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ダミアン・ハースト、そして現代アート界の脱帝国化

ダミアン・ハーストのファンであるわたしがこんなことを言うのは意外かもしれませんが、わたしは現代アート界の脱帝国化を願っています。

ダミアン・ハーストの作品はインパクトが強く、また大変美しく、コンセプトも完璧です。
彼が起こしたスキャンダラスな出来事と共にハーストの作品が歴史に残ることは間違いないです。

とはいえ、わたしは東洋人の女性です。そして、日本人が抱きがちな西欧コンプレックスをわたしも持っていて、おそらくその西欧コンプレックスがわたしをダミアン・ハーストのファンに仕立て上げた1面もあります。

わたしがダミアン・ハーストに抱いている気持ちは複雑なものです。
その複雑な気持ちを今の段階で吐露することはとても難しいことです😥

シングルマザーの元で育ち、また労働者階級の出自でありながら現代アート界のメガスターにまで上り詰めたハーストを尊敬していますが、
彼の強引過ぎるやり方を見ていると、かつて英国が恐ろしい強引さで世界中を植民地にしたことを思い出します。

そして、わたしは東洋人の女性です。
わたしは内心、これからもっと、西欧中心的なアートの世界から漏れてきた地域の人達のアートや、男性中心的なアートの世界から漏れてきた女性達、もしくは性的マイノリティの人達のアートが脚光を浴びたら良いな、と思っています。

そう、わたしは、現代アート帝国の帝国側の代表者たるハーストのことがとても好きでありながら、
同時に現代アート界の脱帝国化を願うという矛盾と葛藤を、自分自身の中に持っています。

はたして、ハーストは沈みゆく帝国の皇帝さまなのでしょうか、それはいずれ歴史が判断することでしょう。

永遠に続く帝国は無いのです。
そして、わたしはその儚さを愛してもいるのです。

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