【オープン社内報#36】「ドーナツ・モード」というブランドをはじめます。
こんにちは。株式会社ひらくの染谷拓郎です。
右を向いても左を向いても秋、という感じ。この時期は本当に過ごしやすいですね。5月上旬と10月の中旬にしか出現しない「気分は最高モード」を少しでも長く楽しみたいところ。
今号は、「気分は最高モード」の時期にも関係なく現れる「気分が落ち込む時の話」をしてみます。僕はここ数年ずっと本当に忙しない日々を送っていて、そのせいなのか、数ヶ月に一度のペースで心と身体がまったく動かなくなってしまうときがあります。それはだいたい天気のいい朝に訪れ、自宅からバスに乗って最寄りの駅に着くと、直感的に「ああ、このまま電車に乗るのは無理だ。乗れない」となって、顔が蒼ざめてきます。
毎回解決方法は違うのですが、たまたま前回そうなったときは駅前にあったミスタードーナツに立ち寄ることにしました。窓側の席に陣取り、おかわり自由のコーヒーをがぶがぶと飲み、ドーナツを食べ(オールド・ファッションとハニーチュロ)、外の景色をぼんやりと眺めていると気分が少し落ち着いてきました。そのあとの出社予定をすべてキャンセルし家に帰るという、「平日朝にドーナツを食べにいっただけの30代後半男性」になってしまったのですが、「次にそうなってもミスドに行けば大丈夫だ」という強い自信を持ったのでした。(すいません)
それから数ヶ月経ち、今回ガクッと気持ちが落ち込んだのが10月13日、この日は夕方に「うれしいの断面図」というオチャノバで開催するトークイベントがあったため、どうしても出社しなければいけない日でした。今回はハニーチュロを片手に、2時間ほどぼーっと過ごすと気分が落ち着き店を出ることができました。
会社に着き「今日は会社に行きたくなくてさ」と話し始めると「またミスドに行ったんですね」と言われてしまったり、盛況に終わった「うれしいの断面図」の振り返りの連絡時には「染谷さんはドーナツモードにも関わらずお疲れ様でした」とコメントが。
その瞬間、はたと閃きが降りてきました。ドーナツの印象、みんなすごい強いな、これは使えそうだ、と。古今東西誰しもが、気分が落ち込むことを創造に転用してきました。太宰治の自意識の強い文体も、ゴッホの作品に現れる線のゆらぎもそうです。
例えば宇多田ヒカルは、気分の落ち込みを「BADモード」という曲でこう歌います。
そして、ハンバートハンバートは「虎」という曲でこう歌います。
どちらも素晴らしいですよね。楽曲も素晴らしいですが、この歌詞に共感してしまいます。ただ気分が落ち込むだけでなく、クリエイターはそれを抽象化し、なにか別のものに置き換え作品として届けてくれるわけです。で、そうなると僕は、この落ち込んだ気持ちを「ドーナツ・モード」として企画にしなければいけないということです。
すっぽりと穴に落ち込んでしまうこと、気持ちが落ち込むことを「ドーナツ・モード」と呼ぶならば、その穴から這い出してくれる存在としての「ドーナツ・モード」というドーナツブランドがあってもいいかもしれません。例えばこんな文句ではじまるのはどうでしょうか。
このブランドがどんな展開ができるか妄想してみましょう。
・病院の売店で、お見舞い用に差し入れすることができる健康に配慮した素材と落ち着いたデザインパッケージの「for Hospital」。
・オンラインストアで展開され、疲れた日の夜にホットチョコレートと一緒に楽しむことができる「midnight/home」
・都会から少し離れた場所で、日当たりの良い場所で喫茶と散策ができる半日過ごせる場所「park/walk」
・そして旗艦店もつくらないとですね。駅前で、眺めの良い立地、席の間隔は少し離れている。
もう湯水の如くシーンが浮かんできますよね。こうして考えてみると、ドーナツの利用シーンって、「ちょっと落ち込んだ時に食べる人を元気づけるもの」として最適だなという気がますますしてきます。もうドーナツ・ブランドをはじめるしかない、という気持ち。まずは、ミスタードーナツの企画担当者さんに妄想プレゼンをさせていただき、ミスドのサブブランドとしてできないかを提案したいです。よし、企画書をつくってみよう。
ということで、今回は、「個人に起きたことを抽象化して転用することで、もしかするとみんなに喜んでもらえるものになるかもしれないよ」ということをドーナツで表現してみました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。今日もがんばりましょう。
みなさんの好きなドーナツを教えてください。
染谷
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今週の「うれしい」
千葉県大多喜町の蒸留所「mitosaya」のOpenDayに行って来ました。平野紗季子さんプロデュースの「(NO)RISIN SANDWICH」がおいしかったです。調子に乗ってスイーツを載せるためだけのプレートを6枚も買ってしまった。
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