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やっぱり「雑談」は大切だった? ~チームメンバーの相互理解が爆速で進んだ話~

こんにちは!ファンズでQAディレクターをしているSHIOです!
今日はリモートワークにおける「雑談」のお話です。

まず前提として、私はテキストコミュニケーションが大好きな側の人間です。非同期コミュニケーション最高!そんな私が「口頭での雑談」(以下、雑談)にフォーカスするのはかなり珍しい話です。

わたしという人間

雑談が嫌いなわけではないのですが、なくても業務上不都合がでるものではないですし、なにより口頭コミュニケーションをしていると脳リソースを全部もってかれて作業が止まってしまうのでMTG前のアイスブレークくらいにとどめ、あまり雑談自体を積極的にしていない人間でした。
フルリモートというのもありそもそも雑談が発生しにくいというのも大きいと思います。
そのかわりtimesチャンネルの運用が当社はあるのでテキストベースの雑談の量を増やしているタイプです。

また雑談に巻き込むことでその人の時間を奪っているかもしれないというのが常に頭の片隅にあり。。それがテキストコミュニケーションとなるとどうでしょう?お手すきに書き込む、書き込みたいから書き込むに変わるではありませんか。非同期ならではのところに心地良さを感じている側でありました。

こうしてtimesでダントツの独り言量をほこる私が誕生したのでした。

雑談したい民はいる(小話)

ファンズは比較的雑談が少ないチームのような気がします。
ただ別に全員が全くしゃべらない民というとそうではなく、個々人でお話する分にはいろいろ雑談できますが、業務時はそれがあんまりでないというのが大きいです。
それでも問題なく業務がすごいスピードで進み、何も問題は起こりません。

ちょっとおもしろいエピソードとしては、入社されたばかりの方が「もっと雑談がしたい!!」と声をあげ、「では雑談していき」となってから3か月後、ぱったりと雑談の話題を出さなくなったのです。

その方と1on1する機会があり、もしかしてマイナスな気持ちがあるのかもと思ったので、聞いて見たところ「無理に雑談しなくてもコミュニケーションは取れているし、これがファンズに合っているし、自分もストレスではなくむしろ快適だと気づきました」とのこと。

これはすごく面白い現象で、入社後の私と同じ感想なんですよね。
入社後、times自体もあまり活発ではない印象だったので私はそちらの文脈で言っていたのですが、「これがファンズのペース」なんだと気づきました。

最初は今までの職場と比較したときの違和感が仕事をしすぎてしまいますが、慣れてくるとFundsize (ファンザイズ) されてくるのですね。

タイトルと言ってることと違うよね?

私は雑談の有効性は理解しているつもりですし否定的でもありません。
それは後半で語られます。
ただ、意図的に「雑談しよう!」というのが少し苦手というかすごく設計してないと施策として難しいと思っています。

どのくらいの難しさかというと、「はい!今から面白いこと言ってください!」って振られたときくらいには難しいです。滑り散らかす未来しか見えない。(私は)

なぜ「はい!今から面白いこと言ってください!」と言われたときに途端に難しくなるのかを考えてみましょう。

人を笑わせるためのテクニックの他に「どういう話」をすべきかというのがポイントなのかなと私は思っています。
人が話をするとき相槌以外は基本は何かしらの主軸となる思いやエピソード、話題があるはずなのです。それを何も与えず「では話してください」といわれると途端に戸惑ってしまいます。
そこに「自分のご経験の中で、一番面白かったことを面白く言ってください!」と伝えると、多分この話がよさそうだな?までは思い付き(そういった経験があれば、ですが)、あとは「どう面白く言うか」がハードルとなるでしょう。

雑談も同じだと思っていて、何かしらのトピックスに対して会話を繰り広げていくものなので、「はい、では雑談しましょう!」といったところで、「何はなす・・?」とお互いが詰まってしまって会話が続かない無の時が流れる可能性が高いのです。
もちろんコミュ力が限界突破される方は、こういった場でリードして話を繰り広げてくれることが大変多いと思いますが、私のコミュ力レベルでは到底かなわない話なのです。

そうなると「そもそも雑談を無理に増やさなくていいじゃない、課題がないのであれば」といわれると確かにそうだと思います。

ただ私には当時には雑談量を増やしていく必要がありました。

ファンズにジョインしたQA正社員1人目という状況

当時私が入社したタイミングでは、QAを担っていたのは第三者検証の方でした。業務の細かい手法なんかは第三者検証の方たちに託され、チケットの進行等だけを開発チームで管理している、という状況です。

まずいぞまずいぞ。と私は思った記憶があります。
ワークフローなんかはある程度聞いていたので問題ないのですが、いざ設計するぞ、とか新参者でもできそうなテスト設計・実行はありますか、とか具体的なタスクになるとこの第三者検証の方に相談しなければなりません。

一応私のお世話(言い方)自体は第三者検証の方にお願いされていたので、質問すれば返ってくるのですが、「その質問自体が適切な質問であったのか」「社内的な言葉と私の言葉の意味がずれていないか」「どのタイミングで話かけるべきなのか」「話かけたほうがやりやすいのか」などがもそれはもう全く見えませんでした。

そしてまずいぞと思った理由として私のメイン業務の1つには改善がある点です。
現場を知らないと現場を無視した改善をしてしまう可能性があり、それは彼らが築いてきたものを壊すことになります。なんなら効率が落ち結果的に「改善」にならないことが考えられます。それは一番やりたくないし、私が改善される側ならば「うわー」となる出来事です。現場を知る必要が圧倒的にあるのです。

そしてQAチームが抱える課題を把握する必要がありました。ただ雇用形態の違いであったり、当社が第三者検証メンバーからすると「お客様」になるため言い出せないこともあるでしょう。こちらについても心理的安全性を高めてなんでも言い合えるチームの構築が必要不可欠でした。

つまり私は急速に彼らへの理解を進め、信頼を勝ち取りつつ心理的安全性を高め.…要は仲良くなる必要がありました。ええ、フルリモートのこの状況で。
時はコロナ禍。出社という2文字はほぼ選択肢にありませんでした。

さてSlack以外ではほぼ話さないメンバーとどうコミュニケーションをとっていくか、が焦点になります。
私はここで「雑談」という手段をとりました。

雑談の場としてのふりかえり

私が所属するQAチームではQAMTGと呼ばれる意思決定のMTGがありますが、そこでは個々のタスクがどうであるとかなどは対象としておらず、あくまでもQAチーム全体の活動内容についての報告や相談事項などについて話し合いをする場としていました。

そこで私は、QAチーム内への情報共有/テスト進捗の確認/相談/QAチームでやらなければならないことのタスクリスト化とその進捗確認など課題認識のためのチームMTGを創設しました。
その名も「QAsmallMTG」。

私のスタンスとしては「正社員だから」「業務委託だから」とチーム内で格差や線引きをつけるつもりは全くなく、むしろチームの一員であるという意味合いも強く理解してほしくて創設したMTGでした。

もちろん決定権というか承認フロー上正社員が必要等はありますが、そうでない場合ファンズのQAチームは第三者検証だとそうでないとかあまり意識せず業務を遂行できる環境です。

さて、そこのアジェンダに追加したのが「ふりかえり」。
私はややこしいやり方で運用はしたくなかったので、目標が達成できるかどうかで判断し「GKPT」を採用、「ふりかえり」と称し運用を開始しました。

ふりかえりのルールは4つ

  1. 業務のこと。プライベートのことなんでもOK。今週あったことを考えて出してみよう

  2. Problemについてはどんな些細な事でもOK。
    例えば、「朝起きれない」とか「テスト実行に想定より時間かかってしまった」とかそんなことでOK

  3. TRYはGood/KeepとProblemを話した後に決めよう

  4. ここでの内容でマイナスな評価をされる等は絶対しないのでざっくばらんに話したいこと。

たったこれだけ。
記載してもらった振り返りの内容は一人ひとり発表というか自分の言葉で伝えてもらうようにしました。

私が意識したのは最初だけです。
どのように書くか具体的なイメージがつかない1回目はわりといい子に徹したことを書く方が経験上多いです。ほぼ雑談もしたことがない相手に対して心を開いていけ、というはなかなか難しいですもんね。
だからこそどんな事書けばいいのか、どんなことでも書いていいんだよ、ということを印象付ける必要があります。

ふりかえりのすすめかた <書く内容について>

では実際にどうやっていくか、です。

まず、Good/Keep
チームメンバーへの賞賛と日常のことをぶっちゃけたりQAと関係ない仕事のことを書いたりしました。

初日のGood&Keep

そしてProblem
こちらも同様に素直に私からみた目線を書き、そして冬なので足寒いという気持ちを伝えました。

初日の記録/Problem

ふりかえりのすすめかた <発表とファシリ>

それぞれ発表をしてもらうわけですが、Goodでは、私は勝手に拍手したり、「それめちゃいいですね」とか「どんなお弁当だったんですか?」とか相槌や質問を挟むようにしていきました。

  • 何を話してもいいんだ という印象付け

  • 質問をして話を広げてもよいという意識づけ

  • 発表者がどんな人なのか の理解促進

  • あとは私が普通に気になるので聞きたい

というのを目標にしています。ただ私の場合は無理してやっているのではなく前からずっとこんな感じです、という元も子もない説明に・・。

Problemでは少し方向性が変わります。話を聞きつつ、Goodのところより少し深堀しつ以下を理解します。

  • 現在の業務に対して何がペインなのか

  • この人はどういうところに働きにくさやペインをもつのか

  • 苦手なものはなんなのか(業務やパーソナリティとして)

また私が改善できそうなアイデアがあれば「こういう風にしたらよさそうですか?」と聞いてみたりして感触を探る場にもなっていました。
※ それらは後日速攻で私のタスクとなり改善されることになります。

そして一通りやんや話した後にTRYを決めます。
TRYの記載そのものを後回しにしているのは、2つ意味があります。

  1. いろいろな人との会話を通して見えるTRYがあると思うから
    質問ややり取りを通して見えてくるものはきっとあるはずで「やっぱ変えます!」より全部聞いたうえで「こうします」のほうがもたつきがないからです。

  2. 1と少し似ていますが、Problemに対しての改善策がでるパターンがあるためです。
    それをTRYに回してProblemを減らしていくという行動がとれるとおもっています。

TRYを決めたら、このTRYを胸に一週間頑張りましょう!と伝えてMTGは終了です。
次の振り返りのタイミングでTRYの達成確認から始まります。
※ この達成確認はProblemの後にやってもOKです。そのあとにTRYを決めるので割とスムーズです。

そして私は最初は見本をかねてファシリをしていましたが、リモートワークで衰えた喉が1時間も持つわけもなく、最終的に声がスカスカになってしまうので、順番制にしたのはまた別のお話です。
もちろん第三者検証の方だろうと正社員だろうと関係なくファシリは回ってきます。(にっこり)

ふりかえりを実施しての後日談

さてこんな感じで、関係性が薄いうちは週1開催していました。
回を重ねることに改善は回りますし、お互いのやったことも明確になり、このGKPTが自分事化されることでパーソナリティの開示になります。

時には筋トレを頑張っているメンバーが継続をできていることが分かりますし、一方私は「やります」といってもなかなかプライベートでの「継続」ができず、つまりはTRYが達成できず継続が下手な人間だとばれてしまうわけです。
みんなどうやって「継続」しているんですか?と聞きまわり、これが雑談につながっていきます。
Goodに旅行に行きましたと書けば、「どこ行ったんですか?」「おすすめあります?」「あそこいいですよねー!」「あ、ここですか?(画面共有しながらサイトを出す)」という要領でポンポン話始めます。
こうなるとMTGの時間いっぱい・・いやむしろちょっと超過してしまうこともあるのですが、そのくらい話が盛り上がるのです。

そしてルールに記載した通り、私はKPTの結果でその人を評価するするつもりはないですし、「人間」と働いている限り得意不得意、調子がいい日、悪い日いろいろあります。少しでも相互理解して、フォローしあえるチームを作りをしていきたい、そのつもりでやっています。そして今のところうまくいっていると感じています。

相互理解が進んだことで、話しかけるハードル自体が下がりコミュニケーションコストが減ったこと、お互いになにをやっているのか、どんな人なのか、どのタスクが得意なのかなどの情報をある程度理解しているので相談等が促進されたことは大いに成果と言えると思います。
また第三者検証だから・・と憚っていた部分は取っ払われ、提案や「私これやりましょうか」と言ってもらえることも増えましたし、逆に私に「これお願いできますか」という依頼や「この点が非効率でちょっとどうにかしたく・・」という相談も気軽来たり、非常にスムーズな世界になりました。
私が目指していたのはこれだ・・!という気持ちです。
よかったね、入社直後のわたしよ。

そして副産物としては、この場を持ったことで問題意識が根付きProblemや改善意識が出てくるようになったことです。
日々意識していないと「よかったこと」「課題なこと」って気づきにくいですし、それって改善できたんだ・・なんてことはたくさんあるので、そういった意識が芽生えたのも大きな収穫でした。

後はslackでの短い絡みが増えました。ジョインしたての頃はこんな会話もできないほどの関係性でしたので、すごい進歩。爆速の関係構築ですね。

ふりかえりの話では?

きっとそう思われたと思いますが、振り返りは手段でしかなく雑談を増やしコミュニケーションを促進していくことや私の業務都合上の目的を鑑みると、「振り返り」が最も低コストで導入できる手段だったにすぎません。きっと立場や予算の有無等によって様々な選択肢があると思います。

是非目的に合わせて手段を考えてみていただければと思います!

これをテキストコミュニケーションでできる?

いくらでも時間をかけられるのであれば、できるかもしれません。
(もしくはすごくテキストコミュニケーションに長けた方がやったらできるのかもしれません)
ただ当時のQAチームの状況を見るに爆速での改善が求められたことと、テキストコミュニケーションのレスポンス速度が個人に依存すること(つまり、レスやタイピングが早いか遅いかという話)、新しい方が入ってきたときには即なじめるやり方ではないということを考えると、私は難しいと思います。

昔の職場で1分で200レスくらいの速度で話すプロジェクトメンバーとテキストで話していましたが、それはもう口頭で話すのと変わらないくらいだったのは確かです。ただ、そのスピードで話すならタイピングするより話そうとなることが多くなります。
そしてそもそもそのメンバー以外の全員が全員その速度での反応・タイピングをできるわけではないですし、結局そのメンバーとも雑談をしてコミュニケーション量を稼いでいたので、雑談による情報量の多さは圧倒的なんだろうなと思います。

やっぱり「雑談」は大切だった

冒頭でもお伝えした通り、私はテキストコミュニケーションが大好きな側の人間です。
ただ、この振り返りを通して行った「雑談」の効果はすさまじく、新しい方を受けて入れてもやはりこの改善の渦にしっかり巻き込まれチームにフィットしていってくれます。

現在もこの取り組み自体は継続していますが、開催回数は関係性やチームの状態によって変えたりしています。初期や新しい方が入られたタイミングは週一回、メンバーが固定で長く変わらない場合は、隔週に1回や月一回と減らし、また必要そうだなというタイミングで回数を調整するといった調子です。

やはり雑談といえど親しき仲になると阿吽の呼吸ができてくるので、雑談の力を借りずとも業務が回るタイミングがやってきます。チームの状況を見極めつつ調整する必要は一定あると思っています。

きっとこれを読んでる方の中には私と同様に、業務上何かしらの理由でどうしてもチームアップを早急に進めなくてはならない方もいらっしゃると思います。
その時はぜひ「雑談」にも着目していただけたら幸いです。

そしてここまでお読みいただきありがとうございます・・
ですが・・お約束に参りましょう..

🎉一緒に働いてくれる仲間を大募集中です🎉

私が所属するファンズ株式会社では一緒に働いてくれる仲間を大募集中です!
私はエンジニアの採用担当なのでエンジニア推しでご紹介しますがその他のポジションも空いているので以下をご確認くださいませ!

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※ 基本エンジニアについてはカジュアル面談からスタートですのでお気軽に応募ください~!会社のこと一通りご説明させていただきます!

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それでは皆様!次の記事でまたお会いしましょう!
ここまで読んでいただきありがとうございました~!

Fundsの中の人@SHIO

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