見出し画像

青田風

猫と僕と吹かれて歩く青田風

夏休みになり、相変わらず休みはないのですが、19時前に家に帰れるようになりました。

まだ明るいので、玄関に猫が待ち受けていて、帰るなり、散歩をせがまれます。僕を「散歩の道具」だと思っている猫であっても、帰りを心待ちにしていてくれる者がいることは、それなりにいいものです。

昨日は八月一日でした。

八月一日
という苗字があり、これを穂積(ほづみ)と読むそうです。実った稲の穂を摘み贈る風習が語源だとか。
陰暦のことですから、八月一日でも季節感は一か月以上ずれていて、まだ「稲穂」というイメージの今日この頃ではありません。でも、僕の住む地域は早稲なので、もう穂が少し付き始めています。

画像1


里芋の葉の水滴のまあるくてしばらく猫とながめてゐたり
玉蜀黍をゆわんゆわんと揺らす風とほりて今年も夏が始まる

稲の海をあをあをと吹く風に佇ち たしかに僕が いまここにゐた


ちなみに苗字の話ですが、四月一日という苗字があって、これはわたぬきと読むそうですが、こちらは金田一晴彦さんの『ことばの歳時記』に、

昔旧暦の四月一日といえば、衣替えをする日で、今まで着ていた綿入れを脱ぎ、あわせに着換えた。そういうことから四月一日はワタヌキだそうだ。

とあります。

この本では、ついでにお知り合いの国文学者に栗花落という苗字で、これをツユリさんと紹介されています。

毎年梅雨の候になるとクリの花が散る。このことから栗花落と書いてツユイリと読むので、ツユリはその転だ。

・・だそうです。

暑い日が続きます。ご自愛ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?