見つかりませんように

なんなんだろうか

3月になったら大学生が居なくなるから仕送りとかするからね
私は言った

ああお願いします
母は言った

無年金老人の母だ
70代後半にしてホームヘルパーとして細々と働いている
すでに介護される年齢だろうが働かなければ収入が無いのだ

なぜ年金の免除手続きをしなかったのかと、今なら思う
あの頃はそんな事知らなかったし、誰も教えてくれなかったのだろう
生活保護は受けず、働けば何とかなるからと休みなく働き続けた母だった

シングルマザーとして私と姉を育ててくれた
何不自由無くとはとても言えない子供時代だった
不自由だらけ惨めだらけだった
それでも幸せだった

時が経ち私も子を2人抱えたシングルマザーとなった
離婚に関しては1ミリの後悔もない
ただ長く専業主婦だったので働き口は非正規雇用だ
正規職員より働いているが給与は正規職員の半分、ボーナスも無し

未婚の姉は時々メンタルを病む
看護師資格を持っているのでメンタルが安定していれば高給取りだ
人とコミニュケーションが取れない
不思議ちゃんと言えば聞こえがいいが、色んな場面で常識外れなことをする
本人は良かれと思ってやっている

顔はいつも変だ
どんな顔をして人と関わったらいいのか分からないのだと思う
笑うでも無く、無表情でもなく、いつも緊張と動揺がごちゃ混ぜの変な顔をしている
それでも私は姉が好きなのだ

4月になれば母への仕送りを開始する
少ない給与から毎月3万くらいかなと考えている
死ぬまで
私か母が死ぬまでだ

なんなんだろうか
私は子供たちに一銭の施しも受けたくないのだ
働いて稼いだお金は子供達本人と自分が大切なもののために使って欲しい

でも私は母に施す 
何の躊躇もなくああお願いしますと言われる
あなたのために使いなさいと言われる素敵な未来はないのだと知る

身を粉にして働き育ててくれた母
愛された記憶でいっぱいの子供時代

最近私は母を恨んでいいと自分に許した
普通に父と母が居る家庭に育てなかったこと
進学なんて考えることもできなかったこと
惨めな思いをたくさんしたこと
それでも感謝の方が何倍も大きいから

母にはお金の心配のない日を過ごして欲しい
子供達の心配をしなくていい日を過ごして欲しい
でもどちらも叶わない

そして少ない給与から搾取される
死ぬまでなのだ
姉はオカシイのだ
なんなんだ

どうにもならない思いをつい書いてしまった
とにかく見つかりませんように

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