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香港電影鑑賞記:武影江湖『武館 Martial Club』(1981)

時間が無くて Teach-in を聴けなかった。幸か不幸か講者の麥德羅が体調不良で参加できなくなり、出演者による現場の話が聴けないなら私にとっては魅力半減なので後ろ髪引かれることもなく退場。

とはいえ、一応感想など。

実は私、麥德羅がここまで功夫出来るとは知らなかった。劉家班出身とは知ってはいたけれど、私生活での伴侶である Apple姐との泥沼離離合合騒動を知っているし、マツケン紛いの歌って踊る麥德羅しか見たことがなかったので、この作品で大開眼界であった。正し、かなりアクロバティックな動き(例えば空中で何回もクルクル回りながら地面に叩きつけられるとか、吹っ飛んで池にボチャンとか)は小候が吹き替えていた。小候の顔丸見えだったよ。さすが小候、身軽さピカイチ。

Kara Wai 惠英紅もここまで初期のものは観たことがなかったので、これまた凄いものを見せていただいた。というか、こんなこと長年やってたらそりゃ満身創痍になるわね、と納得した。劉家良師傅、無茶させまんな。

劉家輝はやはり頭一つ飛びぬけて凄い。動と静のメリハリの付け方は他の誰よりも美しい。「動」の際のスピードが素晴らしいので「静」の間が生きる。功夫の動きとしては劉家良師傅より劉家輝の方が私は好き。

アクションだけでなく芝居もかなり楽しめた。麥德羅のとことんあかんたれなキャラも良し、惠英紅のとにかく兄を大事にしすぎて大局を見ないキャラも良し。くどいぐらいのキャラの立て方が「いかにも劉家良師父」作品。

王龍威は今回は結構良い人。これまで完全な悪役のキャラしか観たことがなかったので、どこかで徹底的な悪人に豹変するのではないかと身構えてしまって、最後の最後までなんとなく素直に「良い人キャラ」を受け入れられなかったのだけれど、結局良い人だった。

劉家良師傅の作品らしく、笑いのポイントもかなり入れてあった。私の後ろのおばあさんが「ほおおお」とか「あらら」とかいちいち反応するのが面白かった。これは功夫電影だからとか、武師ならこれぐらいお茶の子さいさいといった下手な知識無く、ピュアな反応だったので面白かったな。

複数設定されたメインのアクション・シーンは、ちょっと長すぎるかとも思ったけれど、それぞれに計算しつくされた斬新な動きで構築されていたのはさすが劉家良師傅。これぞ功夫電影!を堪能した。

そうそう、重要なことを書き忘れていた。劇照が陳旭だった。なにげに衝撃的。

香港電影資料館にて鑑賞。★★★★★

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