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アドラー心理学について学ぼう - ③なぜ人間関係がうまくいかないのか

さあ、木曜日だ。
木曜日は「アドラー心理学」について書く日だ。
先週は「人生は他人との競争ではない」という記事を書いたが、さらに掘り下げていこう。


怒りは他人を屈服させるための道具に過ぎない

ボクはあまり怒らない人なので、いつもイライラしていて、いろいろなところに当たり散らす人の心理はわからないが、怒りっぽい人のことを「怒り以外の有用なコミュニケーション方法を知らない」人だと定義することができる。

怒りはコミュニケーションの一形態で、自分の力(権力)を誇示したいという目的がその根底にある。

問題なのは、「私が正しい」と思うことで、それが「この人は間違っている」という間違った思い込みにつながっていくことだ。主張の正しさは勝ち負けと関係がなく、そこで完結すればよい。しかし多くの人(たち)は、その主張の違いを権力争いに発展させ、「自分の主張の誤りを認めること=負けを認めること」と考えてしまう。

そして、権力争いに負けた人の多くは、意図的にもしくは意図せずに「報復行為」に打って出る。そうなると当事者同士で関係を修復することは不可能になってしまう。

人間の目標と人生の課題

アドラーは、人間の行動面と心理面のあり方について、それぞれ2つずつ、全部で4つの目標を提示している。

行動面の目標
1. 自立すること
2. 社会と調和して暮らすこと

心理面の目標
3. 自分に能力があると思うこと
4. 人々は自分の仲間であると思うこと

そして、その4つの目標を達成するために、解決しなければならない「対人関係の課題」があると説いている。それは「仕事関係」「交友関係」「愛情関係」の3つだ。それはすべて「人間関係の課題」である。この3つは仕事関係→交友関係(友人)→愛情関係(恋人や家族)と関係が深くなるに連れ、簡単に切り離すことができなくなり、与え合う影響度も大きくなる。それが、相手に権力を誇示しようとしたり、束縛しようとしたり、疑心暗鬼になったりすることにつながっていくのだ。

アドラー心理学が説いているのは、他人を変えることではなく、自分自身が変わることだ。まず自分自身が変わることによって、周囲が変わる。そのための課題をクリアせよと言っているのだ。

…ボクはとてもシンプルなお話だと思っている。
みなさんはどうだろう?

なぜ人間関係がうまくいかないのか

人間は本来、トラウマなどに翻弄されるほど脆弱な存在ではないとアドラーは言う。そして思い返していただきたい。人は過去の経験に自分で意味づけをすることによって、その人自身の「ライフスタイル(人生のあり方)」を形成していくのだ。

仕事関係の課題、つまり職場での人間関係をうまく構築することができなかった人は、会社に行くのが嫌になり、社会からドロップアウトしたり、場合によっては自殺したりしてしまう。でもその原因を紐解いていくと、実は周りの同期が出世していくのに自分だけ取り残されている(と自分が勝手に感じている)ことだったりする。

人は常に劣等感を抱えている。
それは自分自身もそうだが、それは周囲の人もみんな同じだ。
人によって劣等感をうまく使える人もいれば、劣等コンプレックス化させてしまう人や優越コンプレックス化させてしまう人もいる。(先週の記事を参照してほしい)

そこで劣等コンプレックスを発動させてしまった人がドロップアウト組だ。また、誰かの優越コンプレックスの対抗措置として自分自身も優越コンプレックスを発動させてしまうと、関係性は泥沼化し、関係を破綻させるしか選択肢がなくなってしまう。関係を破綻させること自体は比較的簡単な方法なのだが、仕事関係→友人→恋人や家族と関係が深くなるに連れ、それが難しくなる。つまり課題をクリアすることが難しくなるのだ。

自分が行動するのだ

もう一度思い返していただきたい。
人生の目標は以下の4つだ。
それを言い換えるとこのようになる。

1. 自立すること
→他人に依存しない

2. 社会と調和して暮らすこと
→優越コンプレックスを発動させない

3. 自分に能力があると思うこと
→劣等コンプレックスを発動させない

4. 人々は自分の仲間であると思うこと
→他人の幸せのために貢献する

ここを目指して進んでいくためには、自分が行動しなければならない。
人生は他人との競争ではない。ボクたちは、自分に与えられたものをうまく使って、自分のライフスタイル(人生のあり方)を選び取っていかなければならないのだ。

(続きはまた来週)


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