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映画『カラオケ行こ!』の感想と漫画『ファミレス行こ。』の展開についての考察

※このnoteは映画『カラオケ行こ!』のネタバレを含みます。
また、原作漫画の『カラオケ行こ!』ならびに続編の『ファミレス行こ。』の内容にも触れます。
問題ない方のみお読みください。



現在公開中の映画『カラオケ行こ!』を見てきたのですが、
その後ぐるぐる考えて思うことがあったのでnoteを書いておこうと思います。

「愛は与えるものらしいで。」

上記の台詞は、映画で登場した聡実くんの友人と思しき、映画を見る会(名前が合っているか分かりませんが)の部員の言葉です。
この台詞は、『カラオケ行こ!』を解釈する一つの観点になるなと思い、今回取り上げた次第です。
(部員は映画オリジナルのキャラクターですが、この台詞といい、存在がめちゃくちゃ良い味出してるな〜と思いました!)


上のセリフから『カラオケ行こ!』の物語を解釈すると、
「聡実くんが狂児に与えた愛」の物語ということになりそうです。


何を与えたか、というと、それはやっぱり、
死んで地獄へ行った(と思った)狂児に向けて送った、変声期前最後のソプラノの歌声ですね。
(歌を教えたというのもありますが、1番はきっとこれ)


聡美くんは、中学最後の合唱部での合唱祭でソプラノのソロを任されていて、
声変わりを迎えるか否かの不安定な時期にいて、
うまく歌えなかったにしろ、最後のソプラノをそこで使い切ることもできたはず。


でもそれを蹴った。


狂児が死んだと思って、いてもたってもいられなくて、
怖い大人のいっぱいいる、組のカラオケ大会に乗り込んで狂児のために歌った。
原作にもあったように、この歌には、「狂児が地獄でも今後刺青を掘られることがないように」という聡実くんの祈りが込められています。

まあ実際は狂児は生きていて、しれ〜っと戻ってくるわけですが。
でも、あの歌は、聡美くんの愛によって狂児に与えられたものだと思うのです。


『カラオケ行こ!』の物語はここで大体終わりですが、
現在『ファミレス行こ。』がその続編として連載中です。

先日発売された『ファミレス行こ。』上巻ももちろん読みました。(すごくもだもだしました!!)
そして今回の映画の内容を踏まえて思ったのですが、
『ファミレス行こ。』は最終的に「狂児が聡実くんに与える愛」のお話になったりしませんかね?


聡美くんが『カラオケ行こ!』で狂児に一世一代の歌声を与えたように、
今度は狂児が覚悟を決めて聡実くんに何かを与える番なんじゃないかと。


上巻の時点では狂児がのらりくらりとしすぎていて何とも言いづらいですが。
聡美くんからのプレゼントに関わってくるんでしょうか…?
もしも本当に「狂児が聡実くんに与える愛」のお話になるとしたら、
それが聡実くんにとって心から喜べるものであれと願うばかりです。


まあこれはあくまで私の想像でしかありませんので、
『ファミレス行こ。』が今度どんなふうに展開していくか楽しみに待っています。


そして、原作に対する新たな解釈を与えてくれた映画『カラオケ行こ!』は間違いなく良作だと思います。
最高の映画をありがとうございます!


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