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オススメ映画を紹介するよ! 愛らしき山田杏奈の密かな欲望編

山田杏奈さんはまず非常に愛らしい顔立ちなのですが、意外と一筋縄ではいかない役柄を演じている場合が多いようです。例によって最近見た映画の中から、山田杏奈さん出演のオススメ作品を紹介します。


ひらいて

成績もよくて、明るくて目立つタイプの愛(山田杏奈)は、同じクラスの“たとえ”(作間龍斗)にずっと片思いをしている。 ひっそりとした佇まいで寡黙なタイプだけど、聡明さと、どことなく謎めいた影を持つたとえの魅力は、 愛だけが知っていた。 そう思っていたある日、彼には「秘密の恋人」がいることを知る。 それが病気がちで目立たない美雪(芋生悠)だとわかった時、いいようのない悔しさと心が張り裂けそうな想いが彼女を動かした─。 「もう、爆発しそう─」 愛は美雪に近づいていく。誰も、想像しなかったカタチで・・・。

公式サイトより

山田杏奈(以下敬称略)を知り、また作品自体にも衝撃を受けた「ひらいて」。映画の冒頭では坂道系の曲でダンスをする女子高生が登場したり、主人公が夜の校舎に危険な忍び込みを敢行するなど、ちょっと地雷系の作品かなあと、途中で見るのを止める覚悟をしていましたが、ありがちな三角関係が通常の青春恋愛映画ではあり得ない形で動き始めてからは目が離せませんでした。

とにかく主人公の愛の行動は衝動的で、演じる山田杏奈自体「彼女が好きになれない」と言い、愛自身もおそらく理由がつかない行動をし続けます。かと言ってそうせざるを得ない彼女の理不尽な心のうちも想像できてしまって、見ていて苦しくなります。

たとえを手に入れるために秘密の彼女である美雪に近づき、寝取ることでしか奪い取ることができなくなる。彼を奪うのか美雪を奪うのか、愛の中で整理できていたとも思えません。そして明らかに、愛には美雪への歪な愛情も存在するのです。

もっと語りたい場面はあるのですが、それよりも実際見てもらった方がこの映画に関しては伝わるのかなあと思います。山田杏奈はその理解し難い愛を演じ切っています。芋生悠との百合的なシーンも、この映画ではキーポイントです。

主題歌は大森靖子の「ひらいて」。劇中歌の「夕立ダダダダダッ」も印象的です。どちらもダウンロードしてしまいました。(ドレダケハマッテイルンダ)


彼女が好きなものは

ゲイであることを隠して生きる高校生の純と、BL好きであることを秘密にしているクラスメイトの紗枝。思いがけず接近した二人は、紗枝が純のセクシュアリティを知らないまま、“ふつう”の男女としてつき合い始めるが……。

公式サイトより

この映画も作品自体考えさせられます。青春恋愛映画を装いつつ、LGBTの問題を真っ直ぐに取り上げ、そこでの純の苦悩が切実に響いてきます。

主人公の純は恋愛対象としては紛れもなく男性なのですが、普通に家族を持ち人生を過ごしていくことも望んでいます。実際純の彼氏は家族持ちです。不倫であることは置いておくとしても、実際そう考えることは不自然とは思えません。

山田杏奈はそんな純を知らずに好きになり、やがてその秘密を知ってしまう紗枝を演じています。感情の起伏も大きく、難しい役どころです。「ひらいて」でもそうなのですが、普通に恋愛映画で理想の彼女を演じるには最適な山田杏奈ですが、敢えて普通の彼女になることは避けられているようです。作品選びとしても、チャレンジングな姿勢が素晴らしいです。

物語の終盤、体育館でゲリラ的にスピーチを敢行する紗枝。山田杏奈の迫真の演技と、ステージに向かう純(神尾楓珠)、友人役の前田旺志郎の笑顔が重なる場面は、この映画の名シーンです。2度見られる山田杏奈のダブルピースも必見ですね。

HOMESTAY

“管理人”を名乗る謎の人物に選ばれた魂・シロは、同時期に死んだ高校生・小林真の身体にホームステイし、管理人に課された転生の条件に挑むことになる。条件とは、100日間のリミットのなかで「小林真が死んだ原因を突き止める」というもの。

100日以内に原因を突き止められなかったり、真の家族や友人に中身がシロだとバレてしまったら、シロに“本当の死”が訪れるという。

どこか違和感のある家族との時間や、優しい幼なじみ、学校でのあこがれの先輩との日々など、真として過ごすシロ。しかしその死の真相には、小さな光と大きな闇が交錯していた……。

映画.comより

原作は森絵都の小説「カラフル」。個人的にはちょっと乗れなかったかなあ。理由としては、邦画のわざとらしさが感じられてしまったこと。ファンタジックなストーリーではあるけれど、リアルさから乖離してしまった場面が気になってしまいました。特に濱田岳の登場シーンは、演じている感が強かったです。そして主演の長尾謙杜。同じ旧ジャニ系でも、「ひらいて」の作間龍斗が素晴らしい演技をしていたので、ちょっと比べてしまいました。頑張れ。

山田杏奈は主人公の幼なじみ。しかし彼はミツキ先輩(八木莉可子)が好きで・・・という、わりと普通な恋愛が描かれます。あ、でもちょっとだけここでも百合的恋愛ありました。主人公の生き方に焦点があったっている分、そうしたLGBTの扱いは投げっぱなしだったような気がします。


哀愁しんでれら

児童相談所で働く⼩春は、⾃転⾞屋を営む実家で⽗と妹と祖⽗と4 ⼈暮らし。母に捨てられた過去を抱えながらも、幸せでも不幸せでもない平凡な毎⽇を送っていました。
しかしある夜、怒涛の不幸に襲われ⼀晩ですべてを失ってしまいます。そんな彼女に手を差し伸べたのが、8 歳の娘・ヒカリを男⼿ひとつで育てる開業医の⼤悟。優しく、裕福な⼤悟は、まさに王⼦様。「ただ幸せになりたい」と願う小春は、出会って間もない彼のプロポーズを受け⼊れ、不幸のどん底から⼀気に幸せの頂点へ駆け上がりました。
シンデレラの物語ならここで“めでたしめでたし”。
しかし小春の物語はそこでは終わりませんでした…

公式サイトより

土屋太鳳さんも好きな女優さんです。そうしてみても、後半の展開は共感できる部分(登場人物)が少なかったです。可哀想とか同情とかいう感情を持つ暇もなく、転落する方向へ突っ走っていってしまう。田中圭演じる大吾も娘のヒカリも、ある意味狂気を持っているわけですが、その背景はあまり語られません。かなり衝撃的な結末は、個人的には許容範囲です。批判する人がいるのもまたわかります。

そんな映画なので山田杏奈は土屋太鳳の普通の妹役です。あまり出番がなく、電話の音声だけの部分もあり、山田杏奈の持ち味が出されているとは言えません。勿体ない。

「学校に勝手に侵入して校内放送をかける」なんて警察通報案件だし、「学校でインフルエンザの集団接種」なんて今ではあり得ないし、悪い意味での詰めの甘さが出てしまったのではないでしょうか。

ミスミソウ

最後に紹介するのは、山田杏奈の初主演作にして「トラウマ・サスペンス」を称する「ミスミソウ」です。

東京から田舎の中学校に転校してきた野咲春花は、学校で「部外者」扱いされ、陰惨ないじめを受けることに。春花は唯一の味方であるクラスメイトの相場晄を心の支えに、なんとか耐えていたが、いじめはエスカレートしていくばかり。やがて事態は春花の家が激しい炎に包まれ、春花の家族が焼死するまでに発展。春花の心はついに崩壊し、壮絶な復讐が開始される。

映画.comより

イジメを題材にしていますが、実際は陰惨な放火殺人が起こります。流石に中学生でそこまでいく?という疑問もありますが、登場人物が全て狂っている世界なので致し方ないです。山田杏奈演じる春花も、復讐と言えば聞こえはいいですが、滅茶苦茶に殺しまくります。「バトル・ロワイアル」を彷彿とさせますね。

家族を殺されてからの春花は、感情を消した無表情。本来愛らしい山田杏奈だからこそ、冷たい視線が狂気を感じさせます。何より、この作品この役を初主演に選ぶという心意気が素晴らしいです。

ただ、作品自体は洗練されていないところも多いです。血が絵の具っぽかったり、アクションシーンも微妙だったり。そのあたりを粗と感じなければ、グロ度も振り切っていますので楽しめるのではないでしょうか。因みに城定イハこと中田青渚もイジメっ子として登場、早々に殺されます。

ポスト広瀬すず

愛らしい顔立ちと言えば、個人的には広瀬すずが頭に浮かびます。山田杏奈は、愛らしさ、そして演技力含めて、ポスト広瀬すずの筆頭と言えるでしょう。(勿論広瀬すずが映画界で占めているポジションを誰かに譲るとも考えられませんが) また、恋愛映画にありがちな女の子にとどまらず、難しい内面を持った人物を演じたり、過激なラブシーンにも挑戦したりと、幅広い活躍が期待できます。噂によると某超進学校に在籍していたらしく、インタビューなどでもスマートな人柄がわかります。今後も主演出演が続きそうな山田杏奈を、今後も追いかけていけそうです。

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