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映画のミューズ

映画監督と俳優に恋愛感情が絡むと作品に情念が宿る。情念宿る作品を作った監督と俳優を年代順にピックアップ⭐⭐⭐

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溝口健二 ✖ 田中絹代

1947年 「女優須磨子の恋」

1948年 「夜の女たち」

1949年 「わが恋は燃えぬ」

1951年 「お遊さま」「武蔵野夫人」

1952年 「西鶴一代女」

1953年 「雨月物語」

1954年 「山椒大夫」

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「ある映画監督の生涯」より新藤兼人監督の田中絹代さんへのインタビュー

新藤:溝口さんは恋愛というものを生涯されたことがないと言われているんですよね。僕の感じではね、溝口さんが生きてらっしゃるときに僕は親しくさせていただいたんですけれども、田中さんにね、田中さんに恋愛を感じていらっしゃったと思うんですよ。

田中:(笑いながら)これはいいチャンスですね。いいチャンスにお答えができます。はい、このことは。

新藤:浪速女で撮影初日に(溝口監督が田中さんに)挨拶があって、撮影最後に挨拶をして撮影期間中は会話がないぐらい溝口さんはハニカミ屋で照れ症で、なかなか田中さんに告白はなかったと思うんですけどね、溝口さんは田中さんを「生涯の恋人」だと思ってらっしゃったんじゃないかと思うんですよ。

田中:(笑いながら)それはちょっと極端じゃございませんか?

新藤:いやいや、面白半分で言うんじゃないんですよ。あの・・・非常に田中さんの仕事を通じてですね田中さんを尊敬してらっしゃったと思うんですよ。あの・・・田中さんは(溝口さんが)亡くなる前に病院に行かれたそうですね。

田中:もちろんまいりました。

新藤:田中さんもですね、溝口さんが田中さんを傾倒してらっしゃるのをご存じだったでしょ?

田中:いえ、あのねこれは本当に良いチャンスですね。私と先生はスクリーンの上での夫婦ですね。これは絶対的な夫婦ですね。だからね(先生がそういう気持ちだったことは)私、存じませんの。もし、先生がですね田中にそういうことを想ってくれていたとすればそれはね、演じた役の上の話だと思います。(先生が傾倒しているのは)田中絹代じゃないんです。田中絹代に演じされる女性像ですね、私の演じる役は先生の愛する女性像ですよ。それに惚れちゃってるんです。そういうものを私、よくわかります。

新藤:溝口さんがですね、「西鶴一代女」を監督されたときに仕事で孤独になられたことがあるんですよ。溝口さんは人におごることが嫌いな性分でね、なかなか飯をおごってくれたりしないんですけれど、一度だけお食事を一緒にしたことがあるんですよ。そのときにですね、食べるうちに冗談めかして「僕は田中くんに惚れてるんですがねぇ、きみ何とかなりませんか」っておっしゃったんですよ。

田中:それはお酒をのまれておっしゃったんじゃ・・・

新藤:いやいや、お酒はのんでませんよ。

田中:それは小津(安二郎)先生にもおっしゃった。それをきいた人はかなりいらっしゃる。小津先生のときも会ったときにその話が出るんですよ。あ、またか・・・と私は思っております。そして、読売新聞の記者さんからも電話で今からインタビューに行きたいと言われて、何ですか?ときいたら「溝口先生と(田中さんが)結婚なさるんで結納のお日取りが決まったというニュースをきいた」と言われたんですよ。唖然といたしましてね、誤解されたと思ってましたら(記者が)家までやってらっしゃいました。そして「結納はいつかきかせてくれ」とそれはあんまり行き過ぎですよって・・・私も真剣になりましてね咄嗟にこんなお答えをしたんですよ。「溝口健二という演出には惚れてるけど、あの人を亭主にする理想の夫でない」ってね。私の若さの力ですね。そう言っちゃったんですよ。そのままずばりをですね、(記者が)京都に電話したんですよ。そして溝口先生に(記者が)そのまま言ったんですよ。そしたら溝口先生が「僕は田中絹代に振られましたよ・・・」って(記者に)言ったそうですよ。


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ルキノ・ヴィスコンティ ✖ ヘルムート・バーガー

1969年 「地獄に墜ちた勇者ども」

1972年 「ルートヴィヒ」

1974年 「家族の肖像」

「地獄に墜ちた勇者ども」のマレーネ・ディートリッヒが賞賛した、ヘルムート・バーガーの女装シーンがとにかく素晴らしい。

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ヘルムート・バーガーは、ヴィスコンティ監督が死別するまで一緒に暮らし、1977年には自殺未遂を図っている。ヘルムート曰く「あれ程心から僕を愛してくれる人はもう二度と現れない」と泣いたという。


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チャン・イーモウ ✖ コン・リー

1987年 「紅いコーリャン」

1990年 「菊豆(チュイトウ)」

1991年 「紅夢」

1992年 「秋菊の物語」

1994年 「活きる」

1995年 「上海ルージュ」

2014年 「妻への家路」

「紅いコーリャン」で、当時は映画大学の女子大生だったコン・リーをヒロインに抜擢したのがチャン・イーモウ監督。映画をきっかけに2人は恋人関係になり、交際は8年続いたとされる。その間に監督は、コン・リーをヒロインに7本の映画を製作。彼女を国際派女優に育て上げた。 

女性ファッション誌「L’OFFICIEL」(2013年)にてチャン監督との実らなかった恋について「何もかも過去のいい思い出。一緒になれなかったからと言って、それが全て後悔につながるわけじゃない」と語っている。


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デヴィッド・クローネンバーグ✖ヴィゴ・モーテンセン

2005年 「ヒストリー・オブ・バランス」

2007年 「イースタン・プロミス」

2011年 「危険なメソッド」

クローネンバーグ監督作品である「危険なメソッド」を引っ提げてきた2011年のヴェネチア映画祭での一コマです。

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クローネンバーグ監督とヴィゴ・モーテンセンとの蜜月っぷりをみて、ビビビッときたのですよ。ヴィゴはクローネンバーグ監督に惚れていると💛だから「イースタン・プロミス」でヴィゴはドキドキするくらいワイルドで美しい主人公を演じているのだな・・・と思ったのですよ💛

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「イースタン・プロミス」の続編企画があることは2009年には明らかになっていたが、2012年に制作中止に。クローネンバーグ監督は、まもなく撮影に入るというところまで行ったのにもかかわらず、制作会社フォーカス・フィーチャーズが中止を決めてしまったのでどうにもできないとIndiewireに明かしていた💦再度、クローネンバーグ監督とヴィゴのタッグを熱烈に魅たいでっす!!


日々観た映画の感想を綴っております。お勧めの作品のみ紹介していこうと思っております。