんな回答をしたのに通しちゃう会社側もなかなかですよね。そういう世間知らずでも働けるような環境を、ひらくもつくれるよう頑張りたいと思います。

 最後まで読んでいただきありがとうございます。今日もがんばりましょう。

染谷

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今週の「うれしい」
「Now and Then」の影に隠れてしまった感もありますが、ストーンズの新譜もとんでもなかったですよね。キースとロン・ウッドってこんなギターうまかったんだというのが発見でした。

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