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かみさまと人 ミュージカル刀剣乱舞〜陸奥一蓮感想

ネタバレあり

刀ミュを少しでも知っている人であれば、
今回の公演の出演者が公開された段階で、
こりゃ何事か、とのけぞったはずだ。

私も例に漏れず、何事だよ!?となり
「キャスト変更」まで含めたあらゆる「いやな予感」が頭をかすめた。
出演者があまりに豪華すぎるので楽しみな反面、どこか気が重い公演でもあった。

見た人なら分かると思うが、
核心的なことは語られないまでも、
物語の根幹に迫る重要な公演だったと思う。
なので感想としても、
物語の核心について、というよりも
細かいディテールをさらうようなものになると思う。
お時間ある方はどうぞ

かみさまと人


私が舞台作品の「刀剣乱舞」にどハマリした大きな理由の一つは、
若い美しい男性が「神様」の役を真剣にやるところに「神事」めいたものを感じたというのがある。

宗教観の薄れた現代社会ということもあるだろうし、
「神」とは時に「見てはいけない」ものとして扱われるため、
コンテンツがあふれる現代でも、
意外と神様を肉眼で認識できるコンテンツは多くない。
いや、そんなことないか。
BLEACHとかDEATH NOTEとかも神は出てくるか。

ともかく、そんな中で舞台作品の刀剣乱舞はどちらも、
慈しみに満ちた目で人間をまなざす「神様」が登場するという点で稀有な作品だ。

今作の陸奥一蓮でも黒羽麻璃央演じる三日月宗近が、まさに「神様」として登場しており、
その姿は神社をおとずれた時のような静粛な、
スピリチュアルな感性に触れる雰囲気が、
たかだかゲーム原作の2.5次元舞台作品であるというにも関わらず、チャラい肩書きを完全に忘れさせるほどに厳粛に漂っていたと思う。

これだ、これこそが私が刀剣乱舞から得たい「感覚」だ。
2.5次元どころか普通の演劇でもこんな雰囲気のただよう作品はそうない。

三日月宗近だけでなく、
その他の6振りの刀剣男士についても、
日本の歴史を見守る「神様」のまなざしを感じ、
非常にありがたいものを見た気分になった。

明るさ100%と思っていた本丸が抱えていた悲しみ


このミュージカル刀剣乱舞はメディア露出が特に多いカンパニーで、各種音楽番組をはじめ、2018年末には紅白歌合戦に出場したこともある。
オタクでない人にもよく知られた、
「明るい」イメージのカンパニーだ。

でも、この「明るさ」はこちらの勝手なイメージで、
本当はずっと、この本丸の審神者も、この本丸の古参の男士たちも、心の奥底に、大切な存在を亡くした痛みを心にくすぶらせていたのだ。

元気だと思って疑わなかった仲良い友達が、
本当はずっと苦しんでいたのを知らされたみたいな。
考えるほど気分が塞ぐが……
フィクションだから、と自分に言い聞かせるしかなかった。

ここの審神者と加州清光


ミュージカル刀剣乱舞を追っかけ始めて、
加州清光が「単騎出陣」なる特別扱いを受けていることに心底驚いた。
これは……

こんな「特別扱い」したら、
当時の界隈はずいぶん荒れたのではないか?
そんな心配を胸にハラハラしながら「加州清光単騎出陣」の映像を観た。

そこでは女の子だって着ることがないような、
真っ赤な、デコラティブなドレスを着た加州清光が、自信たっぷりにステージの上で歌い踊っていた。
私はこの姿にすっかりヤラれてしまい、
そこから加州を推すことになったわけだが、 
この加州清光の姿を見て私は「加州は審神者から溺愛されているんだな」と感じた。
私も加州が好きだが、それ以上にここの審神者が加州を溺愛している。ずっとそう思ってきた。
だからこそ……
だからこそ、ここの本丸の初期刀は「加州清光」だと信じて疑わなかった。
いや、にっかり青江単騎出陣などの公演を観れば、ここの審神者が大切にして、溺愛しているのは加州だけではないとわかる。
でも、私にとって加州が特別なように、(私の初期刀は加州です)ここの審神者にとっても一番は、特別は、初期刀は、加州であってほしかった……

大好きな役者しか出てこない、歌がうますぎる


黒羽麻璃央の昔のインタビュー記事を読む限り、
ジュノンボーイを取った時点で割と満足してしまい、
役者業もあんまり大変だったらやめて田舎に帰ろうと思っていた、みたいに話していた気がする。
それがどうだろう、
着実にキャリアを積んで、歌唱力にしても殺陣にしてもダントツにウマくなっていた。
早乙女兄弟とかを見てても思うことだが、
殺陣とはけっこうシンプルに、刀を振った回数だけ上手になる、ということがあるのだろうか。
今回の7振りにしても、出演回数が多い順に、殺陣が上手い気がした。

そういう意味で本当に佐藤流司とは本当に器用で、
何をやらせても上手にやる。
失礼かもしれないがまあまあのヤンキーの出自とお見受けするのだが(襟足を伸ばした子供だったと言ってた気がしたので)
役を作り込むだけの演劇的なセンスの良さが確実にあり、
ダンスも上手いし、
歌唱力に関しては普通に歌手活動もされているので、言うに及ばないという感じだ。
ヤンキー的な世界観からは遠い感じのする内向的な、芸術的だったり繊細な技術力が確実にあり、
毎回そのギャップに驚かされる。
友達には内緒にしているがかなり佐藤流司が好きだ。

それと昔は割と苦手だった(笑)高橋健介が今ものすごい好きだ。
やはりあの共演者に意地悪しまくるキャラを初めて見たときはびっくりしたが(陰キャなので……)
高学歴なところからも分かるように多分根が真面目なのは本当なんだと思う。歌も演技もダンスも見るたびに上手くなっている気がする。
それとご自身でも「今2.5で俺より顔がいい奴いる!?」と豪語されているだけあり、やっぱりめちゃくちゃカッコいい。
それが蜂須賀をやると、まあ綺麗。
スーパーロングのさばき方は髪を長くしたことがない女性よりも上手そうだ。
高橋健介も蜂須賀もすごい好きなので応援うちわも蜂須賀で作った(笑)

それと岡宮来夢くんさんの歌よね……
前から言ってるんだけど、
岡宮来夢さんの歌を聴いていると自律神経が整う気がする。
ハードメタルはそのうちガンに効くようになると言われているけど、
岡宮来夢さんの歌もいずれ何かしらの医療行為になりそう。
岡宮来夢くんさんの歌唱のあるミュージカルが3割負担で観られるようになったらいいな。

他の3人ももちろん良かった

まとめ


私はHSP(笑)なので、
この本丸がまだ名が明らかになっていない存在を失った悲しみを語るまいとするほど、それが伝わってきて、悲しくて泣いてしまった

しかし過日のゲーム内のイベント「大侵寇」を思い起こすと、
あらかたの予想の通りこの本丸の初期刀が折れてしまっていたのだとしても、
受取箱に戻ってくるはずなのだ。
三日月宗近を取り戻すために……
しかしこの「受取箱」に入れられた刀を、最初に顕現した個体と同一とみるのか、別個体とみるのか……
不安は尽きない

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