蜘蛛の巣
体から出た無数の糸
恐ろしいほどの その量に
身震いがする
ふと手を見れば
必死に握って食い込んだ 爪
血が出たことにも気づかなかった
大空に向かって 放り出してもいいんだと
今になって気づく
頭に浮かぶ
無駄な声 いらない人
背中に乗せていけば
抱え込みすぎた あの子みたいに
私を潰してしまうのだろう
ならば 手放せばいいと
気づいているのに
私は それができない
どうしたって
できない
導くのだと
強い使命感を持つ この心が
握った手を解いてはくれない
自覚してもなお
私はすべてを支配したい
喉元が ひゅう っと 音を鳴らす
2022/08/02 sora
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