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イタリアワインを楽しもう⑧・・旨くて安くて濃い赤ワイン。

こんにちは、イタリアワインを愛してやまない ソムリエ Tです。

今回はイタリアの赤ワインに多い、濃くて、旨くて、なおかつお財布に優しい「旨安ワイン」についてご紹介します。

ポイントは下記の5つ

1 このタイプのワインはイタリア中南部のアブルッツォ州、そして南のプーリア州に多い。

2 ブドウは主に「モンテプルチァーノ種」「プリミティーヴォ種」「ネグロアマーロ種」

3 物価も含め生産コストが安い地域、また大量生産もできるので非常に廉価。(基本的に中部から南のワインのほうが安い傾向にある)

4 ワインにもよりますが、長期熟成は期待できません。

自分達の地元のブドウ、いわゆる「土着品種」を大事にするイタリア人。気候や土壌も相まってこの「色合いが濃くて旨くて安いワイン」は中南部のアブルッツォ州、そして地図でいう踵の部分、プーリア州に集中しています。

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※プーリア州のブドウ畑

アブルッツォ州は山が多い州、地元の人達が食べるのはもちろん肉料理が多く、それに合うワインとなると必然的に赤ワインになってきますよね。そうアブルッツォ州のモンテプルチァーノ種は人々の生活に密着していて、それは果実味のボリュームがある赤ワインです。

プーリア州は逆に山がほとんどなく平野の広がるエリア。この州のワイン文化は他州のワイナリーや他国に輸出するバルクワインを作っていました。もともと平野でブドウ畑の開墾は容易、土地はあるのでバルクワインの輸出が落ち着いても、世界の嗜好にあわせてワインを作る動きになっていました。その当時は濃くてボリュームのある赤ワインがもてはやされていた時代。「プリミティーヴォ」や「ネグロアマーロ」は大量生産ができることもあり樽の風味を効かせて濃くて旨くて安いワインが誕生しました。

そうしてこの2つの州のワインは世界的にヒット!日本でも人気の赤ワインですね。今でこそ樽の風味は穏やかになっていますが、この「濃くて旨い赤ワイン」はイタリアワインの一つの個性として健在です。

因みにワインにもよりますが長期熟成はあまり期待できません。(直ぐに悪くなるという意味ではないです、長く置いていても熟成による変化が楽しみ辛いということです。)3種のブドウに共通する理由はタンニン分が少ないこと。濃い色合いの割にタンニンはそれほど含んでいません。長期熟成する際、タンニンの量はとても重要でタンニンの変化が熟成といっても過言ではないからです。

早く楽しく飲んでしまおう!ということですね!

今回のワイン・・カサーレ・ヴェッキオ モンテプルチァーノ・ダブルッツォ 2019 / ファルネーゼ Montepluciano d'Abruzzo 2019 / Farnese

当店小売り価格1,980円

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ソムリエ T  おすすめのミディアムフルボディタイプの赤ワインです。カベルネ・ソーヴィニヨンやシラーと比べるとタンニンがそれほど強くなく、お食事にも合わせやすいと思います。旨安のイタリアワイン健在です!

相性料理 ボロネーズパスタなどのお肉を煮込んだソースのパスタ。お肉を使ったシチューなどの煮込み料理。



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