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【オープン社内報#43】マイ・アービトラージ

こんにちは。株式会社ひらくの染谷拓郎です。

 気づけばもう一月も終わりますね。2024年も残り11ヶ月。やるべきことだけでもままならないのに、やりたいこともやりたい。そのために、もっと自分を崖から突き落とさねばと焦っています。残された時間は長くないぞ、という実感があります。

 さて今日は、先日開催した「うれしいの断面図」第2回を振り返ってみます。「うれしいの断面図」開催報告についてはこちら 

 今回のゲストは建築設計を軸にさまざまな活動をされているオンデザインの代表西田さんと設計代表の萬玉さん。ふたりに「チームをつくる、プロジェクトを動かす。」というテーマで話を聞いていきました。

 なぜこのテーマにしたかというと、僕が構想しているひらくの仕事のつくりかたのヒントにしたかったから。すでに少しずつ変わってきているのですが、プロジェクトごとの働き方をベースにしていきたいと思っています。自分の職能や役割や動機に合わせて担当メンバーを変えていく、その都度、バンドを組むようなイメージです。

 オンデザインさんは50名以上の会社でありながら、ほぼ全員がプレーヤー。しかも、住宅を担当した人が次は公共施設、飲食店の設計の次は地元の商店街の活性化、と各メンバーが得意ジャンルと専門性を持ちつつも、さまざまなプロジェクトを横断的に担当されているそうです。そして、西田さんと萬玉さんはメンバーに任せ、程よい距離を持ちながらマネジメントをしている。うーん、これはすごい。

 そうしたプロジェクトの非連続性がもたらす思いがけない知識や経験の発揮が、「オンデザインらしさ」を生んでいる。この話で改めて感じたのが「アービトラージ」という言葉でした。

 アービトラージは経済用語で、すごく単純化すると「同じ情報やモノでも、場所が異なると価値が変わる」ということ。たとえば古くには、胡椒をアジアで仕入れた商人がヨーロッパで高く売りつけてきました。あるいは富士山の頂上ではカップラーメンがとんでもない価格で売られていたりしますね。「同じ情報やモノでも、場所が異なると価値が変わる」というのは、そういうことです。

 オンデザインさんで言えば、住宅設計を経験したメンバーが得た居心地の良いリビングルームの作り方が、公共図書館の設計でも活きるかもしれない、それがプロジェクトを横断してチーム編成をする面白さです。

 「うーん、そりゃそうだ」と話を聞いて軽く納得しちゃいそうなのですが、実際に自分の現場で考えてみるととても大変だということが想像できると思います。毎回、プロジェクトに新鮮さがあるということは、裏返せば業務のコツを掴むまでのコストが普通よりも多くかかるということ。それを乗り越えてまで「メンバーを横断させたほうが結果良いものができるんだからそうする」というところまで会社を持ち上げていくのがいかに大変か。西田さんと萬玉さんのにこやかな笑顔の裏に、とんでもない凄まじさを感じ、あらためて戦慄しています。でも、僕もこれをなんとか成し遂げていきたい。

 「同じ情報やモノでも、場所が異なると価値が変わる」。これをもう少し自分自身に引き寄せてみましょう。自分はどこに身を置くと価値が発揮されるのか、あるいは学ぶ機会を作れるのか。若い頃は運が大きいかもしれませんが、ある程度キャリアを重ねていくならそれを自分でつくらなくてはいけません。僕は、最初のキャリアではあまり自分の特性が価値にならなかったけど、ある行動をきっかけにいまの活動の根っこのようなところに辿り着いて、結果いまここにいます。最初は運でしたが、その後は、ある程度自覚的になんとかやっています。

 「同じ情報やモノでも、場所が異なれば価値が変わる。」いますぐにできることと、将来めざしたいもの。そのどちらの目線に立ってもこの考え方はベースの一つになりそうです。そう気づかせてくれたオンデザインのお二人、そして「うれしいの断面図」にきてくれたひらくメンバーや日販の方、外部の皆さんに感謝します。次回は春頃に第3回を開催予定です。

 あと、このオープン社内報ですが、次回更新は3月中旬を予定しています。実は、先週子どもが産まれまして、2月の1ヶ月は育休として仕事のペースを少しスローにする予定です。

 最後まで読んでいただきありがとうございます。
 今日もがんばりましょう。

染谷

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今週の「うれしい」
分娩室に上の子たちも連れていきました。TVからYoutubeが流せるということで、長男が好きな歌舞伎の演目「弁天娘女男白浪」を観ながらの出産に。ベテランの先生でも「歌舞伎を観ながら赤ちゃんを取り上げたことはない」ということでした。

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