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BPM Readingのその後と、アイデアをしぶとく実現させること。

ちょうど2年前の今日、箱根本箱のエントランスを箒がけしながら、あるアイデアを思いついた。

ザッザッという箒の一定のリズムから着想し、「本をジャンルではなく読み手の感情=心拍数」で定義できないか、というもの。そのときに慌てて書き残したものが下記の記事だ。

それから2年。半年ほど前に「図書館のためのブックフェア」の特集企画で何かしてほしいと声がかかったときに、これだ!と差し込んだ。
いま、このブックフェアに来た図書館が、実際にそれぞれの場所でこの企画を展開してくれているそうだ。

BPM Readingについて、僕はこう書いた。

BPM(ビート・パー・ミニッツ)とは、1分間に何拍あるかを示す言葉です。音楽用語として、DJが曲をつなぐときなどにも使われますが、医学用語としては、「1分間の心拍数」のこと。
「1分間の心拍数」としてのBPMを読書とつなげてみるのはどうでしょう。 
本を「ジャンル」や「著者」ではなく、本を読んでいるときや読み終わった後の「読み手の心拍数」で捉える。これを「BPM Reading」と読んでみる。
BPM Readingは、読み手の気分やその日のトーンで本を選べるので、新しい本との出会い方を提案します。

今回のブックフェアでは、「落ち着く」「興奮する」など5つのBPMで選書。また、読み手の主観でそれぞれBPMが異なることも考え、図書館で参加型のコーナーになるよう提案した。

同じ本でも、人によって受け取り方は違うので、この企画は超主観なもの。「私にとってこの本は〜」というプライベートな意見の集積を、パブリックな場所である図書館で行う、というのがこの企画で見てみたいことだ。
と思っていたら、練馬区立大泉図書館では、「あなたのドキドキを教えてください」というポストをつくってくれた。「そうそう、まさにこれ」という感じで、とてもうれしい。

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写真掲載許可:練馬区立大泉図書館

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アイデアは、ただ思っているだけでは何の意味もない。それは、実現しなければいけない。
「あ、いいこと思いついた」の先に、お金はどうする?誰とやる?面白がってもらえるだろうか?など、様々な壁を勝手に作ってしまい、先に進まなくなる。仕事や育児が忙しい、という言い訳をして、後に回してしまう。

僕は、かなり動きが遅い方だと思う。アイデアを思いついてから、実現するまでにとても時間がかかる。「森の生活」は実現まで4年、今回は2年かかった。

そんな風だから、似たようなことを考えている人がどんどん先にやってしまう。今年開催予定だったがコロナで延期してしまった試みは、ほぼ同じようなコンセプトで秋に開催する人がいる。(タイトルまで似ていた)

だからと言って、アイデアをえいっと捨てるは、もっと自分を悲しませることになる。しぶとくしぶとく待っていると、いつか声がかかったときに、これです!とすぐに提案することができる。

いま僕が考えていることは、(そして、いつかやるであろうことは)「時間についてのメディア」「お守りをつくること」「有料道路とパーキングエリア」「オーガニック・ジャンキーのための集まり」「トイレを中心にした小商い」だ。
2022年くらいまでには、それぞれを形にしたい。お金を払ってもいいから、それぞれについて一時間くらい話を聞いてもらいたいくらいだ。

最近、ありがたいことに、たくさんの人から声をかけてもらい忙しく過ごしている。いい経験だし、自分が役に立つのはとてもうれしい。でも。根っこの根っこが自分にあることをやり続けていないとだめなんだ。もうそういう性分なのだ。心のなかで、じくじくと音が聞こえる。

今日のはたらきが半年・一年後の飯の種になる。だからこそ、今すぐ提出しなければいけないものをやらずに、あえてこの文章を書いた。さあ、今日も働かなくては。

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