2022年12月14日広島市議会総務委員会(定野議員質問と理事者答弁)

私が自分用の記録としてテキスト化したもので粗いメモ起こしです。正確な議事録は、後に市議会が出されるものです。広島市民にとって大切な議論である中央図書館再整備計画に関して、市民が判断するために重要な資料が適切に開示されていると思えないし、今回の総務委員会での議論も、広島市は議事録以外で別途公開するつもりはないと明確に示したので、自分のメモを、この問題に関心がある人のために公開しているという位置付けです。ということをご留意の上、ご参考になさってください。

定野議員)
伺いたいことがたくさんあるが共通の土台で議論をしたいので確認したい。付帯決議が3月に可決成立しています。付帯決議の中に、図書館について、有識者などに丁寧に説明し理解していただいた上で移転先などを決定、とうたわれている。当然比較検討できる資料が示された上で丁寧な説明があり理解をしていただいた上での決定という手順を踏むと思っていましたが、この度示された比較検討について(案)では「エールエール」とある。先ほど答弁がありましたが、よほどエールエールでは成り立たないと言うよほどのことが変更しないという。

今日この時間はなんだったのか。これから有識者に色々とご意見を聞くことになっているのだが、なんなのか。付帯決議についてどのように認識しているか。

生涯学習課長)
予算執行の上で、突きつけていただいたもので、重く受け止めています。

定野議員)
重く受け止めてということなので、しっかりと議論をしていただきましょう。
比較検討をする中で見比べて、よく考えておられると思うが、最初から気になっていたのが、そもそも中古の商業ビルに図書館が入ることについて、全く性格が違う建物に図書館が入るということでさまざまな難しい問題があるのではと最初から思っていた。エールエールの案、それと、比較のために、現在地の仮設が無いものと比べて話をする。本という重たいものを商業ビルの上に持っていくことはどうなのか。本のボリュームだが、蔵書目標は。

生涯学習課長)
比較検討資料作成にあたり、135万冊を想定。まずは現在中央図書館にある90万冊、それ以外の資料等のスペースとして15万冊分。毎年図書の純増が7000から1万冊で推移。昨今の新刊の発行数考えると、将来的に、40年間置けるということで135万冊。

定野議員)
135万冊を収める建物なので、当然どこにどのように収めるかに関心。新しく図書館として建てるのならそう言った重たいものを一から考えるが、商業ビルに入るとなると、どのような形でどう置くのか、上層階に3階に分けておく、一部の蔵書は建物の中に配置するとなっている。よく見ると一部というのが全体の70%。94〜95万冊を三つのフロア以外に置くということ。95万冊を超えると思う本をどこに置く予定か。

生涯学習課長)
図書については今後エールエールの中においていくが、場所については南口開発との協議の中である程度こういうところという場所が決まっているが、現在営業している方もいるのでこの場で場所を申し上げるのは難しいがそれを踏まえたトータルで135万冊おける。

定野議員)
一部に閉架書庫を確保とあるが、実際には大きなもの。この新たに今営業しているところを譲っていただく、場所は取得をするのなら費用は。

生涯学習課長)
エールエールの中で図書館を整備するにあたり必要な費用は総計に含まれています。

定野議員)
いくらですか。

生涯学習課長)
別紙3の中の57.5億の中に土地建物。

定野)
ですから、それはおいくらでしょうか。

生涯学習課長)
土地部分が33・6億。それを差し引いた23・9億が購入する額。

定野議員)
閉架書庫を作るにあたって、今営業しているところを譲ってもらうのに23・9億円という理解。書庫は本を詰めておくから閉架書庫であっても開架書庫でも床に負荷がかかる。柱や壁面に重量がかかる。上の階になればなるほど影響は大きいと思う。建築の専門家ではないのであくまで資料をもとに出してみると、エールエールは商業施設。どれだけの重さに耐えられるかというのは、商業施設に求められるのは、建築基準法85条がある。床がどれだけの重さに耐えうるかと書いてある。百貨店の重さは2900ニュートンパー平方メートル。どれだけの重さが下にかかるかということ。現在エールエールはこれはクリアしている。百貨店仕様の建物。図書館として利用する場合は補強が必要。図書館の標準的な数値はご存知か。

生涯学習課長)
こういった図書館の床の荷重については建築基準法だったり、文部科学省の建物構造設計指針に記載されている。基本的には指針については、記載の荷重が実際に求められる場合については、耐えられるものを設計していくとなる。建築基準法で百貨店は2900、文科省が出す指針では図書の閲覧室は5900。一般図書は7800、周密書架は11800。あくまでも出せない時の一つの指標。実際に算定を超えるものが設計されていれば大丈夫。

定野議員)
ということは本の重さがかかる建物については、数値を上回るだけの補強をしていると。

生涯学習課長)
エールエールに再整備する場合の書架や人の荷重を試算した結果、閲覧室で2900程度、閉架図書でも4900を超えないと見ている。この度床の許容積算荷重を試算したら、この建物については、4900を超える耐力を有していると確認した。

定野議員)
閉架図書についても耐えられる補強をするということだと思うが、床を補強するとなると床の重量もある。機械で稼働するならもっと跳ね上がる。補強するなら、壁にも柱にも当然負荷がかかる。しかも上の階に補強するとなると地下から上まで全ての階に影響を及ぼす。今回の補強は図書館が入るフロアだけで賄えるか。

生涯学習課長)
実際に本が開架エリア以外となると、周密書庫の資産は今回9万8000(後で9800に訂正)は超えない見込みとなっている。それに対して、エールエールの中で周密図書を設置予定の箇所については、この許容積載荷重は9万8000(同上)を超える体力を有していることが確認できた。したがって、中央図書館を移転するに耐えるものと判断。床や柱などの補強の必要ないことも確認した。

定野議員)
9万8000ってそんなにあるんですか。

次長)
間違いではございません。ある階についてはそういうことということですので。階数については申し上げられないが、確認した上で先ほど答弁した。

生涯学習課長)
すみません、単位を一つ間違えた。9800の間違いです。すみません。9万8000ではありません。

定野議員)
お互い建築の専門家ではないのでこういうことは起こりうると思うが、明らかにおかしい数字でしたので申し上げました。
そうすると、それを満たすために補強工事をしなくて済む、その強度を持とうと思うと、限られてくる。そこのフロアが百貨店にとってどれだけの価値があるかとなると、推測はいけないが、それなりに、価値のあるところをいただくわけですから、買うわけですから、そういうことも、どこかにおきますよという資料で「ああそうですか」と言えないですよね。「どこかにおきます。強度心配ありません」と言われても議論が深まらない。もう少し深く掘った資料で議論をさせていただきたい。そうすると、ありとあらゆる補強は今回の予算の中に含まれているのでいいか。

生涯学習課長)
現時点では、床や柱などの補強の必要はないと確認。この金額で。

定野議員)
なかなか建物はそうはいかない。下の階に全く影響なく、上の階の補強、閉架図書を作るのは難しい。営業補償の話も出たが、それだけの大工事。窓を開けるという話もあった。そうすると、建物そのものが百貨店の雰囲気を保ったままで、工事をする、しかも12ヶ月間どうぞどうぞやってくださいとなるだろうか。例えば資材の仮置き場、工事の動線確保、営業補償の金額も当然この中に計上しているのが当たり前ではないか。私が営業している人間だったら、工事が始まって12カ月、どうぞどうぞと私なら言わない。

荷捌きについては先ほどあったので省略。

次に、今回の比較検討の資料に意見。先ほど申し上げたが、決議案53号が成立している。一般会計予算に対する付帯決議。全会一致。この中に、「現地建て替え、中央公園内での移転、エールエールへの移転、それぞれを詳細に比較検討できる資料を作成して、各資料について丁寧に説明して理解をしていただく」ということになっている。私はてっきりごうと比較が出てくると思ったら出てきたのは事実上二案となっていた。いつの間に二案に。

生涯学習課長)
再整備を進めていく中で、中央公園については公園内ではなかなかむずかしい、困難であるという話を聞き、今年度に入っても話を聞きながらその状況を確認してきた。この度報告したとおり、それぞれ制約がある中で難しいと判断。

定野議員)
発注した時は、三案比較は東畑建築事務所広島支所には三案で発注しているはずだが、市の方から発注して、成果物が届いた、届いた成果物はその時点でこう言った案に?初めはごうと比較があったのか。

生涯学習課長)
業務委託する中で、設置場所についてはこちらから指示をするとなっていますから、話もしながら最終的にこういう案になった。

定野議員)
要するに、東畑建築事務所から届いた時点で、中央公園については制約があるとの納品?

生涯学習課長)
最終的に東畑から納品があったものについては比較させていただいたもの。エールエール、現在地、現在地南側、になります。

定野議員)
結局、現在地の建て替え、エールエール、中央公園内での建て替えというのは東畑さんからの納品ではなかったのですね。

生涯学習課長)
今回出させていただいた比較案については最終的に現在地の中での二案になっているが、中央図書館のある場所はそもそも中央公園内であるということもあるし、南側の敷地に仮設を作らずに立てるということはそう言ったことも含めて考えた中での比較。

定野議員)
ですから、東畑から納品されたのは、制約が多いから無理ですよとで市に話があって受け取ったのか、三案の比較はあったけど市の判断で制約多いからその案とこの案と出そうとなったのか。どの時点でこういう形になったのか。

委員長)
簡潔明瞭にお答えください。

生涯学習課長)
当初中央公園内で検討していただいておりましたが、途中でわかってきたので取りやめていただき、L字案に置き換えた。

定野議員)
三案の比較検討できる資料を示して議論をするのが議会との約束だったのではないですか。それを色々と制約があるから取り下げて、結局こちらとこちらになったというと、話が違うじゃないですか。それは、議会との約束だと思うんですよ。結果どういったものが出てきたかによって三案を同じように並べて、なおかつエールエールが優れているとなれば、それはよろしいと思う。ただ初めからあったじゃないですか。中央公園内での建て替え。要望の中では数多くあった中央公園内を初めから除外して残りの二つで比較しますというのは話がちがう。それを東畑さんが契約があるでしょうから、その二つでやってみましたということで納品があったということですね。

生涯学習課長)
こちらの方から途中でそう言ったことを指示した。

定野議員)
話を変え流。子ども図書館を残すという方針変更があった。市長が一般答弁の中で、子供他図書館は現在地にとりあえず残して切り離しましょうとなった。その時点ですでに東畑への発注は終わっておりました。ということを踏まえてお尋ねしますが、どの案についても子どもと青少年のエリアがかなり広い。現在地のL字型、仮設を作らない整備であっても、2875平方メートル。エールエールは、3300が子どもと青少年のエリア。今現在の子ども図書館の延べ床面積は。

生涯学習課長)
1000平方メートル。

定野議員)
現在の子ども図書館が残り、1034がそのまま残ります。それに加えて、強化するべき機能として読み聞かせのスペースなどの話はありましたが、エールエールに行った場合、現在の1034が3300になる。子どもと青少年エリアはどう利用する予定か。

生涯学習課長)
再整備する中央図書館は、子どもから大人まで多世代に向けたサービスが提供できる多面的な機能を兼ね備えた図書館を目指す。このため乳幼児から中高生向けの図書の設置、発達段階に応じた年齢階層別のサービス、一緒に訪れた大人向けへの図書も合わせて配置するために必要なスペースを確保。

定野議員)
これだけの広さが必要だとお考えか。現在地のすぐ南に建て替える場合は子ども図書館の機能と重複しますが、なぜこんな広いスペースをとったのかわからない。必要だと思って確保?

生涯学習課長)
広島市立図書館再整備方針に基づいて、機能を発揮できる広さということで設計。

定野議員)
今年の2月、子ども図書館を合わせてエールエールへ移転する案を示された場合、子どもスペースを現在の2倍程度にという話だった。多くても3000のスペースがいるということで、いろんな機能を強化しようと思ったらそういう広さも必要かと思ったが、今回現在地に残ると言いながら、さらに数倍に及ぶ床面積を予定している。エールエールも、仮設のないL字型も。私はてっきり方向転換が間に合わなくて、子ども図書館が入るままのスペースを確保してしまったたのかと思った。
このスペースでヤングアダルトだったり幼い子供からヤングアダルト世代までが活用すると言うが、具体的に活用方法は。

生涯学習課長)
エールエールのエリアは、子どものエリア、交流のエリア、ヤングアダルトのエリア、当然保護者と見てもらうエリア、その他バックヤードも合わせてこうなった。

定野議員)
広いですね、本当に広い。一つのフロア丸ごと使うぐらいの広さ。当然、若い世代に目を向けて足を運んでもらって活用してもらう意気込みは感じますが、なぜこういうスペースを儲けたのか疑問。そもそもどう言った前提で、9月議会で質問しましたが、どのような前提で発注したのか。前提条件がわからないと話ができないと。

その時には明確な答弁をいただいていない。どのような前提で発注して、どのようなものが納品されたのか。これについての成果物をいずれ議会に配布とあったが、すぐいただきたい。いつ提出するか。

生涯学習課長)
先ほどの繰り返しになるが、民間建物の情報も入っているので、少し手続きを経て、お時間をいただきたい。

定野議員)
大まかな時間的な目処を。

生涯学習課長)
チェックするので何月何日と申し上げるのは難しい。

定野議員)
初めから申し上げているが、比較するのであれば根拠を示していただかないと議論は深まらない。本当でそれでいいのか。それを私たちも見た上で判断をしたいと思う。もともとどういう前提で発注したのか、それに対してどういう考えでこの案を作ったのか。それを示していただきたい。一体いつになるかわからないでは、困る。年が終わると2月議会。予算特別委員会があって議論、当然この話もでる。その中で、目をつぶってハンコを押すことはできない。いつ頃かもわからないのか。

次長)
申し訳ございませんが、具体的な日にちを申し上げることはできないと思う。手続き上、公文書公開の中で相手の事業者の情報もあるから、しっかり確認しないとおだしできない。

定野議員)
それは困るんですよね。やっぱり比較検討するための比較したものがなんなのかというのがわからないと、それが例えば、1年後とか2年後にこれでしたって示されても大変困る。議会は議論をして議決をする。議決について議員は責任を持たないといけない。そのための判断材料としては、正確なもの、新しいものがほしいのは当然。それをぜひ1日も早く示してほしい。そうでないとなかなか次に進めない。そう思わないか。私はそう思う。早く出していただいて。委員長にもお願いしたい。

あとですね、できない理由がたくさんありました。その中で、
議会に報告し、報告を踏まえて、とある。議会に報告をしたんだから、とある。報告を受けたり提出されたりして判断している。ただ、それがいろんな状況も変わってくる。市民のニーズも政策判断が変更になることもあった。今まで比較検討した結果聞くと、エールエールが有利だというのは、駅に近いというのに集約される。一方で、中央公園内の建て替えができない理由は、これまでの計画との整合性があるので、制約が多すぎて事実上困難だと。仮設ないものとエールエールを比べましたら、基本的に、土地の取得が必要なものよりも、公有地を利用するということを最優先でこういう施設を考えるべきではないかと思う。

現在、エールエールへの移転は、建物改修にかかる費用41.5に床の取得費。仮設作らない場合は、建物のそのものに土地はかかりませんから、建物そのものに112.5億円。こちらの方が金額は多いが新しく図書館としてたてるのに112.5億円。エールエールは建物の改修に41.5億円。建物自体にかけるお金は倍ほど違う。私は当然、もちろん今あるものを最大限利用するのでエールエールを検討するのは結構だが、新しく図書館を図書館として整備する、しかも公有地を優先に取得を交渉しなくてもいい、と書いてあるじゃないですか。そこを最優先に検討するのは本来ではないかと思う。色々と人の流れがあるからという話もあった。流れの方に施設を寄せるのか、予算特別委員会でも申し上げたが、しっかりと広島の顔としての設備を整備する、そして、新たに人を呼び込むぐらいの気概を持って整備してもいいのではないか。

今のエールエール、私は今のままでは顔のない図書館になってしまう。向かいのビッグフロントも便利です。ただ、利用者からはどこが入り口かわからないとか聞く。建物は、パッと見て広島の図書館だと、中央図書館だと、いうものでないといけないし、今のままでは顔のない図書館になってしまう。建物そのものの外観も大事。周りの環境も含めて図書館の魅力を醸し出していくものだと思っています。ぜひ、広島の「顔の見える、誇れる図書館」を作って人を呼び込んでくるという気概でやっていただきたい。それと、先ほどの報告書を1日も早く出していただいて議論をしていきたい。


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