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消滅と再生

一説によると
月の語源は「尽き」だと言われる。
月は現れて、
太って、やせて、
そして消えてしまう。

月が隠れることを
「月こもる」と言い
それが「つごもり」に転じた。
それが「みそか」と言われるのは
太陰暦でのひと月が
約「三十日」であったからだ。
「三十歳」を「みそじ」と言うように
「三十日」は「みそか」と読まれる。
「晦」という字も
月の消滅した暗さを表す。

一度消えても
月はまた現れる。
「風立ちぬ」などと言い、
自然界にふと何かが現われることは、
「たつ」と表現される。
月が再び現われることも
「月立ち」と言い、
これが転じて
現在の「ついたち」に至る。
漢字では「朔」が用いられるが
これには
「もどる」という字義がある。

月が古代から
人の心をとらえてやまないのは
そうした
消えることと
よみがえることを
繰り返し続けることに
あるのではないかと最近思う。

終わって、また始まる。

そう思えるなら、
たぶん
何を憂うることもないに違いない・・。



今日は「大晦日」「おほつごもり」。
みなさん、よいお年をお迎えください。


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