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澁澤龍彦コレクション『夢のかたち』『オブジェを求めて』『天使から怪物まで』

【秋の夜長にドラコニアの博物館を廻る】

なにか読みたいけど、どうもまとまった文章読む意欲がわかない、という時ってありますよね。
そんな時重宝するのが断章をまとめた本ですが、中でも繰り返し手に取るのが3冊の〈澁澤龍彦コレクション〉シリーズ。澁澤龍彦が夢、オブジェ、怪物をテーマに古今東西の文献からお気に入りの部分を抜き出してまとめたアンソロジーです。

澁澤自ら「これは、『夢の宇宙誌』から『ねむり姫』にいたる、出発から現在までの私の文学的活動のモティーフというか源泉というか、そういうものの総ざらいであった」と述べてるとおり、澁澤龍彦のファンならページをめくる毎に「あ、これはあの著書でも取り上げていたな」とか「これはいかにも澁澤好みだな」と頬が緩むことうけあい。もちろん澁澤の著作になじみがなくても、次から次へと繰り広げられる奇想の数々を目にするのは、きっとこの上ない快楽となるでしょう。

単行本に挟まれている月報も読み応えがあり、「夢のかたち」では多田智満子と中沢新一、「オブジェ求めて」では楠田枝里子と高橋源一郎、「天使から怪物まで」では奥本大三郎と伊藤比呂美が寄稿しています。

つまみ喰いならぬ、〈つまみ読み〉の悦びを堪能できるシリーズです。

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