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忙しいほうが良いという人は...

中学校では吹奏楽と生徒会の両立、高校では吹奏楽と課外活動としての国際交流との両立をしていた。もちろん勉強もまじめにしていた。

周囲からは「そんなに忙しくして大丈夫?」や「無理しないほうがいいよ」と心配されることも多かった。しかし私は、忙しいほうが楽しいし無駄な時間が無くなるから自分に合っていると考えていた。

小学生の頃から手帳を持ち歩いているくらいスケジュール管理は得意だ。趣味の少ない私にとって暇な時間ほどもったいないものは無いと思っていた。食事と睡眠さえ確保すればいいと思っていた。だから多少辛くても疲れても弱音を吐くことなく常にエンジンをかけ続けていた。幸いにも高校卒業までエンストになることはなかった。

しかし共通テストが終わってからの大学の2次試験の対策を始めると精神的な余裕のなさに対して時間の余裕があるという矛盾が生じた。面接と小論文の対策のみであったため、1日が恐ろしく長く感じるようになった。これまではある集団に属して必要なことをこなしていれば月日は勝手に流れていた。

しかし膨大な自由時間を手に入れた私を待ち受けていたのは、私という人間について無知である私の存在であった。忙しいことを理由に自分の時間を持たないということは、自分の心の声を無視していることに等しい。本来望んでいたはずのことも忙しさを理由にどこかへ追いやられていたのだ。

実際に自己を理解することは難しいし一朝一夕で答えが見つかるものではない。それでも忙しくて目の前のことに向き合うのに精一杯で本当の自分を知らないまま大人になるのはあんまりだ。



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