海まで100km 2004夏 ①
突然携帯が鳴った。
「一緒に追悼登山しない?」
それは、政則からのメールだった。彼と最後に会ったのは、2年前の暑い夏だった。
僕と政則は、かれこれ20年来の親友だ。
「どうせなら拓也も誘おうよ」
僕は、頭で考えるより先にメールを打っていた。まもなく拓也からもメールが来た。
「うん、行く行く。ほんま久しぶりやなあ。」
拓也も政則と同じく20年来の親友だ。
☆
気がつけば、あっという間の20年だった。最近読んだ本で、椎名誠の「哀愁の街に霧が降るのだ」を読み、ふと懐かしい友の事を思