自分は子どもだと思っていた。
18歳の頃。
大学生になりたての歳。
高校生までは、大人と接することは皆無で、教師以外はほぼ同年代。
家と学校くらいしか行動範囲がなく、世界も狭かった。
それが大学生になると、急に(下宿だったけど)一人暮らしで、学校外のサークルに入るなど、大人との関わりが増える。
で、大人から飲みに誘われたり食事に誘われたり。
私的には「大人が、子どもの私に何の用なんだろう?」と本気で疑問で、「眠いので帰ります」「明日、一限なので行けません」「彼氏が迎えに来るので帰ります」と悉く断っていた。
天然最強説。
22歳の頃。
就職したての歳。
30歳代の既婚の男の先輩。他の男の先輩や同僚と仲よく話をしていると不機嫌になる。
就業時間に「話がある」と呼ばれ近所の公園へ。
ただ、その先輩もわきまえていた方だったのが、私だけではなく仲の良い女性の同僚も一緒にとのこと。
やれ「あまり色んな人に愛想よくしない方が良い」「勘違いされる行動は慎んだ方が良い」など説教された。
私は、何だか意味が分からなったけど、後から同僚の子「先輩は、sonoちゃんのこと好き、って告白だったよ」と教えられ、「えー!!?」となった。
何で?
私が大人から恋愛対象と思われるの?
ありえない。
子ども的な考えでは、大人は大人にしか欲情しないと思っていた。
好きにならないと思っていた。
そして、20歳前半の自分は、まだ子どもだと思っていたので、大人と隔たりがあると、勝手に思い込んでいた。
おかげで不倫やら歳の差恋愛にはなったことは、一度もなく、同年代の彼氏と結婚へ進んだ。
自分が大人になったのは、いつだったのだろうか。
20歳代後半でも、その自信はなかったかもしれない。
子どももいたのに。
そして、今、50歳代。
大人なんだと思うけど、中身はたいして変わっていないような気もする。
色々な経験をしてきた割りに、未だに悩み・もがいてる気もする。
恋愛に関しても。
いつだって、何歳だって、嫉妬はするし、疑心暗鬼になるし、大事にされたいし、甘えたい。
多分、相手もそう。
たとえ、公には立派な社長でも役職付きでも、恋愛・愛情に関しては、結局みな子どものように求めてやまない。
いや、子どもの頃よりも、なお一層求めているかもしれない。
親の愛情を受けなくなり、逆に親を庇護する立場になったからこそ。
抱きしめられて、肌に触れて、安心して、自信を取り戻して、
そしてまた、大人の顔を作ることが出来る。
それが性行為・sex。
ただ厭らしいだけの行為ではなく、大切な、尊厳を守る行為でもあると、
私は理解している。
大人にこそ、大事なsex。
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